僕の元気君(3)

2015-12-26 11:26:03 | 童話
なんだ元気君、そこに居たの。
友達が会いたいと言っていたけれど、会えないのかなぁ。

えっ、会っても見えないし、声も聞こえないの。
やっぱり友達には見えないのか、残念だなぁ。

君は僕だけの元気君だから他の人には会っていても、見えないし声も聞こえないのだね。
見えるようになるのには、どうすればいいのかなあ。

そうだ、友達も友達だけの元気君ができるすればいいんだ。
それにはどうすればいいの?

ふぅ~ん、学校での勉強や宿題をちゃんとやるだけじゃなくて、年寄りや小さい子に親切にしていると元気君が来るんだね。

そうだね、元気君が僕の所に来るようになる前に、僕は年寄りの人に電車の座席を代わってあげたし、迷子の子を交番に連れて行ってあげたし、妹が転んでケガをした時に薬を塗ってバンソウコウを付けてあげたりしたね。

でも、みんなやっている事じゃないのかなぁ。
そうか、1回だけではなく、いつも、ずっとやっていないといけないんだね。
僕は電車やバスの中ではいつも席を代わってあげているよ。

よしっ、友達に教えてあげよう。
友達にも元気君が来るといいんだけれどね。

僕の元気君(2)

2015-12-25 22:00:58 | 童話
『元気君はずっと一緒に居るのか?』だって、
いつも僕の所に居るけれど、時々元気の無い子の所へ行くんだ。

先月は病気で入院している女の子の所へずっと行っていたよ。
『その女の子は元気になったの?』
うん、元気になって退院したから、また僕の所に帰って来たんだ。

『その女の子の所に居る時は、何になっていたのか?』だって、
最初は絵本になって、女の子のお母さんに読んでもらっていて、元気になり始めてからは上履きになって、足を優しく包んでいたんだって。

それから、昨日、隣りの男の子が転んで足を擦りむいたので、元気君が行ってバンソウコウになっていたんだ。
だけど、すぐ良くなったので、今日帰って来たんだ。

『元気君はすごいんだね。』

元気君は勉強も教えてくれるよ。勉強を教える時は先生に変わるんだ。

『ふぅ~ん。元気君は今どこに居るの?』
今はね、う~んとね、居ないね。

『僕はもう帰るから、元気君が来たら教えて。』
ああ、いいよ。

僕の元気君(1)

2015-12-24 21:15:50 | 童話
僕の元気君は、今はハムスターだけれど、昨日はカピバラだった。

『どうして変わるのか?』だって、

あのね、元気君は、僕が友達でいて欲しいものに何にでもなってくれるんだ。
自転車だったこともあるよ。
明日は滑り台がいいかなぁ。

『どうして僕には元気君が居るのか?』だって、
それはね、僕が元気君を大事にしているからだよ。

『元気君はどこからきたのか?』だって、
遠い所から来たらしいけれど、僕の知らない所らしいんだ。

『元気君はお話しするのか?』だって、
僕と居る時だけ、お話しをするよ。

『元気君を見たい。』だって、
お父さんもお母さんも見えないらしいから、君も見えないと思うよ。

お留守番のサンタさん(2)

2015-12-23 09:07:20 | 童話
また、お留守番をしているサンタさんは、外から帰ってくるサンタさんのために温かいスープを作るんだよ。
『昨日はポタ―ジュスープだったので、今日はコンソメスープにしよう。』
『今日のコンソメスープはおいしいかい?』
『明日はまたポタ―ジュスープにしようか?』

そして、お留守番をしているサンタさんは、お家にやってきた子供達に笑顔で話しかけます。
『やぁ、よく来たね。一緒にお話しをしようか。』
『お父さんやお母さんと一緒に来たの?』
『学校は何の勉強が好きなの?』
『まだ学校に行っていないのかい、大きくなって学校へ行くようになったら何が楽しみかな?』
『お父さんやお母さんはやさしいかい? そうかい、お父さんもお母さんも、怒ると怖いのかい。それは君が悪いことをして怒られたからだろう。いつもはやさしいよ。』
『友達とは仲が良いのかな?』

そして、他のサンタさんがお留守番をする日になりました。
『それでは、良い子の所へ行ってくるからね。』

こうしてサンタさんは順番にお留守番をしているのです。

お留守番は大切なことなので、君達もお留守番を頼まれたら、ちゃんとやろうね。

おしまい

お留守番のサンタさん(1)

2015-12-22 21:32:59 | 童話
君達はサンタの住んでいる所はどこだか知っているかい?

サンタさんのお家はフィンランドのロヴァニエミにあるんだよ。

フィンランドという国が、どこにあるのか知っているかい?世界地図で調べてみようか。

見つかったかな?

そうだね、地球の一番北の北極の近くにあるよね。

多くのサンタさんは世界中の子供にプレゼントを渡すために忙しくお出かけをするのだけれど、サンタさんのお家にはたくさんの子供達がやって来るんだよ。
だから、お留守番をしているサンタさんは大変忙しいんだ。

お留守番をしていたサンタさんは、プレゼントを渡して帰ってきたサンタさんにお話しをするんだ。
『今日はどこの国の子供の家へ行ってきたの?』
『みんな良い子ばかりだった? 悪い子はいなかったの?』
『トナカイさんは元気に走ってくれたの?』
『お外は寒かったかい?』
『プレゼントを入れる靴下は、みんな有ったの? 靴下の無い子はいなかったの?』