小嶋つうしん(号外)

(元)大分県議会議員 小嶋秀行の徒然ブログ

こんな活動も・・・。

2019年01月24日 | 社会
                      地域の通学安全見守り活動


 「おはよう!はい、通れるよ!」毎朝ローソン前の交差点で黄色い旗降って声をかける。それまで信号待ちしていた児童生徒が一斉に渡り終える。かれこれ20年位こんなことやっていますが、何が楽しいかと言えば、この間、この交差点での児童生徒の事故はゼロが誇り。こんなたわいもない毎日(約四五分間)の積み重ねで、彼らの社会教育(しっかり挨拶する。信号を見て渡る。信号無視しない)の一環に寄与できているかなと実感できることです。約20年前、これを始めたきっかけは、会社の先輩の一言があったからでした。

 先輩の一言とは、「俺たちが子どもの頃、地域の方々に大変お世話になってきただろ。だから、大人になった俺たちがこれから地域の役に立つという思いで、地域の世話をしている」というものでした。その時は、そういう事かぁと思っていましたが、我が家の子どもたちもこの地域でたくさんの人にお世話になって成長したから、その恩返しは父である私がと始めた一つが、交通安全協会西の台分会の活動でした。

 私が始めたころは、安全協会の活動というより、単なる一人のボランティアという感じでした。気恥ずかしさもありましたね。今の交差点には私一人しか立っていませんでしたから。市議会議員一期目のころでした。「かれは、だからやっているんだ」と思われたくない気持ちが強くありました。となると、毎日毎日、雨の日も雪の日もとにかく続ける事が大事になってきます。最初は、冬場の寒い頃辛いこともありましたが、一年、二年と過ぎていくうち、そんな事も無くなりました。

 その後、他の安全協会の方々や、自治会長も立つようになって、現在に至っています。今では、西の台校区の通学路の主な交差点には、三人から五人の方が立っています。青少年健全育成会の方々も協力するようになり、全体では、30名以上の方々が、毎朝交差点のいたる所で「通学安全見守り活動」を行っています。このメンバーの多くは、教員OBや県警OB、また、民間企業のOBは勿論、NTTのOBもいます。
 
 前に30名以上の方がこの活動に携わっていると書きましたが、私が始めた頃は、2~3人のしかも、制服を着た大分市の交通安全指導員が中心でした。それが、一般のボランティアとして参画する方が増えて今日に至りましたが、今では、そういう方々が年に2回、交流懇親会で一杯飲み会を開くようになりました。年はじめと、夏場の暑い盛りの時期。いろんな情報交換を行いますが、それぞれの方々にはそれぞれの思いがありますし、大概の方々が続けられる間は続けたいと思っているようです。

 私には、この活動を行う上で心掛けていることが一つあります。それは、通学する児童生徒の「ストレス」にならないことです。毎日やっていて、顔見知りになると、「今日はいつもより随分遅かったね」とか、一言声をかけたくなります。でも、それそのものが子どもたちのストレスになりかねません。「あのおじちゃんはいろいろ言うから、前を通りたくない」と。なので、「おはよう」という声かけ以外に、「行ってらっしゃい!寒いけど頑張ろうね」くらいに限定しておかないと、私が原因でストレスを感じ不登校になっても困りますから。

 逆に、子どもたちの側から「今何時何分ですか」と聞いてくる場合があります。それもほぼ特定した児童です。多い朝は、なぜか30人位の児童が聞きます。毎日のことですのでその子たちへの印象は特に強いものがあります。小学校を卒業したこの子たちは当然ですが3年間は中学校に通いますが、その後、高校生になります。昨年の春、私の前を自転車で通りかかる高校生が、「おはようございます。」と笑顔で声をかけてきました。3年前6年生だったあの子だ!と思いつき、「そうなんだ!もう高一かぁ」と、何か言い知れない熱いものを感じました。

 児童生徒の場合とは違い、自転車通学の高校生には、正しい自転車の走行について話すことがあります。「君も高校生だから解るだろうけど、自転車は基本的に車両だから、本当は車道を走行するのが正しいよ。歩車分離のこうした交差点では、歩行者と一緒に通ると歩行者にぶつかるだろ。だから、青の信号の時に乗用車と一緒に車道を通るようにしようね。慣れないと怖いけどね。気を付けて」と助言します。さすがの高校生は翌日からこれをちゃんと実施できるようになっています。

 私は、地域の交通安全協会役員として通学見守りボランティアをやっていますが、実は、交通指導員ではないので、交通指導を行ってはなりません。私などが指導するのはご法度で、それは交通指導員にお任せすることです。でも、校区内には二名の交通指導員しかいません。その二名だけでは今のような状況にならないと思うので、これからも児童生徒の通学安全を見守るための活動を、地域の方々と続けていきたいと思っています。
 20年前、この活動を始めた頃の小学校6年生は、もう立派な子を持つ大人になっていると思います。