第 4346
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◆ ◆ 天平勝寳七歳 乙未二月 相替遣筑紫諸國防人等歌 |
父母が 頭かき撫で 幸くあれて 言ひし言葉ぜ 忘れかねつる | |
丈部稲麿 ◆ ◆ |
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::: 読み ::: ちちははが かしらかきなで さくあれて いひしけとばぜ わすれかねつる ::: 意訳 ::: 父母が私の頭を撫でながら、「無事でね」 と言った言葉が忘れられない。 |
::: 備考 ::: 右一首丈部稲麻呂 / 二月七日駿河國防人部領使守従五位下布勢朝臣人主實進九日歌數廿首 但拙劣歌者不取載之 この歌は、兵部少輔 (ひょうぶのしょうふ) となった、大伴家持が天平勝宝7年 (西暦755年) 2月に、 交代する防人たちの歌を集めた中の一つで、 駿河國 (するがのくに) の防人部領使守 (さきもりぶりょうしかみ)、 布勢朝臣人主 (ふせのあそんひとぬし) が 防人達の歌を20首提出したので、その中の稚拙なものは省いたと注意書きがあるのよ。 |