ジニーの、今日も気まぐれな感じで・・・

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北村 薫 『空飛ぶ馬』 読了

2018年07月31日 22時17分03秒 | 読書
こんばんは、ジニーです。




あぶねぇ、今月の3冊目がこんなにギリギリになるとは・・・。

今回読んだのは、北村薫さんの「空飛ぶ馬」。


ミステリーを読みたいといろんなサイトでおすすめの作品を探していたら
人の死なないミステリーとして紹介されていて気になったのがきっかけです。

本自体は結構前から購入していたのですが、順番待ちで、この時期まで
眠らせてしまっていました。

そこでようやく、読み始めたのが先週のはじめ。
僕は落語に疎いので、最初は読むのに戸惑う部分もありましたが
面白い作品でした。


落語、とすでにキーワードが出てしまいましたが、
この作品の主人公は女子大生と落語家の二人です。

女子大生の日常の中で起こる、不可思議な出来事を
落語家の「円紫さん」が解いていくというストーリーです。


全部で5つのストーリーからなる短編集で
先ほど述べた通り人が死ぬことのないミステリーです。
言ってしまえば、気にすることなければ人生に影響も出ることもない
そんな不可思議な出来事と向き合うミステリー。

だけどそういった謎って、刺さった棘のようにいつまでも
心の隅に棲みついて、モヤモヤさせたりするんですよね。
そして解明したときは、スッキリ感もあるんですが、
時によっては何だそんなことかという感想にもなる。

でも、この空気感や爽快感は、この手のミステリーでしか
感じることのできない、とても不思議な感覚です。
いろいろ力づくで一言にまとめると、「平和」。

以前読んだ、若竹七海さんの「サンタクロースのせいにしよう」は
この作品ののどかな部分をより強調したような作品ですね。
いわゆるこのジャンルにあるおんなじ匂いを感じます。



特に好きなのは、ラストの作品であり、タイトルにもなっている「空飛ぶ馬」。
この作品を象徴するような、ほっこり笑顔を誘う物語でした。



余談ですが、先日テレビで「東大王」を見ていたら、
東大のプリンスと呼ばれる方が、中学生の「どんな本を読めばいいですか?」
という質問にこの本を推薦していました。

ビックリ。

個人的には北村さんの時折ペースを乱すような書き方は
ちょっと戸惑ってしまうのですが、子供が中学生くらいになったときは
確かに薦めたい本だと思いました。



夏の暑い日に読んでよかった。
なんとなく、爽やかな風を感じる作品だったから。



コメント (1)
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