新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

コチドリの抱卵 - 1 これって擬傷? 

2015-06-25 05:25:38 | チドリ科
 コチドリ 学名・Charadrius dubius 英名・Little Ringed Plover

 農道を歩いていると,水田の畦でコチドリのペアが鳴き騒いでいました.しばらく見ていると,1羽が地面にうずくまるような行動をとりました.これって擬傷かもしれません.そうだとすると,近くに卵の入った巣があるか,雛がいるはずです.

コチドリ 雌雄.手前が雌で後が雄です.雌の過眼線には褐色味があります.
撮影日時 2015.06.15 撮影場所 新潟県新潟市


コチドリ 雌.擬傷? 座り込むような仕草をしていますが,まだ完全な擬傷ではないようです.
撮影日時 2015.06.15 撮影場所 新潟県新潟市


 僕の立っているところはアスファルト道路で,地面の出ているのはほんの少しです.地上に浅く掘られた巣があり,4卵が産まれていました.

コチドリ 巣卵.4卵が鋭端を中心に綺麗に並んでいました.巣は,浅く掘られただけでなく,小石や枯れ木,枯れ草の小片が敷かれていました.
撮影日時 2015.06.15 撮影場所 新潟県新潟市
 

 擬傷(ぎしょう)は,シギ・チドリ類など地上に営巣する鳥に見られる行動です.怪我をしたような動きで敵の注意を自分にひきつけ,卵や雛から遠ざけようとするものです.

 巣から離れて観察を続けると,親鳥はすぐに歩いて巣に戻り抱卵を続けました.しかし,農道は意外に多くの車や自転車,人が通ります.車にはあまり反応しないのですが,自転車や歩く人には敏感に反応しました.巣から飛び出して鳴きながら飛び回ったり,鳴きながら農道を歩いて自分に注意をひきつけ,巣から人を遠ざけようとしました.擬傷行動が発動されることはほとんどなく,よほど危険を感じたときのみに限られるようです.

コチドリ 雄.抱卵.雄は,過眼線がはっきりと黒いです。
撮影日時 2015.06.15 撮影場所 新潟県新潟市


コチドリ 雌.擬傷.まるで怪我をして動けないかのような仕草です.
撮影日時 2015.06.15 撮影場所 新潟県新潟市


コチドリ 雌.擬傷.翼をバタつかせています。
撮影日時 2015.06.15 撮影場所 新潟県新潟市


 コチドリの擬傷は,知らなければ完全にだまされてしまいます.僕もだまされた振りをしてその場を立ち去りました.