今までは、私が実行している良いと思う習慣について、朝起きてから順を追って書いてきました。
今回は、今はやめてしまった良い習慣のお話をします。
十二、三年ぐらい前に始めたもので、七、八年続けました。今ひとつ伸び悩み、壁を打ち破れないまま結果として目立った成果を挙げられず、講師の先生の交代と共にやめてしまいました。
それは、NHKのラジオ語学講座です。語学と書きましたが、英語ですね。
それも一から始めようということで、『基礎英語』および『続基礎英語』そして『ラジオ英会話』を聴くことにしました。
ちょうどこの季節です。春の新学期が始まる四月、各語学講座もスタートします。
私が英語の勉強を思い立ったのは、左利きの活動を始めて、外国には左利き用品の専門店があったり、左利きのための専門雑誌を出している左利きの会があることを知り、ぜひコンタクトをとりたいと思ったからでした。そのためには英語が必要です。
一番手っ取り早く、しかもお金を使わずに勉強できる方法はないかと頭をひねった結果、思い出したのが、このNHKの英語番組でした。
『基礎英語』および『続基礎英語』(今はまた区分けが変わっています。今年からは、私が勉強していたときのように、基礎編が二部構成になりました。)は、言ってみれば、中学英語レベルです。最も基礎から、文字通りいろはならぬABCから教えてくれます。一応会話が主体ですが、発音や聞き取りだけでなく、単語と成句、文法もきっちりと教えてくれるので、基礎勉強にはうってつけでした。
ところが一年目は、『基礎英語』を理解するのがやっとでした。『続基礎』はただ聞いてテキストを読むだけ。理解できませんでした。ましてや『英会話』は先生の日本語の解説をストーリイのおもしろいところだけ聞くのがやっとという有様。
初めから『英会話』は無理だろうとは思っていました。一通りテキスト四月号を買って下読みしていたので、レベルはだいたいわかっていました。何とかがんばって『続基礎』ぐらいは何とかしたいと思っていたのですが、これもかなわぬこととなりました。
やはりローマは一日にしてならず、というのでしょうか。
それでも、このふたつの講座は二年ごとにテキストが変わります。即ち二年目は再放送となるのでした。
『基礎』はこの年が二年目で、翌年から新テキストに、『続基礎』は翌年が再放送でした。すなわち、やさしい『基礎』は二年間それぞれ違うテキストで、もう一段難しい『続基礎』の方は二年間同じテキストを勉強しました。おかげで一年目わからなかったことも二年目には理解できました。
私の勉強のステップアップにはちょうど良い形になったのです。
そして、少し余裕の出てきた二年目は、『ラジオ英会話』のテキストも毎月買ってとにかくストーリイだけを追ってみることにしました。
私の勉強法は、6時に起きてラジオを聴きながら、20分番組だったので20分テープに『基礎』と『続基礎』を両面に録音し、朝の用意をする。幸いこの三番組は、一時間に渡って引き続き放送され聴くのに都合が良かったのです。
50分ぐらいの通勤時間にウォークマンでテープを聴く。帰りは、時間が合えば再放送を聴き、合わなければまたテープを、という毎日でした。また席に座れたときはテキストを出して見る。読むとまではいきませんが。
これで中一ぐらいの英語は何とかなるようになりました。二年かければ、少しは文法もわかるようになり、お蔭様で、英文手紙の書き方の本を横に置いてではありますが、英語の手紙を書くところまでゆきました。
その後も『ラジオ英会話』は、講師の大杉正明先生の楽しい講義とストーリイで先生がお辞めになるまで七年間ほど(先生は87年から11年間続けられた)継続して聴き続けました。
結局、英語の手紙のやりとりは長くは続かず、自然消滅になりました。根本的に語学力が足りず、こちらの意思を思うように伝えられないのが原因でした。
母国語とは異なる外国語を使うというのは、心理的な壁があります。これを乗り越えるのはやはりかなりの意志の力が必要です。
必要に迫られれば使えるようになる、というのも事実ですが、自分で切り開くというのは大変なパワーが必要です。習慣の力をうまく利用する工夫が大事です。
とにかく、テキスト代だけなら一月350円ぐらいで始められます。こんな安上がりで手近な入門方法はありません。
先に「手っ取り早く」と書きました。ラジオ講座なんてどこが手っ取り早いの、と思われるかもしれません。結局一年とか二年とかかかってるじゃん、と思われるかもしれません。しかし、本当のところ語学に近道はありません。勉強に、と言い換えても良いでしょう。遠回りに見える道が一番の近道なのです。
ぜひ一度お試しください。 生活の一部になると、案外簡単に続けられるものですよ。ひとえに習慣の持つ力です。
私の場合は、結果的には大きな成果にはつながりませんでした。
しかし、一度身につけたものの価値というのは、そのもの自身の価値だけにあるのではなく、次に同じようなことをするときに障壁が低くなるという利点にあります。受け入れやすくなるのです。
もしもう一度始めようと決心すれば、きっと前回よりスムーズに始められるでしょう。
何事も習慣づけが大切なのはこういうところにあります。
今回は、今はやめてしまった良い習慣のお話をします。
十二、三年ぐらい前に始めたもので、七、八年続けました。今ひとつ伸び悩み、壁を打ち破れないまま結果として目立った成果を挙げられず、講師の先生の交代と共にやめてしまいました。
それは、NHKのラジオ語学講座です。語学と書きましたが、英語ですね。
それも一から始めようということで、『基礎英語』および『続基礎英語』そして『ラジオ英会話』を聴くことにしました。
ちょうどこの季節です。春の新学期が始まる四月、各語学講座もスタートします。
私が英語の勉強を思い立ったのは、左利きの活動を始めて、外国には左利き用品の専門店があったり、左利きのための専門雑誌を出している左利きの会があることを知り、ぜひコンタクトをとりたいと思ったからでした。そのためには英語が必要です。
一番手っ取り早く、しかもお金を使わずに勉強できる方法はないかと頭をひねった結果、思い出したのが、このNHKの英語番組でした。
『基礎英語』および『続基礎英語』(今はまた区分けが変わっています。今年からは、私が勉強していたときのように、基礎編が二部構成になりました。)は、言ってみれば、中学英語レベルです。最も基礎から、文字通りいろはならぬABCから教えてくれます。一応会話が主体ですが、発音や聞き取りだけでなく、単語と成句、文法もきっちりと教えてくれるので、基礎勉強にはうってつけでした。
ところが一年目は、『基礎英語』を理解するのがやっとでした。『続基礎』はただ聞いてテキストを読むだけ。理解できませんでした。ましてや『英会話』は先生の日本語の解説をストーリイのおもしろいところだけ聞くのがやっとという有様。
初めから『英会話』は無理だろうとは思っていました。一通りテキスト四月号を買って下読みしていたので、レベルはだいたいわかっていました。何とかがんばって『続基礎』ぐらいは何とかしたいと思っていたのですが、これもかなわぬこととなりました。
やはりローマは一日にしてならず、というのでしょうか。
それでも、このふたつの講座は二年ごとにテキストが変わります。即ち二年目は再放送となるのでした。
『基礎』はこの年が二年目で、翌年から新テキストに、『続基礎』は翌年が再放送でした。すなわち、やさしい『基礎』は二年間それぞれ違うテキストで、もう一段難しい『続基礎』の方は二年間同じテキストを勉強しました。おかげで一年目わからなかったことも二年目には理解できました。
私の勉強のステップアップにはちょうど良い形になったのです。
そして、少し余裕の出てきた二年目は、『ラジオ英会話』のテキストも毎月買ってとにかくストーリイだけを追ってみることにしました。
私の勉強法は、6時に起きてラジオを聴きながら、20分番組だったので20分テープに『基礎』と『続基礎』を両面に録音し、朝の用意をする。幸いこの三番組は、一時間に渡って引き続き放送され聴くのに都合が良かったのです。
50分ぐらいの通勤時間にウォークマンでテープを聴く。帰りは、時間が合えば再放送を聴き、合わなければまたテープを、という毎日でした。また席に座れたときはテキストを出して見る。読むとまではいきませんが。
これで中一ぐらいの英語は何とかなるようになりました。二年かければ、少しは文法もわかるようになり、お蔭様で、英文手紙の書き方の本を横に置いてではありますが、英語の手紙を書くところまでゆきました。
その後も『ラジオ英会話』は、講師の大杉正明先生の楽しい講義とストーリイで先生がお辞めになるまで七年間ほど(先生は87年から11年間続けられた)継続して聴き続けました。
結局、英語の手紙のやりとりは長くは続かず、自然消滅になりました。根本的に語学力が足りず、こちらの意思を思うように伝えられないのが原因でした。
母国語とは異なる外国語を使うというのは、心理的な壁があります。これを乗り越えるのはやはりかなりの意志の力が必要です。
必要に迫られれば使えるようになる、というのも事実ですが、自分で切り開くというのは大変なパワーが必要です。習慣の力をうまく利用する工夫が大事です。
とにかく、テキスト代だけなら一月350円ぐらいで始められます。こんな安上がりで手近な入門方法はありません。
先に「手っ取り早く」と書きました。ラジオ講座なんてどこが手っ取り早いの、と思われるかもしれません。結局一年とか二年とかかかってるじゃん、と思われるかもしれません。しかし、本当のところ語学に近道はありません。勉強に、と言い換えても良いでしょう。遠回りに見える道が一番の近道なのです。
ぜひ一度お試しください。 生活の一部になると、案外簡単に続けられるものですよ。ひとえに習慣の持つ力です。
私の場合は、結果的には大きな成果にはつながりませんでした。
しかし、一度身につけたものの価値というのは、そのもの自身の価値だけにあるのではなく、次に同じようなことをするときに障壁が低くなるという利点にあります。受け入れやすくなるのです。
もしもう一度始めようと決心すれば、きっと前回よりスムーズに始められるでしょう。
何事も習慣づけが大切なのはこういうところにあります。
ねばり強く精一杯努力し、どんな機会も逃さず、怠け者ならムダに費やすようなわずか時間をも十分活用してみるがいい。驚くほど自己修養の成果が上るはずだ。―サミュエル・スマイルズ『自助論』竹内均訳(三笠書房知的生きかた文庫)より