般若心経

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2020-12-30 | Weblog
 二叉ソケット

 先日、娘からキッチンの電灯がつかないので見てくれないかと電話があり、行ってみました。ランプシェードのソケット内部が焦げており、電球の先の半田が溶けていました。故障はランプシェードのソケットの接触不良が原因でメーカに送り修理してもらい回復しました。
 それはそれでいいのですが、そのとき原因の切り分けのために持って行った二叉ソケットを娘や孫たちが知らないというのです。昭和前期の、わが家でもよくとっていたという代物ですから、当然かもしれませんが。



 そこで、昔は各部屋に電灯がひとつずつしかなく、ラジオを聞いたりするときにはその電灯から二叉ソケットを使って電気を取っていた、これを発明した松下幸之助という人はこのソケットで大成功し、今のパナソニックの前身のナショナルという会社を作り、経営の神様と呼ばれている。
この人のすごいのはお金を儲けるばかりではなく、私財を投じてPHP研究所、政治家の養成塾を設立、大学などにいろいろな施設を寄付し、浅草雷門も幸之助の寄進であるなどと娘や孫たちに話しました。


ソケットについているナショナルのマーク

 二叉ソケットの時代の後、各家庭に電力メーターが取り付けられ、各部屋の柱にはコンセントが取り付けられ、三種の神器と言われたテレビ、洗濯機、電気冷蔵庫が普及し、一部屋一灯の時代とは比べようのない便利な生活になりました。さらに時を経て、白黒テレビが今ではカラーの大型画面で髪の毛一本一本までが分かります。世界中どこでも自由に話せる携帯、パソコン、ビデオなどが個人で自由に使えるような時代になるとは想像もしませんでした。
普段なにげなく使っている身の回りの電気製品、生活用品、改めて考えてみると大変便利になりありがたいものです。
 こういう時代に生まれた子や孫には、このありがたさは分からないのではないかと思います。子や孫は今の時代が普段の生活なのですから、ここからスタートしていく新しい世界へ飛び出していけばいいのです。
ただ、昔の生活はこういうものであった、ということを知ることは大切なことだと思います。昔の生活を知ったうえで現代の生活を顧み、先人の苦労や知恵を知るところにまた新しい発展、発達が生まれてくるのではないでしょうか。各地に歴史館、民族館、民芸館、考古館などが開館されているのはこのためだと思います。また、昔の生活を語り伝え教えることも私たちの役目ではないでしょうか。
 娘の家から帰りながら、ふと今あるありがたさを改めて感じました。