言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

照りもせず

2017年04月02日 | 新古今和歌集
第 55
◆ ◆  朧たる月といへることをよみ侍りける 
 照りもせず 曇りも果てぬ 春の夜の 朧月夜に しくものぞなき
大江千里 ◆ ◆
     
新古今和歌集 第一巻 より

::: 読み :::

てりもせず くもりもはてぬ はるのよの おぼろづきよに しくものぞなき

::: 意訳 :::

明々と照っているわけでもなく、また、完全に曇っているというのでもない春の夜のほのかな朧月夜の風情に及ぶものはない。