第 1527
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◆ ◆ 花歌中に |
願はくは 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ
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西行 ◆ ◆ |
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::: 読み ::: ねがわくは はなのもとにて はるしなむ そのきさらぎの もちづきのころ ::: 意訳 ::: かなうものなら桜の花のの咲くころに死にたいものだ。 |
::: 備考 :::
西行法師の有名な歌やね。 なの花や 月は東に 日は西に |
第 1527
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◆ ◆ 花歌中に |
願はくは 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ
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西行 ◆ ◆ |
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::: 読み ::: ねがわくは はなのもとにて はるしなむ そのきさらぎの もちづきのころ ::: 意訳 ::: かなうものなら桜の花のの咲くころに死にたいものだ。 |
::: 備考 :::
西行法師の有名な歌やね。 なの花や 月は東に 日は西に |
第 1418
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◆ ◆ 志貴皇子の懽の御歌一首 |
石ばしる 垂水の上の さ蕨の 萌え出づる春に なりにけるかも
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志貴皇子 ◆ ◆ |
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::: 読み ::: いはばしる たるみのうえの さわらびの もえいづるはるに なりにけるかも ::: 意訳 ::: 岩にほとばしる滝のほとりのワラビが、芽をふくらませてくる春となったんだなあ |
::: 備考 :::
万葉集 第八巻の巻頭、「春」を飾っている歌やね。
早春の色が目に浮かぶような景色を想像させてくれるね。 「いはばしる」は勢いよく水がしぶきを上げながら岩の上を激しく流れる様子で、「さ蕨」はワラビの新芽のこと。 雪解け水が勢いよく落ちる滝のそばにワラビの新芽の薄緑色がたくさん出てきて、雪の白一色だった冬から、いろんな色の春がいよいよ始まるウキウキ感が出てるよね。 そうやね「いはばしる」とか「もえいづる」とか暖かくなってくると植物も動物も動きが出てきて忙しいわね。 あ~いよいよ暖かい春やね。 |
第 0004
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◆ ◆ 天皇 宇智の野に 遊猟したまふ時 中皇命の使 間人連老をして獻らしめたまふ歌 |
たまきはる 宇智の大野に 馬並めて 朝踏ますらむ その草深野
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中皇命 ◆ ◆ |
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::: 読み ::: たまきはる うちのおほのに うまなめて あさふますらむ そのくさふかの ::: 意訳 ::: 宇智の広大なる草原に馬を並べ、朝(の大地)を踏みしめて(猟)をしておいででしょう。 その草深き野を。 |
題詞は [天皇遊猟内野之時中皇命使間人連老獻歌] 。
つまり天皇、このときの天皇は 舒明(じょめい)天皇 で、宇智の大野で猟をした時、 中皇命(なかつすめらみこと)が 間人達老(はしひとのむらじおゆ) に献上させた長歌の反歌やね。 ちょっと壮大な感じがするね。 そうやね。宇智の大野は奈良県五條市。金剛山のすそ野一体が宇智の大野やね。 でも、この歌には解らない事があるのよ。 どんな事? それはね、作者の中皇命(なかつすめらみこと)自体がいったい誰かって事やね。 解っているのは、飛鳥・岡本宮に残った中皇命が天皇の無事と豊猟を祈って使者を出し、 狩り最中の天皇に歌を託したって事かな。 ちなみに 「たまきはる」 は宇智にかかる枕詞よ。 謎の多い歌やけど、広い野原で天皇がたくさんの馬や家臣達と狩りをしている様子がよくでてるよね。
まるで映画のワンシーンを切り取ったみたいやわ。
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