言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

酒に染みなむ

2021年11月30日 | 万葉集

#酒に染みなむ……★☆ なかなかに 人とあらずは 酒壷に なりにてしかも 酒に染みなむ: 大伴旅人 : 歌意:いっそ人として生きているよりは、酒壺になりたいもんだ。そうしたら思う存分酒につかっていられるだろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第三巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

なかなかに ひととあらずは さかつぼに なりにてしかも さけにしみなむ

みなさん、お元気?

寒くなってきて、日本酒の美味しい季節になってきましたね。

こうして各地で日本酒祭りがありますね。

ずらっとお酒並んでる。

あそこで熱心にお酒見てる人は・・・?

あなたはどなた?

大伴旅人:あっ?わしか? わしは大伴旅人や。都でとっても偉い人や!

あなたが大伴旅人さん。あなたが酒壺になって、お酒につかりたい方ですね。

大伴旅人:もちろん!こんな美味しいものを嫌いやというやつの気が知れん!

あな醜 賢しらをすと 酒飲まぬ 人をよく見ば 猿にかも似む やで!

賢そうな顔していても、お酒飲めへん人は猿に似てるということ?

いや、そこまで言わんでも・・・

大伴旅人:それほどお酒は美味しいんや。

それに、わしはな、この間愛する妻を亡くしたんや。この淋しさは地位や名誉はもちろん、お金や友達ではあかんのや。

この淋しさを治してくれるのはこの美味しいお酒以外ないんやで、お嬢ちゃん。

それでこの日本酒祭りで全国のどのお酒が美味しいか見に来たんや。

どうや、この、ずらーっと並んだ全国のお酒の見ごたえは。

もうちょっと見てから帰るからな。

どれもみんな美味しそうやないか!

なるほど。でも、いくら淋しくても健康を考えてほどほどにしてくださいよ。

大伴旅人:ありがと!まるで亡くなった妻の言うことみたやな。わしが都に戻ったら遊びにおいでや。ほんならな。


見る菊は

2021年11月27日 | 古今和歌集

#見る菊は……★☆ 久方の 雲のうへにて 見る菊は あまつほしとぞ あやまたれける: 藤原敏行 : 歌意:宮中で見る菊の花は天上に輝く星かと見誤るほど素晴らしいものだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #古今和歌集 第五巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

ひさかたの くものうへにて みるきくは あまつほしとそ あやまたれける

みなさん、お元気?

この歌は藤原敏行が、まだ地下人(じげびと)という下級の官僚で清涼殿に昇殿できなかった時に宇多天皇に特別に召し上げられて詠んだと枕詞に描かれてるわね。

宇多天皇は菊の愛好者で、清涼殿の庭にはもしかしたら、いっぱい菊が咲いていたかもね知れないわね。

な~んや!つまり、忖度(そんたく)かいな。

ま、まぁ、そんなとこかな。

「あまつほしとぞ」は宇多天皇をはじめ宮中のたくさんの公家たちのことやろ。

お公家さんたち菊の花のように輝いてるでぇ~っちゅうことやな。

ほんま!菊の花は香りもええし、きれいやわ!

ウチもいつかきっと、大人の女性として輝くから、みんなも応援してや!

・・・!そ、そうやね。いつかきっと大人の女性として菊の大輪のように輝けるようにがんばってね。


金色の

2021年11月14日 | その他

#金色の……★☆ 金色の ちひさき鳥の かたちして 銀杏ちるなり 岡の夕日に: 与謝野晶子 : 歌意:丘の向こうに沈む夕日を浴びて、黄色く色づいた銀杏の葉がまるで金色の小鳥が飛んでいくように散っている。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #恋ごろもより■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

こんじきの ちひさきとりの かたちして いてふちるなり おかのゆうひに

秋も深まってきたやろ。

そろそろ紅葉の季節や。

紅葉もきれいけれど、銀杏も負けてへんで。

どや!この歌の景色!道路が金色に埋まるくらい銀杏の落ち葉。

まるで上質のヨーロッパ映画見てるみたいやわ。

紅葉は日本的な景色やけど、銀杏はまるで外国の景色見てるみたいに見えるわ。

憧れやなぁ~