言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

花見る程の

2021年10月24日 | 詩歌集

#花見る程の……★☆ 秋の野の 花見る程の 心をば 行くとやいはむ 止るとやいはむ: 赤染衛門 : 歌意:秋の野の花を見れば見るほど心ゆくというか心に留まると言えばよいものか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #詩歌集 第三巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

あきののの はなみるほとの こころをは ゆくとやいはむ とまるとやいはむ

今日は秋日和なんでウチは京都 嵐山の嵯峨野を散策やで。

おや、あそこに誰か・・・

もしもし、こんにちは。良いお天気ですね。

赤染衛門:こんにちは。

私は中宮 彰子様にお仕えしている女房の赤染衛門と申します。

 あー、それではあなたがこの歌を詠んだ赤染衛門さんですか?

赤染衛門:ハイ、そうです。

今日は、嵯峨野の法輪寺さんへお参りにきて、この美しい花々が咲き乱れているのに心を奪われてこの歌を詠みました。

なるほど。ほんと!秋の花が咲き乱れていますね。

赤染衛門法輪寺さんは「今昔物語集」の大昔から虚空蔵菩薩様のご利益が大いにあるので、中宮 彰子様もお心を寄せておられて、私も時々お参りしています。

まぁ!そんなに古くからのご利益なんですね。

それで、赤染衛門さんは秋の花々は「心ゆく」なんですか?

それとも「心留める」なんでしょうか?

赤染衛門:そうですね。心ゆくまで愛でて、帰りましたら中宮様に心に留めているこの美しい景色のお話をしたいと思います。

なので、どちらもですね。

なるほどですね。

きっと中宮様もお喜びになられますね。

赤染衛門:はい、それでは先を急ぎますので私はこれで失礼いたします。

お引止めしました。

どうぞお気をつけて。

みんなぁ~、 心ゆく=満足するやで。

止まる(とまる)=留まる、心、耳、目などが引き付けられ るちゅう意味やで。

さぁ、みんなも、季節の花々を心ゆくまで楽しんで、秋の1日を心に留めておいてやぁ!


佐保姫の

2021年04月22日 | 詩歌集

#佐保姫の……★☆ 佐保姫の 糸そめかくる 青柳を ふきなみだりそ 春の山かぜ:平兼盛 : 歌意:佐保姫が緑に染めた糸をかけた柳の枝を吹き乱さないでほしい春の山風。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #詩歌集 第一巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

桜の季節も終わって、新緑がきれいな季節にだんだんなってきたで。

佐保姫(さほひめ)は春の女神さまやで。

めっちゃ、きれいなお姫さまや。

それに、布を作る糸の染色と機織りが得意やねん。

だから、布を織るための糸も自分で染めるんや。

平兼盛(たいらのかねもり)には柳の芽がだんだんと芽吹いてきてそれが、佐保姫さまが一生懸命染めたきれいな緑色の糸に見えたんや。

それで春風に、せっかく佐保姫さまが染めてかけてるきれいな糸を、くちゃくちゃにせんとってや!っていう歌や。

柳の新緑が風になびいてる美しい景色が目に浮かぶやろ。

 


庭の雪哉

2021年01月22日 | 詩歌集

#庭の雪哉……★☆ まつ人の 今も來らば いかゞせむ 踏まゝく惜しき 庭の雪哉: 和泉式部 : 歌意:私が待っている人が今来たらどうしよう。踏み散らかされるのが惜しい庭の雪です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #詩歌集 第四巻より■□■

 

 みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ

まつひとの いまもきたらば いかがせん ふままくおしき にわのゆきかな

ウチわなぁ、雪が降ってきれいに積もったら新しいとこ、踏みたなるねんで。

ポコポコって。足跡つけたるねんで。

みんなはどう?

和泉式部が、もしもそんなとこ見たら、きっと、めっちゃ!怒るんやろうな。

 


八重ざくら

2020年04月03日 | 詩歌集

#八重ざくら……★☆ 古の ならの都の 八重ざくら けふこゝのへに 匂ひぬるかな: 伊勢大輔 : 歌意:昔の奈良の都で咲き誇った八重桜が、今日はこの平安京の九重の宮中で色美しく咲き匂っています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  #詩歌集 春より■□■