ジニーの、今日も気まぐれな感じで・・・

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真梨幸子 『殺人鬼フジコの衝動 』 読了

2018年07月08日 21時20分57秒 | 読書
こんばんは、ジニーです。


日本の西部で猛威を振るっている大雨。
皆様、無事でいらっしゃいますでしょうか?

テレビでは川の氾濫などで、身動きが取れない状態になっている
被災者も多くいるようです。
早く通常の生活に戻れることを祈っております。



そんななか、ハードな作品を読んでしまいました。
真梨幸子さんの 『殺人鬼フジコの衝動 』。

あまり内容に触れないようにしますが、ネタバレ要素は
めちゃめちゃありますので、嫌な人はこれ以上読まないでください。



今年、読書をするということを決めた僕は、普段から
なにか面白い本はないかと、暇を見つけてはサイトで情報を集めているのですが
その中で見つけたのが本作でした。
そんなわけで、いわゆる嫌な気分になる「イヤミス」に当てはまる
作品だとは知っていたのですが、よもやここまでとは・・・。

グロい表現もあるし、性的な表現もあるのですが、
それよりもなによりも、子供への虐待に関する描写はこたえました。
正直、理解できない行動、仕打ち、発言のオンパレード。
読み始めてさほど時間もたたないうちに、心がギリギリと絞られるよな
つらい気持ちが広がりました。
つらかったなぁ。


タイトル通り、フジコという女性が殺人を繰り返す経過が
記録小説のような形で綴られていきます。
幼少期から、成長を続け、大人になり、逮捕されるまでの間、
本当に、衝動的に殺人を繰り返していくのです。
どこまで行っても自分勝手で短絡的に。
自分自身が傷つかないため、体裁を繕うため、
上手くいかないことを周囲のせいにして、その原因となる人物を殺していくのです。


本当に、読んでてイライラしました。
そして、心が痛くなりました。


フジコがなぜこのような衝動を繰り返すようになったのか、
それは是非、読んで感じていただきたいと思います。
個人的には、周囲の環境が、子供の人格形成に大きく影響すると
この作品を読んで、改めて強く感じました。



ちなみに、叙述的なトリックも用いられています。
それは、そこまで重要性を感じないので、たぶんわかる人にはすぐわかります。


また、スピンオフの作品もいくつか出ていて、
それらをすべて読むことで、真相や謎はより明確な輪郭を帯びてきます。

が、僕は多分読みません。
結構、本作を読むだけでもつらかったので。


もちろん、面白さもあります。
面白くなかったら、そもそも読み続けません。
しかし、これ以降は覚悟が持てない。
いまはもう少し爽快な気分に浸れるものが良いですね。

面白さ以外に、早く読んでしまいたいと思って
読み進める手が止まらなかったという意味では、イヤミスとして
やはり優れた作品なのだと思います。




コメント
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