レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

[コラボ]<左利きミステリ>第7回国内編(後)再発掘作-楽しい読書384号

2025-03-17 | 左利き
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【最新号】


2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介」



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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介」
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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
  【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
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第682号(Vol.21 no.5/No.682) 2025/3/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」
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*「前編」も見てね! 「前編」はこちらで↓
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(9:40 配信)

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 今回も先月に引き続き、私の発行しているメルマガ
 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画、
 <左利きミステリ>の第7回目。

 過去5回は、第6回の(前編)をご参照下さい。

第680号(Vol.21 no.3/No.680) 2025/2/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(前編)新規発見作紹介」


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  ★ コラボ企画 ★

 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
  <左利きミステリ>第7回 国内編
(前編)新規発見作紹介

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 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
  <左利きミステリ>第7回 国内編
(後編)再発掘作紹介

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<左利きミステリ>についてです。

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。

その後、機会ある毎に新たな情報を追加しながら、今日に至っています。

今回は、<国内編>を紹介していきます。

 ・・・

*<左利きミステリ>とは、
 左利きの人が主要登場人物である物語や
 左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
 左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
 ホラー作品等の広義の「ミステリ」の総称をいう。


 国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
 海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』

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*(新たに表示記号の追加・変更があります)

 1843:新聞・雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
 (フランス/中国):出版国/作品の舞台となる国―出版国と異なる場合
 「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編 
 エミール・ガボリオ:作者名 
 [シャーロック・ホームズ]:登場する「名探偵」(シリーズ探偵)の名
 ・特記事項
 [未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
 [準]:<左利きミステリ>に準ずる
 [外]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
 [H]:ホラー [SF]:SF [F]ファンタジー
 [傍]:メインのストーリーとは無縁の傍系の話
 [参]:参考作品(一般小説・児童書、小説以外のノンフィクション等)
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<左利きミステリ>の登場人物・分類表

 (探):左利きの探偵/探偵役
 (被):左利きの被害者
 (犯):左利きの犯人
 (容):左利きの容疑者
 (他):左利きのその他の事件関係者
 (脇):脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物
    ([傍]メインのストーリーとは無縁の傍系の話に登場する人物)

<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。

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<左利きミステリ>:<国内編> 再発掘作紹介

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(再発掘/リスト漏れ<左利きミステリ>)
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今回は、<左利きミステリ>の国内編の再発掘編。
再発掘もしくは、忘れ物ですね。

ただ、内容を御覧いただければ分かりますように、
純粋に「ミステリ」と呼べそうなものは、山本周五郎の作品ぐらいです。
ほとんどが「非ミステリ」という感じです。
広義のミステリとしても、ホラー系です。

参考作品として「左利き」の性質といいますか、「左利き」の本質、
あるいは、発表当時の社会の平均的な「左利き」感、もしくは
「左利き」に対する見方というものを知っていただくための情報として、
その価値があるかと思います。


 ●「一粒の真珠」山本周五郎

1947「一粒の真珠」山本周五郎 (容)
<左利きの容疑者、「ぎっちょの文治」>
初出『新青年』1947年2月号
――窃盗容疑者の許嫁者の元不良の徒「ぎっちょの文治」。
 お嬢様の首飾りの真珠を盗んだ罪をかぶせられた小間使いの許婚者の
 文治は、元不良ということで、容疑者の共犯と疑われる。 
・『山本周五郎長篇小説全集 23 寝ぼけ署長』新潮社 2014/11/27

・『寝ぼけ署長』山本 周五郎/著 新潮文庫 第二版 2019/3/28

*参照:『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第214号(No.214) 2010/6/5
<左利きムーヴメントLHM>宣言!“左利き紳士・淑女録”

【新企画】“左利き紳士・淑女録”
(2)架空の人物編
■か行-き・ぎ■
【ぎっちょの文次】ぎっちょ・の・ぶんじ
・山本周五郎/著「一粒の真珠」の登場人物
  新潮文庫『寝ぼけ署長』(1981)収録
・本名 西山文次
・建具屋職人
 《十歳前後で孤児になり、
  富屋町の表通りに店のある建具屋の家で育てられ、
  親方は鈴木秀吉といい、
  文次にずいぶん目をかけて仕込んだし、
  当人も左利きが難だったけれど手の性が良く、
  十六七になると一人前の仕事をするようになった。》p.77
・若くして金を稼ぐようになり、一度ぐれて、
 「ぎっちょの文次」と呼ばれる不良の徒となる
 その後立ち直り、結婚を機に建具屋として独立する


 ●「眠れる美女」川端康成

1960.1-1961.11「眠れる美女」川端康成 [H]
『新潮』1960(昭和35)1月~1961(昭和36)11月
<怪しい宿の左利きの女(女性管理人?)>
――変態老人男性の女体偏愛小説? 老人の性を扱った佳編。1999年の
 新潮文庫「人は誰でも年を取る」フェアの一冊にも選ばれています。
 怪しい性風俗店の女主人を「左利き」らしく設定し「怪しさ」を演出
 していると、巻末の三島由紀夫の解説でもそのように解釈しています。
・『眠れる美女』川端 康成/著 新潮文庫(新版) 2024/8/13
(著者没後50年、浅田次郎氏の新解説を追加した増補版)


《(略)女は立って、隣室へ行く戸の鍵をあけた。左利きであるのか
 左手を使った。(略)なんでもないうしろ姿なのだが、江口にはあやし
 いものに見えた。帯の太鼓の模様にあやしい鳥が大きかった。(略)》


 ●[参考]「片腕」川端康成

1963.8-1964.1「片腕」川端康成 [参](H)
<男と片腕を交換した若い女性の「右腕」>
『新潮』1963(昭和38)8月~1964(昭和39)1月
――右腕を外して男に貸す娘。男は腕を取り換えて眠り、起きると元に
 戻すが、女の腕は冷たくなって……。『眠れる美女』に併録されている
 ように、こちらは孤独な男の性欲を描いている奇妙な味の一編。
・『眠れる美女』川端 康成/著 新潮文庫 2024/8/13

《「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」と娘は言った。/そして右腕を
 肩からはずすと、それを左手に持って私の膝の上においた。/
 「ありがとう。」と私は膝を見た。娘の右腕のあたたかさが膝に
 伝わった。》p.135


 ●[参考]『流しのしたの骨』江國香織

(1996.7) 『流しのしたの骨』江國香織 [参]
<「左利き」の恋人は便利?>
――三女の「こと子」を語り手に奇妙な家族を描く小説。こと子は、
 ダブル・デートの相手の恋人たちが手を繋ぎながらフォークを使うのを
 見て便利だと思い、以後、食事の際右手を釣って左手を使い始めます。
・『流しのしたの骨』江國香織/著 新潮文庫 1999/9/29


《「あなたのお友達は左利きなの?」(略)
 「ほら、あの二人ずっと手をつないでいたでしょう? 
 もともと左利きなのか、それとも彼女と手をつないでいるために
 左手を使っていたのかしらって……」(略)
 「左利きだよ」/私は感心した。恋人が左利きだとすごく便利だ。
 そう感想を述べると、深町直人はわらっていた。》p.10
《「利き腕のことだけど、ことちゃんが練習してみれば? 真面目に
 やれば、フォークくらいきっとすぐ左手で使えるようになるよ」/
 「……そう思う?」/小さな弟は力強くうなずいた。》p.14
《ごはんを食べるときに右手を使ってしまわないように、
 右腕をスカーフで吊ってるの」/
 父は私の右腕をじっとみつめた。母も食べるのをやめている。
 弟だけがお行儀良く食べ続けながら、/「魚、むしってあげるよ」/
 と言った。/「ありがとう」》p.18
《「……なぜ右手を使っちゃまずいんだ?」(略)
 「だって便利でしょう? 両方使えると」/「……」/
 父は少し黙ってそうか、と言うと再び自分の食事にもどる。/
 「かまわないのよ。こと子。私はおもしろいと思うわ、右手を使わずに
 ごはんを食べるのも」/母が言い、そのあとはもう誰もなにも
 言わなかった。》p.19


 ●「左きき」伊集院静

(1996.10) 「左きき」伊集院静 (犯?/失踪人)
<姿を消した女の特徴は「左利き」>
――左利きの女性を探してほしいという依頼を受けた「探偵」(?)。
『昨日スケッチ』伊集院 静/著 講談社 1996/10/1

・『昨日スケッチ』伊集院 静/著 講談社文庫 1999/11/1

「左きき」 p165-170
《「この女を探してる」(略)「ハワイで知り合った。日本へ一緒に
 戻ってきたら突然、いなくなった」/「名前は?」/「ミチコ……。
 それしかわからん」/「一緒にいて、姓も聞かなかったのか」/「そう
 いう関係だった」/国谷が少し悔むように言った。/私は渡された
 写真の女の顔をじっと見た。Tシャツに短パンツというラフな恰好で、
 ベッドサイドに腰かけて女は笑っていた。特別美人というわけではない
 し、どこかに特徴がある女でもなかった。》


 ●『左利きの剣法 本所剣客長屋』押川國秋

(2009.3) 『左利きの剣法 本所剣客長屋』押川國秋 [時代小説](脇)
――敵討ちを果たすべく江戸に出てきた古井虎之助を主人公とする
 時代小説シリーズ第二作、虎之助に右腕を切り落とされて左腕一本で
 剣を振るう剣士二人が登場する。 (ホームページ『左利きを考える 
 レフティやすおの左組通信』「小説で読む左利き」2009.9.13 より)
・『左利きの剣法 本所剣客長屋』押川國秋/著 講談社文庫 2009/3/13



 ●『闇彦』阿刀田 高

(2010.7)『闇彦』阿刀田 高 [H]
『闇彦』新潮社刊
<ホラー/ファンタジー、左利きのお話し上手の血を継ぐ少女>
――海彦、山彦、闇彦という、海の神、山の神、そして夜の神。
 夜の神は、語り部の血を引く一族で、語り手の小学生時代の同級生稲子
 も、語り手もまた、同じストーリーを紡ぐ血筋の仲間だったのか……。
・『闇彦』阿刀田 高/著 新潮文庫 2013/12/24


《「ぎっちょでした。だーすけ字が書きにくくて、なんでも覚えてしまう
 んです。お話をたくさん聞かせてくれました」》p.18
《――稲子はどこへ行ったのか――/海の向こうに闇彦の島がある。
 死んだ人が行くらしい。/(略)人知を超えたあやかしの……闇彦の
 しわざかもかもしれない(略)――稲子はそこから来て、そこへ帰って
 行ったのかな――/お話がうまいのは、そのせいかもしれない。
 しばらくは心に残った。》p.24


 ●『ドリームバスター』宮部みゆき

(2011.11)『ドリームバスター』宮部みゆき [SF](ヒーロー)
<SFファンタジーの少年ヒーロー、左利きのD.Bシェン>
――悪夢から人をすくいだす、主人公の少年シェンと師匠のマエストロの
 二人のドリームバスター(D.B)の冒険物語。
・『ドリームバスター』宮部みゆき/著 山田 章博/イラスト 徳間書店
2001/11/1


《(略)話しながら彼が背中を向けたとき、細長くて少し反りのかかった
 刀を、斜めに背負っているのが見えた。(略)
 このタイプの長い刀は、鞘を払うときも、真っ直ぐには抜けない。
 自分の身体を中心に、ちょうど背負い投げをするように、
 斜めに半円を描くようにして抜くのだ。
 だから、右利きなら左肩の後ろに柄が来るように背負う。
 左利きなら右肩に背負う。少年の刀の柄は右肩に来ていた。/
 「君は左利きなんだね」/
 伸吾に問われて、腕組みして歩き回っていた少年は足を止めた。/
 「へえ……最初にそういうことを訊くD・Pは初めてだぜ」》

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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介」と題して、今回も全文転載紹介です。

2月、3月と月の半ばの号では、こういう<左利きミステリ>について書いてきました。
関心のない方には、無意味な企画かもしれません。
「左利き」のみならず、ミステリや推理小説のトリックやストーリーの一つのテーマと言いますか、モチーフとして使われる小道具の一つとして、関心を持つ方もいるのではないか、と思っています。

そういう面からだけではなく、ひいては「左利き」そのものにも関心を持っていただければ、という気持ちで続けています。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載

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