楢篠賢司の『人間とは』

人間とは何かを研究しています。現在は経済学を自分のものにしたいと目下勉強中です。

未来社会はどうあるべきか 4 競争社会とは

2009-05-28 15:04:10 | Weblog
  競争社会とは何なのか、それは如何に労働を安く提供できるかという一点に絞られる。競争社会は貨幣を通した労働の交換を阻害していることでしかない。たとえば100人の人間が、100の貨幣量がある社会で、一人が二通りの交換ができるとする、全体としては100の貨幣で200通りの交換が成り立つことになる。だが競争社会ということから、如何に労働から作られた製品を安くするかということの争いとなると、そこには当然の結果として今まで200通りの交換が成り立っていた社会が消えうせ、貨幣を通した労働の交換も減少していくことになる。

 100の貨幣量で200通りあった交換が労働の安売りという結果から1割欠けたことによって。100の貨幣量がありながら180通りの交換しか成り立たない市場へと変化してしまう。欠けた20通りの交換は20人の人間が今までの生活を半分に落とすか、10人の人間が交換からはずされてしまい、つまり生きていくために必要な労働する機会も得られず、他者が作り出した労働の産物である製品も得ることができず、現代流に言えば失業というかたちの、社会から取り残された状態へと追い込まれていく。

 貨幣は全てを握っている、神にもなれば悪魔にもなる。単なる気まぐれのように貨幣をもて遊べば貨幣のしっぺ返しを食らうことになる。
 
 100の貨幣量は200通りの交換を生むこともできれば300通りの交換をも可能にする。ただ使い方を誤れば100の貨幣量がありながら80しか交換が成り立たない社会をも作り出してしまう。

 そこには貨幣はあくまでも人間の労働と労働の交換財でしかないということを理解すれば解ることであるが、現在の社会は100以上の貨幣がありながら80の交換しか成り立たない社会になってしまっている。





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