新潟の野鳥・フィールドノート

新潟で観察した野鳥を写真で紹介します.野鳥の日常生活に光を当てられたらいいなーと思っています.

コチドリの抱卵 - 2 卵を冷やす?

2015-06-26 09:16:54 | チドリ科
 コチドリ 学名・Charadrius dubius 英名・Little Ringed Plover

 コチドリの抱卵を観察していて,不思議な行動を見ました.巣の近くの用水路に繰り返し飛び込んでいるのです.よく観察すると,飛び込んでいるのではなく,足や腹部の羽毛を水で濡らしているようです.水浴び? いや,それも違うようです.水浴びなら,陸で水を振り払い,続いて羽繕いが行われるはずです.ところが,そのままトコトコと歩いて巣に座り込みました.ここまで書くと,分かりますよね.コチドリは,直射日光で温まり過ぎた卵を濡れた腹部で冷やしていたのでした.

 コチドリの巣は,地上に作られており直射日光をさえぎるものが何もありません.そのままだと太陽に照らされてどんどん熱くなります.翼で日光を遮ったり,水で直接的に卵を冷やさないと温まりすぎてしまうのです.卵や雛を水で冷やす行動は,同じように地上で営巣するシロチドリ,コアジサシで観察したことがあります.

コチドリ.足を下げて用水に飛び込みます.
撮影日時 2015.06.15 撮影場所 新潟県新潟市


コチドリ.腹部が水で濡れています.
撮影日時 2015.06.15 撮影場所 新潟県新潟市


コチドリ.腹部を水に浸けています.
撮影日時 2015.06.15 撮影場所 新潟県新潟市


コチドリ.すぐに飛び上がり,そのまま巣に歩いてゆきました.
撮影日時 2015.06.15 撮影場所 新潟県新潟市


コチドリ.巣の上にしゃがみ込む親鳥.だいぶ大きくトリミングしたのに分かりにくいのですが,卵の上に座り込んでいません.前方に卵が見えています.これは,直射日光を遮っているのでしょうか? もう少し分かりやすい写真を撮るべきでしたが,コチドリへの迷惑を考えるとこれが限度でした.
撮影日時 2015.06.15 撮影場所 新潟県新潟市