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第十八夜 怪談 禁断の地

2009-08-26 07:20:57 | 不思議夜話
 おはようございます。


 第18話をお贈りします。


 行ってはいけない場所、踏み入れてはならない場所(禁足地)についての話。


 僕が小学生だった頃、近所の仲間たちとよく外で遊んだ。(まだそういう時代だったですネ)
学校の帰り道に寄り道をすることなど、日常茶飯事だった。(よい子は真似をしてはいけません)


 ある日、学校の帰り道の途中に近くの神社で遊んでいくことになった。(計画していたわけじゃない。その場のノリ、いわゆる思いつきだった。基本的に子供の思考論理の中で「計画性」という文字は、ほとんど存在しないのだ)


 ランドセルを放り投げて無邪気に遊んでいると、仲間の誰かが
「この奥に行ってみようぜ」
という言葉が飛んで、その場のノリで行くことになったのだが……


 その神社の境内はかなり広くてちょっとした公園並みで、子供たちはここでよく遊んでいた。
しかし、社には表社と奥社があって、奥社は奥ばった林の中にある。通常、そこには誰も入らない。



いや、入ってはいけないのだ。


 奥社自体は表社に比べ、小さいのだが、社を取り囲むように木の板塀で覆われていて中が見えないようになっている。
さらに林には、紙垂(しで)を貼ったしめ縄が張り巡らされてあり、侵入者を拒んでいた。


 こともあろうか、僕たちは、その場所に入ってしまった。


 林の中は言葉で言い表せない異様な雰囲気があったが、何せ恐れを知らぬ子供ですから、そのまま遊んでしまったのだった。


 そして時間も過ぎて太陽も傾きかけた頃、皆は家路についた。別に何事もなかった。


 それまでは――


 お腹ペコペコで食卓についた僕は、「いただきます」してご飯を食べようとする。
しかし、食べられない。


 ご飯茶碗を持って、箸でご飯をすくって口まで運ぶのだが、ご飯を口に入れようとした瞬間、強烈な吐き気が襲う。


 そのまま箸を茶碗に戻すと吐き気もケロリと治る。再び口元に運ぶと吐き気を催す。ご飯だけでなくおかずやお茶、水もダメだった。何かを食べようとすると吐き気がするのだ。


 でも、基本的には、空腹状態なので、その繰り返しを延々としていたのだが、僕の異常を感じた母親
「どうしたの?」
と問いただしたので、僕は事情を全て話そうとしたのだが、話すことが出来ない。
「はっ、じ・・・。うっ・う~」
他のことは、難なく話せるのに、神社の話をしようとすると、言葉が出なかった。


 その様子を見ていた母親は
「仏壇の前に行って拝んできなさい」
というので、その通りにしたら、嘘のように、その現象が収まったのだった。


 それ以来
「あのような場所には、決して近づかないようにしよう」
と固く決めた僕(よって心霊スポットには行かないようにしている)でした。


 そんな不思議な話でした。 




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