夢のおじさん(2)

2021-04-21 11:16:36 | 童話
『僕は人間と同じだけれど、人間の君は犬と同じ事ができないよね。速く走ったり、匂いでたくさん区別をする事ができないでしょ。僕達犬は人間や他の動物やお花のたくさんの匂いを覚えているんだよ。』
『すごいね。』

『さあ、ごはんが炊きあがったからオニギリを作ろうよ。』
『ああ、いいよ。あっちちっ、ポチは熱くないの?』
『熱くないよ。僕達犬は毎日前足と後ろ足の四本で歩いているから、足の裏が丈夫になっているんだよ。』
『僕も四本足で歩いてみようかな?』
『痛くて歩けないよ。』
『本当だね、手が痛くて歩けないよ。』

『さあ、二人でオニギリを作ろう。』
『僕とポチと二個づつで四個作ったから公園へ行こうか。』
『いいよ。』
『公園まで遠いのなら自転車で行きたいなあ。』
『いいよ、自転車が二台有るから、これに乗って行こうか。』
『あっ、これは僕がいつも乗っている自転車だ。』

『そうだよ、ここは夢の中だから、何でも有るんだよ。僕はもう一台の自転車に乗るから、出発するよ。』
『ポチは自転車に乗れるの?』
『夢の中だから乗れるよ。』
『ふぅ~ん、すごいね。』