#暗きより……★☆ 暗きより 暗き道にぞ 入りぬべき はるかに照せ 山の端の月: 和泉式部 : 歌意:暗闇から暗闇の煩悩の道へと迷い込んでしまいそうです。月の光よ、私たちの進む道を遥か先まで照らしてください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #拾遺和歌集 第二十巻より■□■
みんなぁ、元気ぃ~?
読み方やでぇ~
くらきより くらきみちにぞ いりぬべき はるかにてらせ やまのはのつき
みなさん、お元気?
拾遺和歌集では雅致女式部作となってるわね。
「雅致女式部」とは和泉式部の事よ。
和泉式部の父は越前守 大江雅致(おおえのまさむね)、母は平保衡の女(たいらのやすひらのむすめ)。
橘道貞(たちばなのみちさだ)と結婚して、道貞が和泉守に任ぜられた時に、ともに下向したので、 父の官職名「式部」と合わせして 「和泉式部」と呼ばれたのよ。
この歌は一条天皇の皇后である上東門院彰子(じょうとうもんいんしょうし)が、 播磨国(今の兵庫県)の書写山、圓教寺の、性空上人(しょうくうしょうにん)に教えを乞いたいと思い、 和泉式部を伴って都からはるばるやってきたのだけれど、 俗世間との交わりを嫌がった性空上人は、居留守を使って一行を帰してしまうんやね。
そこで、和泉式部は短冊にこの歌を書いて、上人に取り次いでくれるよう応対の僧に託したところ、上人は大変感銘を受けて
日は入りて 月まだ出でぬ たそがれに かかげて照らす 法のともしび
と返歌して、一行を呼び戻して仏道を説いたと伝わっているのよ。
性空上人のこの歌の意味は?
これはね、「私は未だ、月の明るさにに例えられるほどの徳を得てはいません。 しかし、たそがれに進むあなたたちの道を照らす灯火となるのでしたら、 喜んで仏様の教えを説いてお力添えをいたしましょう。」
これを聞いた皇后 彰子は非常に喜んで、ありがたいお話を聞いたと伝えてるわね。
そっかぁ~!
賢い和泉式部の咄嗟の機転のおかげや。
ウチもこんな風に機転の利く女性になりたいわぁ~。
そうね。頑張ればきっとなれるわよ。