今年のニューヨークの冬は氷点下10度の日々が続いている。早朝、太陽が顔を出す頃は氷点下15度まで下がる。ロクマルで通勤していた頃はチョークを引いてエンジンが温まるまで暫くの暖機時間が必要であった。白い白煙を噴出し続け周囲にガソリンが焼けた排気ガスの香りに包まれるとクラッチを推してハンドブレーキを解除して走り出すのであった。そういった一手間があった事が懐かしい。80のイグニッションを回す度に冬季の60使用を懐かしく思う。同時に、我が80は後期型とはいえ28年目を迎えた。意識して眺めると通勤の過程時間で目に入る車の全てが我が80より若い。確かに60よりも若いが80は自分が生活している社会から観ると古い車、旧車なのである。60のラダーフレームが錆びて崩壊して寿命を終えた事を思えばこの80はまだいけそうだ。極寒の続くニューヨークに大量に撒かれる塩化カルシュウムを遠慮することなく踏み潰し、ランクルを使い込む事の愉しみを自身に刻み込むのだ。
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