言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

跡なきがごと

2017年09月06日 | 万葉集
第 0351
◆ ◆ 沙弥満誓の歌一首
世間を 何に譬へむ 朝開き 漕ぎ去にし船の 跡なきがごと
沙弥満誓 ◆ ◆
     
万葉集 第三巻 より

::: 読み :::

よのなかを なににたとへむ あさびらき こぎいにしふねの あとなきごとし

::: 意訳 :::

世の中を何にたとえようか。 それは、夜明けに港を漕いで出て行った船の航跡が何も残っていないようなものだ。 人の一生もそのようなものだろうか。

 


秋来ぬと

2017年09月02日 | 古今和歌集
第 0169
◆ ◆ 秋立つ日よめる
秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる
藤原敏行 ◆ ◆
     
古今和歌集 より

::: 読み :::

あききぬと めにはさやかに みえねども かぜのおとにぞ おどろかれぬる

::: 意訳 :::

見た目の景色だけでは秋だとはっきりとわからないが、吹く風の音は秋の気配を感じて驚いた

立秋の日に詠んだ歌

藤原 敏行(ふじわら の としゆき)…生年不詳
平安時代初期の歌人、書家
藤原南家に生まれ、官位は従四位上右兵衛督に至った。
三十六歌仙の一人で、家集に「敏行集」がある。 

古今和歌集は醍醐天皇の勅命によって、紀貫之らが編纂したもので、その冒頭には、私たちやサイトの名前の由来になった序文がが記されているんやね。
この歌は秋の歌の一番に詠まれている歌やね。

なんか爽やかな歌やなぁ!いよいよ涼しくなって、ますます食欲も出てきて…

真名ちゃんは爽やかさなんかよりも食欲やね