
Interstate 55 (55号線)は北米大陸のイリノイ州シカゴからルイジアナ州のメキシコ湾まで南北に走る幹線道路である。55号線は最高速度の規制が75マイル(約120キロ/h)で多くの車は80マイルで飛ばす。ランドクルーザー60にとって時速120キロの巡航というのは車がその様に設計されていない事もあり苦しい環境ではある。しかし、今回はフォードやダッジの大型カーゴバンを用いてミシシッピー州を南北に走る55号線を何度も往来した。

平坦な森とのどかな牧場が展開する景色の中で時々ゴジラでも暴れたのか、と思うような景色に遭遇する。現地の人の説明ではトルネード(竜巻)が通った後の光景と言う事だ。アメリカ南部においてこのトルネードの襲撃というのは恐怖でしかない。

今年もこの地方を訪れるにおいて関係する幾つかの本を再読した。
ミシシッピー州において特に日産自動車の進出と存在は大きい。
全米一の貧困な州で5000人を超える就業者を雇用しその家族を助けている。
ゴーン氏と日産自動車はミシシッピーのメサヤ(救世主)的なアイコンなのである。

余談ではあるが、NISSAN が北米における生産工場の拠点は MISSISSIPPI と TENNESSEE であるが、州名のスペルの中にある SS (ダブルエス)が州と日産を繋いだ因縁なのではないかとも妄想した。

ミシシッピーの北部にはトヨタ工場静かに存在しています。
ここでは2000人の人々が働いています。
50万台/年 のトヨタカローラが生産されています。

55号線では出来立ての新車がデストリビュートされているのであろう光景をよく見ます。

55号線周辺の街々にも多くの日本ブランド車があふれています。

470Zもよく見かけます。
しかし、これは Made in Japan ですね。

州都 JACSON の北にある CANTON には55号線に沿って広大な敷地を誇る NISSAN の北米自動車工場が存在します。

その工場に続くルートは NISSAN PARKWAY と呼ばれる大きな道です。
周辺では新車のNISSAN 車が走り回っています。
...
さて、前置きはここまでです。
この55号線を何度も上下に走り通しながら通り過ぎる車、すれ違う車を観察しながらある事に気が付きました。
それはピックアップトラックの数が多いと言う事です。
車道におけるピックアップトラックの比率が高いです。
僕の中ではニューヨークと比べてはいます。
そして、アメリカンブランドのピックアップトラックの比率が高いです。
そこで実際に紙とペンを持ってすれ違うピックアップトラックの数を数えてブランド別に統計を出してみました、以下です。
FORD 100 (40%)
CHEVY 72 (26%)
DODGE 35 (14%)
GMC 26 (10%)
TOYOTA 18 (7%)
NISSAN 5 (2%)
OTHER 1 (1%)
FORD が一番人気がありますが CHEVY と GMC は同じ会社(GM)です。ビック3と呼ばれる3社はピックアック市場の90%を押さえています。ピックアップトラックは自動車市場において収益の利益率が高い商品ですが、そのピックアップ市場を抑えているのはアメリカのブランドです。アメリカでは日本ブランドの小、中乗用車は普及していますがピックアップ市場はまだアメリカは日本製ブランドに主流を譲ってはいません。この統計はランダムで同じ事をやったらカリフォルニアや東部の都市部では異なる数値となるはずです。しかし今回この数字を拾った場所は NISSAN TOYOTA が生産工場を構えるミシシッピー州で行った結果です。

NISSAN TITAN (2016-)
2代目 NISSAN TITAN は2016年に発売された。しかし、今回2週間以上の滞在期間に新車のTITAN を目撃したのはわずか2回だけだった。他のNISSAN の小型車は沢山見かけるが NISSAN のピックアップとなると音を潜める。3トンを越す巨大な存在は現行のアメリカンピックアップに引けを取らない。メーカーにとってクルマのサイズが大きい程市場におけるリスクは大きい。よって NISSAN にとって TAITAN の存在は大きな賭けであるはずだ。もし来年もこの55号線を走る事が出来たら、期待を持って路上で TITAN を探すと思う。