小嶋つうしん(号外)

(元)大分県議会議員 小嶋秀行の徒然ブログ

東京オリンピック

2019年11月08日 | 社会
マラソンと競歩が札幌開催に
 東京オリンピックのマラソンと競歩が北海度で開催されることになりました。開催を九か月後に控えたこの時期の性急な論議・決定としては、その結論はともかくとして、何のための、誰のためのオリンピックなのか、心底疑いたくなります。
 日本で初めて開催されたオリンピック(1964年)は、夏が過ぎた秋口の開催であったことを記憶している方も多かろうと思いますが、10月10日の体育の日は、オリンピック開催(開会式の日)を記念して制定されたものですね。しかし、今回の開催時期は、真夏のオリンピックとなってしまいました。これが摩訶不思議な時期設定の経過なのです。

アメリカ(放送権料)の意思で開始時期設定
 その一つは、と言ってもこれが大きな原因だと言えそうですが、多額の放送権料が動くと言われるオリンピックです。大半以上がアメリカの放送局に占められているらしく、丁度、東京オリンピックの開催時期は、アメリカ放送業界の言ってみれば「閑散期」にあたるらしく、この時期の前後にはビックなイベントが予定されていることから、その間に東京オリンピックを挟んだことによって、真夏の東京開催ということにことが新聞にも報道されていました。

お金に絡む話題は多く
 その全容を知る由もありませんが、放送権料で多額の金が動いているらしいことに加えて、JOCの会長が、東京オリンピック決定前の取り組みに関連し、IOC関係者に幾ばくかを渡した?ことが発覚?したのか、会長を辞任する事になったことは記憶に新しい事です。最初から、建設費をめぐる資金を含め、お金に絡むドロドロした話が国と自治体間で多くあったこの東京オリンピックの開催は、本来の主旨を改めて問い直す必要あるように思えてなりません。

「東京一極集中の改善」遠のく
そもそも、政府がというか、安倍政権が、東京一極集中を地方創生の取り組みを通して改善するという方針を強調してきたにも拘らず、これを結果として東京オリンピックの開催が主な原因の一つとして、その方針を数年先送りせざるを得なくなったということをご存じだろうか。
 さらに、開催決定からこれまで5~6年の期間、大会成功に向けた具体的な取組が行われることとなり、改めて巨大なスタジアムを建設し、競技場も新しくする。会場へのアクセス道路を改善するなど、莫大な費用を投資することで、事もあろうか地方の人材が大挙して中央地域に流入することとなってしまっています。その影響として、様々な分野で人材不足の自治体が顕在化しています。その意味では、あらためて、東京オリンピックの開催は、東京一極集中の改善はおろか、ますますこれを助長することになってしまいました。

東京オリンピックは返上したら?
 マラソンと競歩が話題になり、一旦決着はしたものの、前述の時期設定の根拠やお金に絡む話題が多すぎ、利権の話まで出てくる中で、「返上したら」という意見を言う著名人もいます。その根拠は、今やオリンピックが誰のためのものか、本当にアスリートのためのものなのかが不明瞭だという点です。その証拠に、6年も前に開催国や開催期間も決まっているにも拘らず、開催9ケ月前になってやっと、マラソンと競歩の開催場所変更が決められるなど全くもって考えられない話です。
この点、IOCもJOCもオリンピックを開催することにのみ意義を見出しているとしか考えられません。この真夏の最も暑い盛り、そして期間中には、昨今の自然環境からして、大型台風襲来の可能性が100%ある日本で開催するなどを考慮すると、「アスリートファースト」の思いは、関係者幹部諸氏には、これまで皆無だったのか、IOCの権限が強すぎるのか。こう考えると、「東京オリンピックは返上したら」という著名人の思いもよく理解できます。