gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

第二十二夜 怪談 校舎横のプール

2010-07-21 17:47:02 | 不思議夜話
 今日も暑いですね~ 。と言うわけで怪談話でも一つ(全然怖くないですが…… スミマセン《汗》)。


 どこの学校にも一つや二つの不思議話はあるもんで、いわゆる学校の七不思議というやつですね。多分に漏れず、自分が通っていた中学校にもあったわけでして、特に戦後まもなく創立されたものだから60年以上経ってたりするんです。
 だから、七つ以上の不思議があるんですよ。
1.体育館裏の開かずのトイレ
2.音楽室の怪
3.理科準備室の頭蓋骨
4.渡り廊下の節穴
5.野球場バックネット裏に立つ首吊りの木
6.校舎横のプール
7.グランド隅の焼却炉
8.図書室の怪
9.体育館2階の開かずの間


 などなど、自分が覚えているだけでもこれぐらいあったんですよね。


 その中から6番目『校舎横のプール』を紹介します。


 自分が通っていた中学には、プールが2つあるんです。1つは新しく建てたもので、校舎からメイングランドを挟んで向こう側にあり、もう1つは鉄筋校舎のすぐ横にあるんです。
 新しく建てた方のプールは何らないのですが、古い方のプールは現在(自分が中学に通い始めた頃には既に)では、使用されておらず、なぜか一年中水が張ってあって、その水も長い間変えたことがないみたいで、中は藻が群生していて水が緑色になっていました。
 そして、古いプールなのですが、それを2メートルほどもある真新しい金網で囲ってありました。


 これはクラブの先輩に聞いたのですが、以前は1メートルほどの金網で囲ってあって、誰でも中に入ることができたそうですが、ある事件をきっかけに新しく金網を設置し直したそうです。


 それはある男子生徒が、そのプール囲いを越えて中に入ったのですが、その頃にはすでにそのプールは進入禁止になっていたそうです。
 すると、学年主任の先生が、血相を変えてやってきて、その男子生徒を叱ったとのこと。


 「何やってんだ! ここは立ち入り禁止だ。早く出てこんと呪われるぞ」と言ったそうです。


 ――呪われるって、どう言うことですか―― と、話をしてくれた先輩に自分が問いただすと、以前にこのプールが使われていた頃、立て続けに事故が起こって何人もの生徒が亡くなったそうで、以来ここでは遊泳禁止になり新しくプールを建てたと言うことしか知らないと。


 納得に行く説明は聞けませんでしたが、でも不思議です。新しくプールを建てたなら、この古いプールは、なぜそのままなのか? ふつう壊すと思うんですが…… 。
 しかも、なぜ水を張ったままなのか? それこそ事故につながると思うので、水は抜いておくと思うのですが…… 。


 案の定、事故は起こってしまいました(厳密には違うかもしれませんが)。先の無断で侵入した男子生徒は、翌日から行方不明―― 。その生徒が履いていた上履きスリッパーの片方だけが、例のプールに浮いていたとか…… 。そしてそれっきり行方不明でいまだ消息はつかめていないとことです。
 当然、プールをさらったそうですが、何も見つけることができませんでした。しかし、奇妙なことに、その時もプール水は抜かなかったそうです。


 そして、中に容易に入れないように金網を新しく新設したそうです。何ででしょうか? プールを壊せばそんなことせずに済むのに…… そんな不思議な話です。
 



「悲運な予言者・カッサンドラー」

2010-07-21 10:39:01 | ギリシャ神話

イメージ 1


 「的中率100% でも誰も信じない予言」


 太陽神アポローンに好かれてしまったゆえに、不幸になってしまった美女の話。
 清楚で控え目な、それでいて、黒き瞳に燃えるような情熱を湛えたカッサンドラー。アポローンは、その心を虜にされてしまう。
 永遠の若さと美貌を備え、限りない知恵と力の持ち主であるアポローンに愛されるのが、どうして不幸なのかって? まあ、カッサンドラーにだって選ぶ権利があるってことかな(太陽神だけに暑苦しかったのかも…… 失礼しました)。


 カッサンドラーは、どういう理由からか、アポローンからの求愛を拒み続けていた。しかし、アポローンは、ともかくアタック。――押してもダメなら押し破る―― と、いろんな贈り物をせっせと彼女に与えた。


 「カッサンドラー、どうか私に振り向いてほしい。私は貴女を愛して止まないのだ。私の愛を受けてくれるなら、もっと素晴らしい贈り物をしよう」


 そう言って、彼女の意志も聞かずにアポローンは、自身が放つ光で彼女を愛撫した(よく分からんが、器用なことで)。


 すると、その光の影響で、カッサンドラーに未来を予言する力が身についてしまったのだ。その恐ろしく正確な予知能力をプレゼントされ、アポローンの半ば強引な求愛に膝を折ろうと考えた彼女だが、この贈り物はとんでもないことも見せてくれた。
 なんとアポローンが、後にカッサンドラーに飽きてしまい、彼女を見捨てていく姿を鮮明に映し出したのだ。


 「ひどいっ、あんまりですっ」


 これは痛い、痛いぞアポローン。当然カッサンドラーは前にも増してアポローンを拒むようになった。


 「アポローン様を信じようとした、わたしが愚かでした」(今頃気がついたか)


 拒むうえに冷淡になったカッサンドラーを、アポローンは謝るどころか、この贈り物にも後悔せず、彼女を憎み、呪った(元を糺せば、あんたに非があるんでしょが―― )。
 一度神が与えたものを取り戻すことは、プライドが許さない。


 「カッサンドラーは確かに真実の予言を行なう。だが、その予言を誰一人として信じるものはいないのだ……!」と、酷な付けたしをした。


 カッサンドラーは祖国トロイアの滅亡を予言したが、誰も彼女を信じなかった。彼女は、ギリシャ軍の総帥アガメムノーンに捕らえられ、妾にされて子供を儲けさせること、そして自分がアガメムノーンの正妻の手によって殺されることも予言する。
 当然、信じる人はいなかったが、予言どおりにこの世を去ったのだった。


 ここまでくると不幸というより悲劇だね。神の愛はまさに気まぐれというやつだねぇ。