言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

年の始に

2024年01月04日 | 古今和歌集

#年の始に……★☆ あたらしき 年の始に かくしこそ ちとせをかねて たのしきをつめ: 詠み人知らず : 歌意:新しい年のはじめに千年も繁栄するように心に願い楽しい事を積み重ねよう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第二十巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

みなさん、お元気?

明けましておめでとうございます。

さっそく読み方やでぇ~

あたらしき としのはしめに かくしこそ ちとせをかねて たのしきをつめ

かくしこそ=は他人に知られないようにの意味ね。

ちとせ(千歳)=は千年とか途方もなく長い年月の意味ね。

この歌の枕詞には「大直毘(おほなほび)の歌」とあるわね。

この大直毘は日本神話に出てくる神様で、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)黄泉(よみ)の国から戻った時に禊(みそぎ)をして生まれた神様で、災難や凶事などを吉事に変えて、元の平常に戻してくれる神様なのよ。

宮中では宮殿に災難などがないようにこの大直毘の神様をお祭りする儀式があって、そのあと平常に戻る宴のことも意味するのよ。

宮中や宮殿の災難だけでなく日本中そして世界中の厄を祓ってもらって、新しい年は平穏で幸せな年になったらええなぁ~。

みんなも幸せな1年になるよう願ってやぁ!!!

そうね。そう願いましょう!!

そして、本年も私たち、そして「言の葉花壇」をどうぞよろしくお願いいたします。


まてといふに

2023年04月14日 | 古今和歌集

#まてといふに…… ★☆ まてといふに ちらでしとまる 物ならば なにを桜に 思ひまさまし: 詠み人知らず : 歌意:散るのを待ってと言って散らないで留まってくれたならこんなに桜の花に思いが増すことはないのに。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第二巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

まてといふに ちらてしとまる ものならは なにをさくらに おもひまさまし

みなさん、お元気?

 はぁ~・・・

あらっ、珍しいわね。 マナちゃんが元気ないなんて。

そやかて、もう桜の季節も終わりやろ。

桜の花が咲く頃は、ウキウキ、ソワソワ、なんか楽しい気分になるけど、花が散る季節はいつも切ない気分になるわ。

そうねぇ、そうかもね。

でも、もう少しすれば、もっと艶やかな藤や薔薇が咲く季節になるわよ。

そうすれば、マナちゃんもまた、ウキウキするわよ。

そうやなぁ!世の中、花は桜ばっかりとはちゃうな。

みんなぁ~、振られたからって落ち込んでたらあかんで!

世の中振った男の子ばっかりがええもんとはちゃうでぇ! 他にも素敵な男の子いっぱいおるからな!

元気だそや!!

あらっ、失恋していたのね


みわたせば

2023年03月30日 | 古今和歌集

#みわたせば……★☆ みわたせば 柳桜を こきまぜて 宮こぞ 春の錦なりける: 素性法師 : 歌意:都を見わしてみれば柳や桜を色とりどりに取り混ぜて都中がまるで見事な春の錦絵のようだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第一巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

みわたせば やなぎさくらを こきまぜて みやこぞはるの にしきなりける

どうや! 豪華絢爛な歌やろ。

ザ・春!!!

みなさん、お元気?

そうやね。

芽吹いた柳の緑、満開のピンクの桜、それにきっと他にも色とりどりのたくさんの花が咲いていて、それらを取り混ぜて本当に錦絵を見るようやね。

あ~世間はお花見の季節や。

花ざかりに都を見渡して詠んだと枕詞にあるから、昔の人もお花見したんかなぁ。

ちょっとの間の浮かれた季節にワクワクするわ。

マナちゃんはこの季節だけではなく一年中浮かれて楽しそうに見えるわよ。

なんでやねん!!!

ウチかて真面目にする時はするでぇ。

ウフフ、そうやといいけどね。

ウチの近所も桜満開やで。

みんなも心ワクワクする春を楽しんでやぁ~

 

 


見る菊は

2021年11月27日 | 古今和歌集

#見る菊は……★☆ 久方の 雲のうへにて 見る菊は あまつほしとぞ あやまたれける: 藤原敏行 : 歌意:宮中で見る菊の花は天上に輝く星かと見誤るほど素晴らしいものだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第五巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

ひさかたの くものうへにて みるきくは あまつほしとそ あやまたれける

みなさん、お元気?

この歌は藤原敏行が、まだ地下人(じげびと)という下級の官僚で清涼殿に昇殿できなかった時に宇多天皇に特別に召し上げられて詠んだと枕詞に描かれてるわね。

宇多天皇は菊の愛好者で、清涼殿の庭にはもしかしたら、いっぱい菊が咲いていたかもね知れないわね。

な~んや!つまり、忖度(そんたく)かいな。

ま、まぁ、そんなとこかな。

「あまつほしとぞ」は宇多天皇をはじめ宮中のたくさんの公家たちのことやろ。

お公家さんたち菊の花のように輝いてるでぇ~っちゅうことやな。

ほんま!菊の花は香りもええし、きれいやわ!

ウチもいつかきっと、大人の女性として輝くから、みんなも応援してや!

・・・!そ、そうやね。いつかきっと大人の女性として菊の大輪のように輝けるようにがんばってね。


こけのむすまで

2021年07月29日 | 古今和歌集

#こけのむすまで……★☆ わが君は 千世にやちよに さざれいしの いはほとなりて こけのむすまで: 詠み人知らず : 歌意:私のあなたに対する尊敬とあなたの命が、千年さらにもっと長く、細かい石が大きな岩となってそこに苔が生えるまで続くように。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第七巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

この歌、みんなもよー知ってるやろ。

そうやで、これは日本の国歌「君が代」の元になった歌やで。

この歌の収載されてるのが「古今和歌集」「賀の巻」つまり、新年やその他のお祝いの歌の巻やで。

「我が君の代」つまり、自分の愛する人や尊敬する人に「長生きしてや~、いつまでも愛してるでぇ~」と長寿や活躍を願ってる歌やで。

今、東京オリンピック2020の真っ最中。

「君が代」が流れるシーンがいっぱいあるけど、それは頑張った選手たちがウチ等にも、「練習でいっぱい努力して頑張って世界一になったから、みんなも元気出して長生きして活躍してや~」っていう意味の国歌を聞かしてくれてんねん。

だからみんなもお家でいっぱい拍手して応援しよな。

ちなみに ↓↓↓ 「さざれ石」やで


もろこしも

2021年07月28日 | 古今和歌集

#もろこしも……★☆ もろこしも 夢に見しかば ちかかりき おもはぬ中ぞ はるけかりける:兼藝法師 : 歌意: 遠い中国の地も夢に見れば近かった、それなのに思い合わない二人の仲は遥かに遠い。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第十五巻より

みんなぁ、元気ぃ~?.

暑い中、東京オリンピック2020の真っ最中やなぁ。

読み方やでぇ~

もろこしも ゆめにみしかは ちかかりき おもはぬなかそ はるけかりける

これはホンマは恋の歌やで。

でも今、オリンピックで活躍している選手はみんな努力して4年に1回、遠い国で開催されるこのイベントに出ることを夢見てるんや。

きっとこの歌のような心境なんとちゃうかなぁ。

世界中で新型コロナ感染症が蔓延して、開催する日本も、招かれる方の国にもいろんなことが起こっているけれど、ウチは純粋にみんなが活躍するのを応援したいわ。

みんなも、お家のテレビの前ですべての選手たちに拍手送ってや。


咲くやこの花

2021年01月01日 | 古今和歌集
仮名序
◆ ◆ おほささきのみかどをそへたてまつれるうた
難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花
王仁 ◆ ◆
古今和歌集 仮名序 より

::: 読み :::

なにはづに さくやこのはな ふゆごもり いまははるべと さくやこのはな

::: 意訳 :::

難波津に咲いたよこの花が。冬の間は籠って寒さを耐えていたけれど、今はもう春になったので、咲いたよこの花が

この歌は、古今和歌集の仮名序の中で紀貫之が紹介していて、 百済から日本に渡来し儒教や漢字を伝えたという王仁(わに、生没年不詳)仁徳天皇の即位を称えて 詠んだものとつたえられているわね。

現代ではかるたの会の始まりを知らせる時に詠んでるよね。
へぇ~。よく知ってるわね。
百人一首に含まれているわけではないけれど、歌人の佐佐木信綱が序歌に選定したとされていて、 現代に引き継がれて、全日本かるた協会の大会の時に一番最初に詠まれているわね。
『日本書紀』 によると、王仁は百済王の学者の推薦を受け、応神天皇の招待に従って応神16年2月(285年)に百済から渡来し、後に帰化した学者で、儒教や漢字を伝えたとされてるわね。
古今和歌集仮名序によると 「難波津の歌は、帝の御初め也。おほさざきの帝の難波津にて 皇子ときこえける時、東宮をたがひに譲りて、位につき給はで、  三年になりにければ、王仁といふ人のいぶかり思ひてよみて奉りける歌也」
つまり、応神天皇の崩御後、二人の皇子が互いに天皇の位を譲り合ったため 3年間空位となっていたのだけれど、 大雀命(おおさざきのみこと) が 仁徳天皇となった際にその治世の繁栄を願って詠んだと言う事よ。 その際に梅花にこの和歌を添えて、奉ったと伝えられていて、 「この花は梅のはなをいふなるべし」 と。
この時代は花と言えばよりもだったのね。
平安時代以降は難波津の歌は誰でも知っている歌の代名詞となって江戸時代には手習いの手本の代表となってるわね。


雪ふりしきて

2020年12月20日 | 古今和歌集

#雪ふりしきて……★☆ わがやどは 雪ふりしきて みちもなし ふみわけてとふ 人しなければ: 詠み人知らず : 歌意:我が家の周りは雪が一面に降り敷いて道もない。積もった雪を踏み分けて訪れてくる人もいないから。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第六巻より■□■

 


紅葉はよるの

2020年11月23日 | 古今和歌集

#紅葉はよるの……★☆ 見る人も なくてちりぬる おく山の 紅葉はよるの にしきなりけり: 紀貫之 : 歌意:見る人もいなくて散ってしまう奥山の紅葉は誰も知らない夜の錦の衣のようだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第五巻より■□■

 みんなぁ、元気ぃ~?

 みなさん、お元気ですか?

 わぁ~、カナ女さん、久しぶりぃ!

 ほんと!マナちゃん。

久々にマナちゃんとおしゃべりしたくなったゎ。

 カナ女さんがウチと一緒におしゃべりしてくれたら、ウチはものすごく心強いゎwww

この歌の意味の「夜の錦の衣のよう」っていうのがようわからんかってん。

 これはね、司馬遷が書いた『史記』の中の項羽の言葉で「富貴不歸故鄉、如衣繡夜行、誰知之者」という一説を歌の中に詠んだものやよ。

 ??? ちんぷんかんぷんやわ。

 つまり、成功して故郷に帰ってその姿を見せないのは、錦の服を着て、真っ暗な夜道を歩くようなもの。誰も、気づかない。という意味。

真っ暗な夜に豪華な衣装を着て道を歩いても誰も気づいてくれない甲斐のないことをしてるという意味やね。

 そう言えば、せっかくきれいに紅葉した木々も見てくれて褒めてくれる人がいないと甲斐がないわ。

紅葉も、他のそれぞれの花も、鳥も、空も、自然も季節に応じてきれいに見えるときは褒めたらなあかんのやね。

ウチもみんなにほめてもろたらできる子や!

これからも頑張るでぇ~。

だからちょっとくらいの失敗は大目に見てや。

 フフフ、こっそり自分を売り込んだわね。

私もこうしてちょくちょくおしゃべりに参加させてもらいます。

みなさん、どうぞよろしくね。


ふぢばかま

2020年10月05日 | 古今和歌集

#ふぢばかま……★☆なに人か きてぬぎかけし ふぢばかま くる秋ごとに のべをにほはす: 藤原敏行 : 歌意:どのような人がやって来て、脱いで掛けていったのか、藤袴は秋が来るごとに野辺に良い香りを匂わせる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第4巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

藤袴は秋の七草のひとつやでぇ。

上の句は、植物のフジバカマと袴を掛け合わせて、まぁ、オヤジのダジャレぽいやんか。

でもウチは、ただのダジャレだけじゃなくて、藤色という色のせいか下の句が上品な感じするわ。

秋の野原は春に負けへんくらい、いろんな色があるわぁ。


ふりさけ見れば

2020年09月21日 | 古今和歌集

#ふりさけ見れば……★☆ あまの原 ふりさけ見れば かすがなる みかさの山に いでし月かも:安倍仲麿 : 歌意:大空を振り仰いで見ると月がでている。懐かしい奈良の春日の三笠山に出ていた月と同じだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第九巻より■□■

 みんなぁ、元気ぃ~?

この歌は、安倍仲麿が遣唐使として中国に留学し、 長~い間、玄宗皇帝に仕え、やっと36年ぶりに日本の故郷に帰れるようになって、 明州という海辺の町で送別会を開いてもろたんや。

その宴会の席で詠んだ歌やでぇ。

月は世界中どこで見ても一緒やけど、仲麻呂は「やっと帰れるわぁ」って思ったんやろかなぁ。

海外に行くのは命がけやけれど、世界の先進の文化を学びたい一心やったんやろうな。

結局、船は難破して故郷には帰られへんまま、唐で亡くなったんやで。

ちなみに古今和歌集では「安倍仲麿」で百人一首では「阿倍仲麻呂」やで。

 


思ふなかをば

2020年07月23日 | 古今和歌集

#思ふなかをば……★☆ あまのはら ふみとどろかし なる神も 思ふなかをば さくるものかは: 詠み人知らず : 歌意:天の原を踏み轟かせて鳴り響く雷神様でも、恋しく思いあってる私たちの仲を引き離せるものではない。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第十四巻より■□■

 みんなぁ、元気ぃ~?

嵐や雷の季節やなぁ 

ウチも雷、怖いから嫌いやで 

でも、ウチのこと思ってくれる人が傍におったら平気かも。

雷と表現してるけれど、これはもしかして両親やったり、権威ある人から反対されてる恋人たちの決心の表れかもしれへんなぁ。

怖い雷や、反対してくる恐ろしい人たちから守ってくれる恋人!

頼もしいわぁ~。


冬ぞさびしさ

2019年12月01日 | 古今和歌集

#冬ぞさびしさ……★☆ 山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人めも草も かれぬと思へば: 源宗于朝臣 : 歌意:山里の冬は人の出入りもなくなり、草花も枯れてしまうと寂さがなお一層に増してくる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  #古今和歌集 第六巻より■□■


秋来ぬと

2017年09月02日 | 古今和歌集
第 0169
◆ ◆ 秋立つ日よめる
秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる
藤原敏行 ◆ ◆
     
古今和歌集 より

::: 読み :::

あききぬと めにはさやかに みえねども かぜのおとにぞ おどろかれぬる

::: 意訳 :::

見た目の景色だけでは秋だとはっきりとわからないが、吹く風の音は秋の気配を感じて驚いた

立秋の日に詠んだ歌

藤原 敏行(ふじわら の としゆき)…生年不詳
平安時代初期の歌人、書家
藤原南家に生まれ、官位は従四位上右兵衛督に至った。
三十六歌仙の一人で、家集に「敏行集」がある。 

古今和歌集は醍醐天皇の勅命によって、紀貫之らが編纂したもので、その冒頭には、私たちやサイトの名前の由来になった序文がが記されているんやね。
この歌は秋の歌の一番に詠まれている歌やね。

なんか爽やかな歌やなぁ!いよいよ涼しくなって、ますます食欲も出てきて…

真名ちゃんは爽やかさなんかよりも食欲やね