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アリゾナ州のフラッグスタッフから南の谷底に降りて深い森の渓谷を半時間程ドライブをすると、やがて巨大なレッドロックと呼ばれる石壁と巨石が視界に飛び込んでくる。セドナは古代から聖地と呼ばれる土地でボルテックスと呼ばれる台地のエネルギーが特に強いとする場所が街中と街の周辺に点在し癒しとスピリチャルの世界的な場所となっている。そのセドナの持つもう一つの顔がジープ天国である。僕がジープ天国と表現した場所は過去にも2箇所あり、コロラド州のデンバー、ユタ州のモアブである。しかし、それらのジープ天国は何処も同一ではなくそれぞれが個性を秘めている。
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セドナの街の名物の一つがジープツアーである。街には多数のジープツアーが存在しているが、代表的なのはピンクジープツアー と呼ばれるピンクに塗られたジープである。それでは実際にジープツアーで使用されているジープはどんなジープなのであろうか?
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ジープラングラーのTJ(1996-2006)の改造モデルである。 定員は定かではないが、あまり多く乗員するとパフォーマンスに影響するであろう。見かけたのは4人ー6人位が多かった。
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ジープの装備について観てゆきたいと思う。写真はジープラングラーYJ( 1986-1995)とTJ。最初に気になるのは殆んど全てのジープがフロントバンパーや車体の何処かに、この様なタンクを装着している。この正体は水のボトルです。ツアーの観光客用に水を多めに携帯しているのだと思って聞いてみると、それは違った。ジープで乾燥した岩場や荒野、そして砂漠を走っていると時々道に迷った遭難者に遭遇する、その時にこの携帯している水が命を救う事になるという、命の水なのである。
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足周りです。オールドマンエミュ、ダカールのイタバネ、目にした全てのジープは同じ仕様でした。オフロードの定番はそう呼ばれるだけではなくて実践で使用されています。Uボルトが新しいのは最近整備されたからでしょうか?タイヤを見るとかなりガレ場を走破している事が分かります。
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意外にも大きな鉄製の踏み台は御客重視の仕様だがロールバーの下部と繋がっている。その下部にシャフトがありロールバーが多少前後に移動するのは装着時の為なのか振動吸収の遊びなのかは不明なまま。
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屋根の正体はロールバーです。ジープの揺れに対応する為に上部にホールダーが取り付けられています。シートベルトは腰巻きです。
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室内ミラーには多面鏡が使用されています。これは搭乗者の顔がそれぞれ確認出来る様にです。ドライバーと搭乗者が会話をする為には必要装備となります。
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ラングラーYJのコクピットです。センターにあるのはローレンジとハイレンジの切り替え用シフト。オートマチックコラムシフト、そして、パーキングブレーキが足踏み式である事。この意外なノーマル仕様には驚きました。この仕様とは直接関係ないかも知れないがジープドライバーのガイドには女性の方も多かった。
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2019年新型ラングラーはJL(2017-)である。しかし、セドナを走るラングラーにはYJやTJが活用されている。確かにJK(2006-2018)を使ったツアーも見かけたのは事実である。思うに、ローレンジで低速で未舗装地帯を走るにはYJや最後のジープと謳われたTJが相応しいのであろう、それは修理や整備、そしてコスト的にもまだまだその地位を譲る事は出来ない。
JK以降はYJやTJと比べて高速、遠距離移動とそれにおける快適性がオフロード走行と平行して重要視された様に感じるが、今後10年においてセドナでのジープツアーでYJやTJが消えてJKやJLが中心的になるとするとジープをはじめとする四駆に対する価値観も変わるであろうと思われる。
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2019年の今日、セドナでは1986年から2006年の20年間に掛けて製造されたラングラーYJとTJがジープツアーの中心的な存在である。この地を訪れる人々の多くは日常の足に快適なSUVやエコカーを運転する人々であろう。そんな人々がより感動するのはいつも乗っている様な快適仕様のジープではなくて、もっと非日常的なスパルタンなジープではないかと思う。もしも、ジープツアーが人々の需要に応え、それ以上の感動を僅か数時間の内に提供できるとするなば使用されるジープラングラーのモデルは今後も変わらないんじゃないかとも思っている。
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セドナの野山を少し歩いてみると沢山の感動がある。 ジープって本当は窓や屋根が無い方がいい、ジープにはそんなものは要らない。現在の車で自然の中に出かけ、隔離された車内という空間では感じる世界が全く異なる。本当の深い意味でジープが欲しいと思うのは、ズバリ、自由な開放感を感じたいからであろう。セドナを走るジープを見ているとジープとはこれぞやっ!っていう感覚がにじみ出てくるのは、ここが太古からの聖地で地球の強いエネルギーの渦に巻かれているからかも知れない。