日々の生活から

毎日の生活で感じたこと・考えたこと

ぼくの小鳥ちゃん / 江國香織 / あかね書房

2006-02-26 21:21:20 | 
通りがかった図書館の棚にあった本。
勝気で気ままでかわいらしい小鳥ちゃんは何を象徴しているのだろう。
鳥になりたいと思うのは、しがらみを辛く感じている現われだ、と聞いたことがある。
翼は、面倒な場所からひょいと身体を遠ざける便利なものだ。
でも、翼がない人間が歩いて離れるのを、私たちは追いかけることができる。

 いきなり車がとまった。
「なんだ?」
 びっくりして彼女の顔をみたが、彼女はぼくにはおかまいなしで、エンジンをとめ、イグニッションキーをぬく。サングラスをかけた横顔。
「たのしそうにして」
 まえをむいたまま彼女は言う。
「たのしくないのなら帰って」
 ぼくは困った。急にたのしそうにはできないからだ。かといって帰るのも気がすすまない。
「駐車違反じゃないかな」
 フロントガラスごしに道路標識をみながら言ってみた。
 ぼくたちは、そのまま黙って車のなかにいた。ひろい道路、角の雑貨屋、そのまえのベンチ。
「こういうとき、あなたの小鳥ちゃんなら窓からとんでいっちゃうんでしょうね」
 彼女が言った。
「羽根があるとすごく便利ね」
 同感だった。羽根があれば、ぼくこそとんでいってしまいたかった。
「おりましょう」
 彼女が言い、ぼくたちは車をおりた。それぞれの足で。車の両側でドアを閉める音。おもいのはか風がつめたい。彼女はぼくの先に立ち、きびきびした足どりで公園に入っていく。ぼくは、彼女に羽根がなくてよかったとおもった。


鳥はみずからの力だけでは飛べない / 田口ランディ / 晶文社

2006-02-26 21:20:00 | 
友人の不登校の息子さんに宛てた手紙。
作者はマイノリティに対して寛容だ。寛容になろうとしているというのがより近い表現かもしれない。
だが、引きこもりを是とはしない。
学校に行くのが全てではないと思いながら、引きこもっている状態が続くのも自然ではないと感じている。
そして、「なんとかしてあげたい」と思わないようにしようともしている。
私が田口ランディにはまってしまったのは、この「なんとかしてあげたい」という気持ちが自分と相手をより辛くしてしまうという感覚に共感したからだ。「先のことを考えて頑張らなきゃ」と「今、本当に大切なもの」で揺れる感覚。

天国への階段 / 白川 道 / 幻冬舎

2006-02-26 21:14:01 | 
物語の始めは「流星たちの宴」を思わせるような雰囲気だったが、中盤から人情味というかドラマが展開される。
どうも作者は、男はギラギラしてナンボという所があるようだ。ちょっと自分にはギラギラしすぎているようだ。
物語は面白く、特に後半は一気に読みたくなる緊張感がある。

着物オフ

2006-02-26 21:10:16 | 着物
着物サークルのオフ会に出かける。
あいにくの嵐。昨日まであんなに晴れていたのに・・・。
日が決まっているので仕方ないですね。
熱田神宮の予定でしたが、JRタワーズの「人間国宝展」へ。
着物や金属加工に詳しい人の解説を聞きながら鑑賞できたので、勉強になりました。
隣でやっていた高島屋決算呉味の市で、ふろしきを2枚(ペイズリー柄と鹿の子絞り柄)購入。
着物はこの冬いつも着ているやつです。少し雨に当たったけど、ウールだしね。