「日本語の奥深さを日々痛感しています」
(朝日新聞校閲センター著 さくら舎 2020.10.14 p.237)
30年ほど前のことになりますが、東京築地の朝日新聞社を見学させてもらったことがあります。大きな幅の広いロール状の紙が数台の輪転機の中にまるで飛ぶように吸い込まれ、両面印刷され、巧みにページ順に組み合わされ、折り畳んだ新聞になって出てきたことに驚きました。
現地の取材から新聞が出来上がるまでの工程を案内してくれました。その中に校閲(その時は校正と言っていたかもしれません)という部門がありました。記事の誤字、脱字から用語の使い方、文脈の乱れ、さらには記事内容の妥当性、真実性までをチェックします。赤ペンであちらこちらチェックの入った新聞を見せてもらいました。当時この作業に50人の人が携わっていたと記憶しています。記事が入ってから新聞を発送する時間は決まっていますので、まるで戦場のようだと聞きました。
本書は、この校閲センターの人たちが日々生まれ、変化する日本語のおもしろさ、奥深さを考察し解説しています。
表紙折り返しから
※※※※※
① ことばは生き物
変身もする、盛衰もある
② ことばの最前線!
新語が生まれるとき
③ 知るたのしみ、使うたのしみ
語彙力で心豊かになる
④ ことばは物語をもっている。
歴史の断面が語られいる
⑤ 語感、言い回し、使い方
日本語はおもしろい
※※※※※
「『虹』はなぜ『虫』に『エ』?」、「なぜ『銃音』でなく、『銃声』か」、「『檀那』と『ドナー』のつながり」など、106のコラムです。