夢のおじさん(6)

2021-04-25 09:23:35 | 童話
そして、僕はずっと歩いて学校に着きました。
すると、友達が
『遅かったね。もう勉強が始まっているよ。』と言いました。
『あれっ、今日は日曜日だよ。』
『ちがうよ、月曜日だよ。』
『だって、ここは日曜日の夢の中だよね。』
『ちがうよ、ここは本当の学校で、今日は月曜日だよ。』
『おかしいなあ、僕はまだ夢の中にいるんだよ。』

そこへ夢のおじさんがやって来ました。
『ゴメンゴメン、夢を作るのを間違えてしまったよ。私と一緒に元の場所まで戻る。』
『うん、いいよ。』
そして、僕と夢のおじさんは高い階段を下りて行きました。
『ここで少し待っていてくれるかい。』
『うん、いいよ。』

しばらくして、おじさんが『もう夢を直したから階段を上がってもいいよ。』と言ったので、僕はまた階段を上がって行きました。
そして、草原に居るお猿さんが『また来たの?』と言ったので『さっきは間違っていたんだよ。』と返事をして、遠くある学校へ歩いて行きました。だけれど、その学校はキラキラと光っていました。中にいる友達が
『やあ、やっと来たね。』
『君も夢のおじさんに教えてもらったの? 同じだね。』
『今日は何曜日なの?』
『日曜日だよ。』
『ここは夢の中の学校なの?』
『そうだよ、夢の中だよ。』

僕は、夢のおじさんが夢を直してくれて安心しました。
『みんな、朝起きるまで一緒に遊ぼうね。』