カピバラさんの2泊3日(12)

2016-07-09 08:33:05 | 童話
お母さんが
『もう寝るのだから歯を磨いてきなさい。』
『はぁ~い。』
『明日はもう帰るのだね。』
『そうね、楽しい事はすぐ終るわね。』

そして、僕達は明日の用意をしてから、藁を敷いた箱の中で、グ~、グ~。

『おはよう。』
僕は今日も起こされた。
歯を磨いて、顔を洗って、ブルブルッ。
『ああ、気持ちいい。今日はもう帰るんだね。』

4匹と3匹の全員で朝ご飯を食べました。
今朝採ってきたみずみずしいキュウリとニンジンとトウモロコシを貰ったので、水を満たした水筒と一緒にリュックに詰込みました。

さあ出発だ。
『また来なさいね。』
『うん、きっと来るからね。』

お父さんとお母さんが
『お世話になりました。』
と言って手を振りました。
僕は、もっと大きく手を降って
『バイバ~イ。』
と言って歩き始めました。

僕達はまた、お父さんを先頭に一列になって歩いて行きました。
暫く歩いていると雨がポツポツと降ってきだしたのです。
『お父さん、どうします?』
『もう少し歩いて、雨が強くなったら、どこかで雨宿りをしよう。』
『そうね、みんな頑張ってね。』
雨が段々強くなってきました。
『あそこのお菓子屋さんの軒先で、雨宿りをさせてもらおう。』
『随分濡れたねえ。』

ピカピカ、ゴロゴロ。
『うわっ、雷だ。』
『雷が落ちると死んじゃうのかなぁ。』