言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

稲つけば

2021年10月31日 | 万葉集

#稲つけば……★☆ 稲つけば かかる我が手を 今夜もか 殿の若子が 取りて嘆かむ: 詠み人知らず : 歌意:稲をついてあかぎれができる私の手を今夜もお屋敷の若樣が、かわいそうだと手にとって嘆いてくださることだろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十四巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

みなさん、お元気?

読み方やでぇ~

いねつけば かかるあがてを こよひもか とののわくごが とりてなげかむ

稲つけば=稲をついて精米することやで。

かかる()我が手=手の皮が破れ裂ける。あかぎれになる。また、ひびがきれるって言うことなんやて。

それにしても、いやぁ~、シンデレラストーリーやんかぁ!

身分違いの恋!ええなぁ~。女子のあこがれや!

フフフ、羨ましい?

でもね、全く違うのよ。

えっ?違う?どういう事?

これは、労働歌で、稲刈り、精米と田んぼで過酷な労働している若い女子たちの願望なのよ。

こんなに辛い農作業でもこんな素敵なことがあったらどうする?ねぇ、どうする?的なね。

きゃぁー、そうなんや。

 昔の人々はこんな想像をしながら辛い農作業をちょっとでも楽しくしてたんやね。

 そっか!ウチはてっきり、本当に若様と恋人どうしかと思ったわ。

もし、違って想像やとしても、なんか、女子たちが、キャーキャー言いなiがら農作業してる様子が目に浮かぶわ。

いつの時代も女子たちはにぎやかで明るいんや!


花見る程の

2021年10月24日 | 詩歌集

#花見る程の……★☆ 秋の野の 花見る程の 心をば 行くとやいはむ 止るとやいはむ: 赤染衛門 : 歌意:秋の野の花を見れば見るほど心ゆくというか心に留まると言えばよいものか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #詩歌集 第三巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

あきののの はなみるほとの こころをは ゆくとやいはむ とまるとやいはむ

今日は秋日和なんでウチは京都 嵐山の嵯峨野を散策やで。

おや、あそこに誰か・・・

もしもし、こんにちは。良いお天気ですね。

赤染衛門:こんにちは。

私は中宮 彰子様にお仕えしている女房の赤染衛門と申します。

 あー、それではあなたがこの歌を詠んだ赤染衛門さんですか?

赤染衛門:ハイ、そうです。

今日は、嵯峨野の法輪寺さんへお参りにきて、この美しい花々が咲き乱れているのに心を奪われてこの歌を詠みました。

なるほど。ほんと!秋の花が咲き乱れていますね。

赤染衛門法輪寺さんは「今昔物語集」の大昔から虚空蔵菩薩様のご利益が大いにあるので、中宮 彰子様もお心を寄せておられて、私も時々お参りしています。

まぁ!そんなに古くからのご利益なんですね。

それで、赤染衛門さんは秋の花々は「心ゆく」なんですか?

それとも「心留める」なんでしょうか?

赤染衛門:そうですね。心ゆくまで愛でて、帰りましたら中宮様に心に留めているこの美しい景色のお話をしたいと思います。

なので、どちらもですね。

なるほどですね。

きっと中宮様もお喜びになられますね。

赤染衛門:はい、それでは先を急ぎますので私はこれで失礼いたします。

お引止めしました。

どうぞお気をつけて。

みんなぁ~、 心ゆく=満足するやで。

止まる(とまる)=留まる、心、耳、目などが引き付けられ るちゅう意味やで。

さぁ、みんなも、季節の花々を心ゆくまで楽しんで、秋の1日を心に留めておいてやぁ!


千たび嘆きて

2021年10月17日 | 万葉集

#千たび嘆きて……★☆ あかねさす 日の暮れゆけば すべをなみ 千たび嘆きて 恋ひつつぞ居る: 詠み人知らず : 歌意:日が暮れてゆくとどうしようもなくやるせなくなり、何度もため息をついて、あなたのことを恋しく思って嘆いている。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 十二巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

あかねさす ひのくれゆけば すべをなみ ちたびなげきて こひつつぞをる

あかねさす=は茜色に鮮やかに照り映えるの意味から、「日」にかかる枕詞や。

すべをなみ(術をなみ)=はどうしようもなくとかどうにもしょうがなくとかやで。

千たび(千度)嘆きて=は、千度(ちたび)やから千回のため息とか、何回も何回ものため息とか、回数のめっちゃ多いことの意味やで。

みんなぁ~、千回のため息やで。

夕日のきれいな夕暮れになると千回もため息つくような恋や!

みんなは千回もため息つくような恋をしたことある?

ウチはせいぜい600回くらいのため息しかついたことないわ。

千回もため息つくような情熱的な恋をするには、まだまだ修業がたらんわ。


夜道はよけむ

2021年10月10日 | 万葉集

#夜道はよけむ……★☆ 天の原 振り放け見れば 白真弓 張りて懸けたり 夜道はよけむ: 間人大浦 : 歌意:天空を遙かに眺めて見ると、白木の弓に弦を張ったような月が出ている。これを眺めながら歩く夜道は良いものだろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第三巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

あまのはら ふりさけみれば しらまゆみ はりてかけたり よみちはよけむ

秋は空気が澄んで空がきれいに見えるやろ。

だから月も明々と見えるから、満月の歌が多いけど、あえて三日月やで。

なんか、幻想的やろ。

きっと、デートの帰りとかで三日月のような寂しい月を見てもキラキラに見えるんや。

あー、ウチもこんな幻想的な夜道を、ルンルンな気持ちで空を見上げて歩いて帰るデートしてみたいわぁ~。

みんなはこんな気持ちの夜道歩いたことあるぅ?