最近の朝の挨拶は Good morning! に続いて『おまえのクルマ大丈夫だったか?』で一日が始まる。朝の6時半、外の気温は氷点下20℃近くまで下がっているが、幸い風は無い。ドアが凍ってしまって鍵が開かないので鍵をしないでおいていた後ろのハッチを開けてランクルに潜り込みエンジンを始動した。そこから10分程車を暖める為の暖機を行うが室内の気温の上昇は実感出来ない。路上には凍結防止剤が撒かれており雪が積もっているかの様に真っ白である。30分程走って職場に着くと仕事仲間が車から同時に降りてきて『まだ動いてるのか!』とロクマルを見て言ってくる。事務所に入ると別人が同じ様な意図を持って『よく来れたな!』と挨拶を交わしてくる。他人は旧車に乗る自分に対して一皮違う目で見ているのだと感じる。それは、車が始動しなかったり途中で止まってしまう事で僕がパンチを食らう事を期待する気持ちもあるのであろうが、それを見事に裏切り続けるのが真冬のランドクルーザー60での出勤なのである。昨年の暮れに有ったようにランクルは出勤や帰宅の途中に故障で止まる事もあるであろうがそれは覚悟の上である。僕を取り巻く仕事仲間やメカニック達はロクマルに乗り続ける僕に対して話題を期待している。その話題とは極寒の中でもちゃんとロクマルが動いているという事それ自体が話題なのである。