楢篠賢司の『人間とは』

人間とは何かを研究しています。現在は経済学を自分のものにしたいと目下勉強中です。

日本版アラブの春は来るのだろうか Ⅲ

2013-10-20 07:22:22 | Weblog
  昨日は話を途中で変えてしまったが、経済の根本が間違えていたという話に戻そう。ただそのことを書いたとしても富者は決して譲歩をしないであろう。例えば国債残高を手っ取り早く減らす方法として、投資による利益を上げたとき高率の税金を掛けるとか、富裕層から富裕税として税を取るとか、遺産相続に高額の税を掛けるとか、このようなことをいえば当然猛反対にあうだろうし、根底から資本主義を否定しようとしている。お前はアカではないかと言われるのが落ちとなる。

  しかしこれ等による富者の財産増加、言い換えれば貨幣所持の偏りがやがては市中の貨幣量を減らし経済停滞(貨幣とは何か『新AEの関係参照』)へと結びついていく。そこから為政者は経済を活性化させようとして市中の貨幣量を増やす方法を取る。そこで最終的に金融機関に貯まりだしてきた貨幣と、富者が溜め込んだ貨幣に利息を付け国債に化けさせる。この繰り返しでは国債残高の増加はその都度増えていくことになる。それが現在の状況だといえる。

 そして言えることはこのような繰り返しが国の借金の増加となり、やがてその増加に耐えられなくなり国債価格の暴落となる。そこから紙に印刷された紙幣の信用失墜となり、経済停滞と同時に超物価高(ハイパーインフレ)となって国民生活を脅かす。そのとき多額の貨幣所持をしている者も、その原因をつくったのであるから当然その災難を背負うことになる。

 社会が不況による混乱に陥ったとき、つまり大量の失業者が街にあふれ出したとき、行き場の無い人達がやがてはネット社会の構造の下、各地でデモとなって為政者に対する抗議行動となる。

 決して私が脅しで書いているわけでもなく、またすでにこのようなことを理解している人たちにとってはなんら新しい事を書いているわけでもなく、読む価値もないと断じられてしまうかもしれない。

 ただこのようなことがアラブの春という名の下に北アフリカ、中東諸国で起こった一連の民主化運動の元であり、やがては不満が堆積した国、どのような国で起こったとしても不思議ではない。その原因を作っているのが貨幣所持の偏り(貨幣とは何か『AEの関係参照』)でしかない。そしてその偏りを是正する勇気がより多くを所持している人達にとっては法で守られている財産権の侵害でしかないと決して譲歩しようとはしないであろう。

 アラブの春という名の下にエジプト等が混乱に陥った。そして対岸の火事を見物するがごとく混乱は政治の未熟から来るものだと論評している。しかしご存知のように1千兆円を超えた借金を持っているわが国で起きたとしたら政治の先進国?であるわが国は完全に対処できると考えているのだろうか。またアメリカも国債残高が16兆ドル(日本円にして1600兆円弱)の債務を抱えご存知のように枠を設けそれ以上増やさないと取り決めをしたが、結局その枠を再度広げることになった。

 私が書くまでもなくその金が国債に化けさせないで発行された紙幣だとしたら、そしてその紙幣が市中に出回ったとしたら、超超超インフレになっている。それらをうまく処理しているのが国債という一枚の紙切れに変えている事でしかない。でも印刷すればいくらでも発行できる紙幣に換算すれば膨大な量の紙幣、それ等は誰の手に渡っているのだろうか。

 私の手元にある朝日新聞の4月5日の朝刊記事『金持ち天国 タックスヘイブン』を次回取り上げてみよう。
 

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