庭先の四季

庭先や近隣の四季の変化や歳時記、自然観察、動植物等を中心に
綴ります。

「寒九の雨」と「寒の水」

2015-01-14 16:29:33 | 日記・エッセイ・コラム
関東地方はこのところ冬晴れのカラカラ天気が続き、空気も乾燥しきって
いるので、そろそろ一雨欲しい頃である。

今年の寒入り1月6日の小寒から数えて、今日1月14日が「寒九」となり、
「寒九」に雨が降ると「寒九の雨」と呼び、豊作の吉兆とされています。

寒さがことのほか厳しく辛い時期ですが、寒くて辛いだけの時期ではなく、
最も厳しい冬の寒さの中にも明るい展望を見出す、昔の人の自然観には感心
させられます。

「寒の水」とは寒の時期は寒さと乾燥で、雑菌の繁殖が抑えられるため、
この時期に汲んだ水は質がよく腐りにくいといわれ、ことに寒九の水は薬に
なるとまで云われ、飲まれたそうです。

寒の水は軟らかく、最も質がよいと言われ、水の質が味の善し悪しに影響す
る酒造りでは、この寒の水を使った酒は特に味がしまって美味しいと云われ、
寒の時期は酒造りの最盛期となるそうです。

また、この時期に晒した食べ物は味がよく、染め物の色は鮮やかであると云
われて、「寒晒し」や「寒干し」と云った言葉も生まれました。

寒は寒くて辛い季節だななんて思うだけでなく、その季節季節の特性を取り
入れて上手に生活する知恵が「寒九」などの言葉を生み出してきました。

ちなみに、寒九の雨が降る年は春が近いのだとか・・・天気は下り坂で西の
方から低気圧が近づいて九州、四国地方ではすでに雨が降りだしたとのこと、
さて関東地方も午後から曇ってきましたが、寒九の雨は降るのでしょうか?

・寒い冬にも、ぬくもりを感じる古民家の囲炉裏端。
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