「掃除を手伝ってもらえませんか」
山の麓でおじいさんから声を掛けられました。
3月15日にその山の中腹にある観音堂の掃除を予定しているのですが、守をする人がだんだん高齢になり人手が足らなくなったそうです。そのおじいさんとはウォーキングの途中でときどき会い「こんにちは」と挨拶するだけで、それ以上のことは今まで話したことはありません。まだ一ヶ月も先のことなのによほど困っておられるだと思いました。
「いいですよ」と言って、メモをしようとスケジュールを開くとその日はちょうどツーデーマーチの日、ツーデーマーチは毎年参加しており申し込みもしています。軽はずみに返事をしたことを後めたく思い「すみません、予定が入っているので」とお断りしました。
その後しばらくの間おじいさんから観音堂へお参りしている人の話を聞かせてもらいました。毎朝5時からお参りしている人、92歳で毎日お参りしている人とか、あの人は亡くなったとか、あの人は入院したとか話を聞くと 観音堂で出会った人の顔が浮かびます。そういえば最近お堂で会う人が少なくなってきたような気がします。
観音堂では鐘を撞きお賽銭を入れるだけで中に入ったことはありません。しかしいつも見られていた、また掃除を頼む相手の一人として声をかけてくれたということは少しは頼りなると思われていたのかと思うと、何かうれしい気がしました。