通常、野菜類の栽培では種子や苗類を購入するのが一般的だが、自前で準備する事例もあり得る。「自家採取」・「自家育苗」というように表現しているが、栽培物から種子を採取したり、苗等を育てたりの手法なのだ。今回は大御所のサトイモ栽培についてご紹介しようかと思う。サトイモは上述のように春先に種芋を購入し、埋設して育成し秋に収穫というパターンが多い。つまり大半が購入派と言っても良いだろう。彼の特徴は自前育成派、それも独自なやり方だ。簡単にいうと、秋の収穫を行わずそのまま寒波対策を施して春まで待つこと。ほぼ手の掛からぬ手法だ。
当然ながら地中には沢山の子芋が発生している。しかも長期間の埋設栽培で、僅かづつではあるが大きくもなっていく。上述のように冬越しするので寒波対策は必要だ。彼は「籾殻」と「マルチ」で行ってるようで、当地の気候では十分対応可能な対策だ。画像類はマルチを剥がした状態、大きな特徴は発芽して立派な種芋が出来上がっているでしょう。ご注意いただきたいのは市販用の種芋は、イモだけの状態で発芽はしていない。つまり子芋の段階で大きな格差がついており、「スタート時に負けさせない・・・・・・」と言う、何処かの国の子育てスローガンと同一状態なのだ。
新年度の栽培は、サトイモを掘り出し子芋を分離して新たに埋設するだけ。上述のように、一般農家よりも遅い埋設であったとしても早く育っていく。まるで英才教育であるかの模様で、すごいスピードで育っていく。秋のお月見には、丸々と育ったサトイモをお供え可能となってハッピーエンドだ。
単純な手順ながら見事な育成法だ。斯くして彼は多量の種芋を入手し、趣味でもある観光客の「イモ掘り体験」の開催準備をも行うのであろう。子狸はサトイモを栽培していないので、例年、彼のおこぼれを頂戴しているのだが、秋の味覚に相応しい品々だ。一寸特異な点は、一般的なサトイモでは無く品種がズイキである事。ご存じかと思うが、ズイキは主に茎を食する作物、無論子イモも食べれるのだが・・・・・・・。原因は概ね解っている。一番当初の種芋入手が、師匠からのプレゼントだったみたいで、師匠はズイキの茎を賞味して欲しいとの思惑だった模様だ。彼は意図的にか転用したらしい。
まあ、育成法も食べ方も個々人の裁量による。子狸も彼の方針に乗っ取って、ズイキをサトイモとして賞味している。結構な味で有り難くつかまつっている。
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