夢の交換(2)

2021-04-07 08:50:41 | 童話
僕も友達もしばらく夢を見ないか、起きた時に夢の内容を覚えていなかったので、夢を入れることができませんでした。

ある日、僕はカブトムシを捕まえた夢を見たので、起きた時に夢を入れるビンの蓋を開けて「夢っ!」と言ってビンの蓋を閉めました。
そして、夢を入れたビンを学校の持って行って友達にあげました。
『ありがとう。だけれど、どうやって夢を見るの?』
『寝る時に、ビンの蓋を開けて「夢っ!」と言って寝るといいんだと思うよ。』
『うん、やってみるよ。』

次の日、友達は『言われたとおりやったんだけれど、夢は見なかったよ。』と言いました。
『夢の入れ物はビンだとダメなのかなあ?』
『ビンはダメなんじゃないかなあ?』
『よしっ、今度はジュースの入っていたペットボトルに入れてみようよ。』
『そうだね、ペットボトルならきっと大丈夫だよ。』
『うん、ペットボトルならきっとうまくいくよ。』