ぼく(6)

2016-07-31 14:03:52 | 童話
『ねえ、みんな、お母さんやお父さんを喜ばせる方法が有るんだけれど、みんなのお母さんやお父さんはどうかなあ?』
『どうするの?』

『大きく口を開けて、両手と両足をバタバタさせるんだよ。そうすると、みんなが「かわいい、かわいい。」と言って喜ぶよ。お母さんは、ぼくの顔に自分の顔を押しつけて喜ぶよ。』
『わたしもやっているけれど、お母さんもお父さんも喜ぶわよ。』
『僕のお母さんも喜ぶよ。』
『ふぅ~ん、よし、僕も家に帰ったらベッドの上でやってみるよ。』
『すごく喜ぶよ。』

『もう一つあるよ。お母さんやお父さんが手を近付けてきたときに、手のひらを握るのではなく、指を一本だけを強く握るんだ。そうすると、みんな喜ぶよ。』
『ふぅ~ん、そうなんだ。』

『わたしも指を一本だけ握ってあげて、みんなに喜んでもらっているわ。』
『僕もやっているよ。そうすると、みんなが「かわいいわねえ。」と言って喜んでいるよ。』