上級隠者の隠棲は、どんな世界に引篭るかが重要な選択になる。
己が内面に楽園を持つ者は、例えどんなに現実世界が過酷であろうと安息できる。
芭蕉の言う「虚に居て実を行え」の「虚」は内面世界の事だ。
我が夢幻界の楽園は清澄で荘厳な所にしたいものだ。
己れの楽園を建立するのに最初に為すべきは、精神の拠所として自室の一角に小さな聖域を築く事だ。
宗教を捨ててしまった現代人は、昔の神仏聖像の替わりになるようなアーティファクトを探して安置しよう。
そこが自分だけの楽園への入口だと思えば、折々の花などを飾るにも気持が籠る。
(歌仙図 待賢門院堀川 狩野派 江戸時代)
詩人歌人なら歌仙の画像が聖域守護にうってつけだ。
西洋ならミューズ(ムーセ)の楽園を思い浮かべると良い。
花の楽園でミューズ達と茶会を開き、詩を語りあうのは古の知識人達の夢だった。
御本尊には最近のフィギュアの女神像も良いが、我家の古仏を忘れると怒りそうなので一応お出まし願おう。
(金銅観音像 元〜明時代)
昔ながらの観音像だが、脇侍をMHのリオレウスとリオレイアにしてみた。
これなら若いゲーム世代にも親しみ易いと思う。
ハンター諸君の武運長久を祈る。
古経にある「楽土建立」とは、精神世界での理想のライフスタイルの確立とも言える。
皆嫌でも引篭り生活を強いられる今、自室での理想の楽園ライフを考える良い機会だろう。
©️甲士三郎