カピバラさんの2泊3日(13)

2016-07-10 09:06:02 | 童話
みんなで半分濡れながら雨宿りをしていると、今来た方から自動車が来て止まりました。
『随分濡れたね。』
昨日泊まっていた家のおじさんが運転して来てくれたのでした。
助手席のおばさんが僕達4匹の体をタオルで拭いてくれて、後の座席に乗せてくれました。
『君達の家まで送ってあげるよ。』
そう言っておじさんは車を走らせて行きました。
そして、高速道路を走ったので、たちまち家に着きました。

僕達の飼い主さんが
『遠い所をありがとうございました。』
『いやいや、高速道路を走れば直ぐですから。』
『そうですね、カピバラは高速道路を歩けないからね。』
『それでは、私達はこれで帰りますから。』
『ありがとう。バイバ~イ。』
僕は走って行く車に、いつ迄も手を振りました。

僕達の飼い主さんが
『夕食を食べたらお風呂に入って、早く寝なさい。』

僕はお姉ちゃんと
『楽しかったねぇ。』
『また田舎に行きたいね。』

そして、僕達4匹は牛乳を飲みながら
『お風呂上がりの牛乳は、いつ飲んでも美味しいね。』

僕達は歯を磨いてから、柔らかい藁を敷き詰めた箱の中で早く寝ました。
グウグウグウ。
            おしまい