日々の生活から

毎日の生活で感じたこと・考えたこと

こころの処方箋 / 河合隼雄 / 新潮社

2006-12-31 09:29:00 | 

ずいぶん昔のベストセラー。古本屋にあったので購入。今年のいつごろだったか著者が入院したと聞いたが、その後はどうなったのだろうか。

1992年発行。この頃、バブルが消えつつあった時期だ。ということは、連載当時はいけいけの時代だろうか。

会社帰りにぼちぼちと読み進めた。「こうしたら良い」という指針はないが、考え方を広げる話が多い。

100%正しい忠告は、まず役に立たないが、ある時、ある人に役立った忠告が、100%正しいとは言い難いことも、もちろんである。(P.18)

日本的マジメは、マジメの側が正しいと決まりきっていて、悪い方はただあやまるしかない。マジメな人は住んでいる世界を狭く限定して、そのなかでマジメにやっているので、相手の世界にまで心を開いて対話してゆく余裕がないのである。(P.58)

マジメな人は自分の限定した世界のなかでは、絶対にマジメなので、確かにそれ以上のことを考える必要もないし、反省する必要もない。マジメな人の無反省さは、鈍感や傲慢にさえ通じるところがある。(P.58)

人間の心のエネルギーは、多くの「鉱脈」のなかに埋もれていて、新しい鉱脈を掘り当てると、これまでとは異なるエネルギーが供給されてくるようである。このような新しい鉱脈を掘り当てることなく、「手持ち」のエネルギーだけに頼ろうとするときは、確かに、それを何かに使用すると、その分だけどこかで節約しなければならない、という感じになるようである。(P.98)


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