
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(まぐまぐ!)
【最新号】
第682号(Vol.21 no.5/No.682) 2025/3/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」
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第682号(Vol.21 no.5/No.682) 2025/3/15
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<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」
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2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作」
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今回も先月に引き続き、私の発行しているメルマガ
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』と
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』のコラボ企画です。
以前も何度か試みましたが、その7回目です。
【過去のコラボ】1回目から5回目までの詳細は、
↓ の第6回(前編)からご覧下さい。
■6回目――
(前編)
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第680号(Vol.21 no.3/No.680) 2025/2/15
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(前編)新規発見作紹介」
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[コラボ]<左利きミステリ>第6回海外編(前)新規発見作
-週刊ヒッキイ第680号
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(後編)
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
2025(令和6)年2月15日号(vol.18 no.2/No.382)
「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:
<左利きミステリ>第6回 海外編(後編)再発掘作紹介」
【最新号】『レフティやすおのお茶でっせ』2025.2.15
[コラボ]<左利きミステリ>第6回海外編(後)再発掘作-楽しい読書382号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2025/02/post-4c221d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ebac165aacd639b4e357741dc40953b6
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★ コラボ企画 ★
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介
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『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介
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<左利きミステリ>についてです。
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。
その後、機会ある毎に新たな情報を追加しながら、今日に至っています。
今回は、<国内編>を紹介していきます。
・・・
*<左利きミステリ>とは、
左利きの人が主要登場人物である物語や
左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
ホラー作品等の広義の「ミステリ」の総称をいう。
例
国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』
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*(新たに表示記号の追加・変更があります)
1843:新聞・雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
(フランス/中国):出版国/作品の舞台となる国―出版国と異なる場合
「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編
エミール・ガボリオ:作者名
[シャーロック・ホームズ]:登場する「名探偵」(シリーズ探偵)の名
・特記事項
[未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
[準]:<左利きミステリ>に準ずる
[外]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
[H]:ホラー [SF]:SF [F]ファンタジー
[傍]:メインのストーリーとは無縁の傍系の話
[参]:参考作品(一般小説・児童書、小説以外のノンフィクション等)
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<左利きミステリ>の登場人物・分類表
(探):左利きの探偵/探偵役
(被):左利きの被害者
(犯):左利きの犯人
(容):左利きの容疑者
(他):左利きのその他の事件関係者
(脇):脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物
([傍]メインのストーリーとは無縁の傍系の話に登場する人物)
<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。
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<左利きミステリ>:<国内編> 新規発見作紹介
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(新たに見つけた<左利きミステリ>)
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●「血の文字」黒岩涙香
(1892)「血の文字」黒岩涙香 (被)
<左利きの被害者による左手のダイイングメッセージ>
――エミール・ガボリオ「バティニョールの老人」の翻案小説。
1892(明治25)年8月刊、小説集『綾にしき』収録
・『日本探偵小説全集1 黒岩涙香・小酒井不木・甲賀三郎集』
創元推理文庫 1984/12/22

《「...あの老人が左得手(えて)で、筆を持つのは左手だと云う事を
御存じないと見えますな」》p.107
(参考) 1870 (フランス)(被)
「バティニョールの老人」エミール・ガボリオ
<左利きの被害者、左手のダイイング・メッセージ>
「ル・プチ・ジュルナル」(フランス四大日刊紙)1870年7月8日~19日連載
――自分の血で書いた犯人の名と思われるダイイング・メッセージ。
左手の指に血が付いていたので、予審判事も警察署長も、犯人が誤って
左手に血を付けて偽装したと判断し、犯人逮捕に辿り着くが……。
・『世界推理短編傑作集6』戸川安宣/編 太田浩一/訳 2022/2/19

《右手は汚れていない……べっとりと血にまみれていたのは、
左手の人差指だった。/では、老人は左手で血の文字をかいたのか……
そんなばかな……》p.36(太田浩一/訳)
《「...おまえが血に浸したのは、死体の左手だったんだよ……」》
《「ビゴローの親父はもともと左利きだったんだよ!」》p.99
●「琥珀のパイプ」甲賀三郎
1924「琥珀のパイプ」甲賀三郎 (犯)(被)
<左利きの犯人、左利きの被害者>
『新青年』1924(大正13)年6月
――3つの事件の錯綜を解くと、左利きと右利きの犯人がいたとが判明。
・『日本探偵小説全集1 黒岩涙香・小酒井不木・甲賀三郎集』
創元推理文庫 1984/12/22
《二人を殺した奴は別だと云うのです。二人とも同じ凶器でやられて
います。そうして二人とも確かに左肺をやられています。然し一人は
前からで、一人は後(うしろ)からです。(略)どれも一文字に引いて
あるのは、左から右に通っています。(略)」》
《「林檎の皮を御覧でしたか、皮は可成りつながっていましたが、左巻き
ですよ。林檎を剥いたのが左利き、襖を突いたのが右利き、女を刺した
のが左利き、然し男を殺したのは右利きです」》
●[参考]「左ぎっちょの正(まさ)ちゃん」小川未明
(1935)「左ぎっちょの正(まさ)ちゃん」小川未明 [参]児童文学
<“左ぎっちょ”の正ちゃんは、不器用!?な左利き>
昭和10年5月『小豚の旅』四条書房 収録
――箸は左、まり投げも左、でも字は右手。最初は左だったけれど、
お母さんの言葉で右に。でもお父さんは「しぜんのままに」で、
学校で字を書くときは右、お弁当や家でご飯を食べるときは左。
まりを投げるのは左で、左ピッチャー。でも“不器用”な正ちゃん。
“不器用”な例として作者は、近所の小さい子をあつめて“大将”に
なった彼が、小さい子に頼まれ、じゅず玉を作りますが、思うように
できず、待ちきれぬ子供たちは紙芝居を見に行ってしまいます。でも、
頑張って一つ作りあげた彼は、次はもっとうまく作れると思いました。
挿絵を見ますと、右手で針を持ち、じゅず玉に糸を通そうとしている
のですが、これでは“不器用”なのも仕方ない気がします。
昔のお話ですので、現代の眼で見ますと、色々と問題があると思われ
ますが、その時代の風潮、左利きへの理解度、容認度というものを知る
資料としてお読み頂きたいものです。
・『定本 小川未明童話全集10』小川 未明 講談社 1977/8/1


《正ちゃんは、左ぎっちょで、はしを持つにも左手です。まりを投げる
のにも、右手でなくて左手です。/「正ちゃんは、左ピッチャーだね。
」と、みんなにいわれました。けれど、学校のお習字は、どうしても
右手でなくてはいけませんので、お習字のときは妙な手つきをして、
筆を持ちました。最初、鉛筆も左手でしたが、字の形が変になって
しまうので、これも右手に持つ癖をつけたのです。/お母さんは、
困ってしまいました。/「はやく、右手で持つ癖をつけなければ。」
と、ご飯のときに、とりわけやかましくいわれました。すると、
お父さんが、/「左ききを無理に右ききに直すと、盲(めくら)になる
とか、頭が悪くなるとか、新聞に書いてあったよ。だから、自然のまま
にしたおいたほうがいいのじゃないか。」と、おっしゃいました。》
●「虚像」大下 宇陀児
1955(1956年)「虚像」大下 宇陀児 (容)
<左利きの犯人/左利きの容疑者/鏡のなかの動き>
『サンデー毎日』昭和30年8月7日~12月17日号連載
『虚像』大下 宇陀児/著 毎日新聞社 1956/1/1
――主人公が鏡のなかに見た、ぶきっちょな動きの犯人像の正体は……。
・『日本探偵小説全集3 大下 宇陀児 角田 喜久雄集』創元推理文庫
1985/7/26

《(略)鏡の中で見ていたのである。(略)その短刀を握る手つきが、
どうしてだか、ぶきっちょな、不自然な形に見えた。これはまことに
重大なことである。》p.198
《問題は、手だった。/釘をうつのに右の手で釘をおさえている。
だから、金槌のほうは、左の手へ握っているのであった。》p.286
《「うん、どうもね、子供の時分から、癖がついちまったのだ。生爪を
はがしたことがあって、それから左ギッチョになったのさ」(略)
「なおせって言われた。みっともないってね。だから、字を書くの
なんか右手になった。でも、ピンポンしたり、力仕事するとなると、
やっぱり左手のほうがいいんだな。(略)」》
●[参考]「左利きの独裁者――東条英機の悲劇」有馬頼義
(1971/昭和46)「左利きの独裁者――東条英機の悲劇」有馬頼義 (犯)
――<左利きゆえに、左手で持った拳銃では心臓を撃てず、右手で失敗>
(初出)『小説昭和事件史3』有馬頼義/著 三笠書房 1971/1/1
・『時代小説大全集6 小説人物日本史 昭和』新潮社/編 新潮文庫
1991/9/1

《(略)胸をあけた。そこに、墨の丸があった。東條は左利きであった。
左手に拳銃を持ち、これを自分の左の胸に向けて、ひきがねを引くこと
の困難さに、気付いたのだ。しかし、時間がなかった。東條は、思い
きって拳銃を右手に持ちかえ、ひきがねを引いた。あとのことは、
覚えていない。東條は、失敗した。その失敗は、軍人としての東條が、
過去においておかしたあやまちにくらべて、大きすぎただろうか。
問題にならないほど小さな失敗だっただろうか。》p.107
●「左利きの月」阿藤玲
(2017)「左利きの月」阿藤玲 (容)?
<恋愛ミステリ? 双子のミラー・ツインズ(兄右利きと弟左利き)の
兄弟の謎>
――去年のクリスマス・イブに告白した相手はどっちだったのか、
恋人同士風の写真の人はどっちだったのか、といった謎?を解く。
登場人物が多く、一度読んだだけでは分かりづらいところがあり、
ネタが面白いだけに、ちょっと残念な気がします。
・『お人好しの放課後 御出学園帰宅部の冒険』阿藤 玲/著
創元推理文庫 2017/8/31

《「こうして見ると、本当に鏡に映っているみたいだ。ミラーツインズ
だっけ」/朔さんは右利き、望さんは左利き、一卵性でも利き手が
異なる双子をミラーツインズという。二人は鉛筆を持つ手も、さよなら
と振る手も、左右対称にシンクロしていた。だからおれたちは、二人が
一緒に居るとき、わざと名字で呼びかけたものだ。同じタイミングで
手を振るのが見たくて。》p.111
●[参考]『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸
(2020)『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸 [参]書き方本
「第一章 そもそも「ミステリ」ってそんなもの?」
<「伏線を張るとは?」の例―「左利き」の場合>
――編集者の手になる、本格謎解きミステリ系のミステリ創作の入門書。
・『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸 新潮新書 2020/12/17

《例えば、犯人を限定する要素が「左利き」であったとする。
だとしたら、解決までの過程で、その人物が左利きである、と分かる
記述がどこかになければならない。なにも、「○×は左利きだった」と
書く必要はなく、左手で箸を使うとか、右利き用の道具を使いにくそう
にしているとか、そういったことでいい。それらは複数用意しておく。
毎回違った見え方――スプーン、筆記用具、ハサミの使い方――
にして、出現頻度に偏りが出ないよう、物語全体にバランス良く配置す
る。伏線すべてをちゃんと覚えていてくれるほど読者は親切ではない
し、そこまで記憶力も期待してはいけない。》p.19
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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」と題して、今回は全紹介です。
前回のこの記事でも書きましたが、興味の無い人には、ただのゴミ情報かもしれませんね。
しかし、左利きという性質を知っていただくために、役に立つものでもあると考えています。
その時その時の小説家の持っている、持っていた「左利き像」というものが垣間見れるのではないか、と考えています。
それが正しい情報であるかどうかは、それぞれの読者のみなさまがご判断していただければ、と思います。
これらの情報を一人でも楽しんで下さる方がいればいいかな、と思っています。
・・・
弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。
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『レフティやすおのお茶でっせ』
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
[コラボ]<左利きミステリ>第7回海外編(前)新規発見作-週刊ヒッキイ第682号
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【最新号】
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2025(令和6)年3月15日号(vol.18 no.4/No.384)
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以前も何度か試みましたが、その7回目です。
【過去のコラボ】1回目から5回目までの詳細は、
↓ の第6回(前編)からご覧下さい。
■6回目――
(前編)
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第680号(Vol.21 no.3/No.680) 2025/2/15
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(後編)
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★ コラボ企画 ★
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介
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<左利きミステリ>第7回 国内編(後編)再発掘作紹介
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<左利きミステリ>についてです。
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。
その後、機会ある毎に新たな情報を追加しながら、今日に至っています。
今回は、<国内編>を紹介していきます。
・・・
*<左利きミステリ>とは、
左利きの人が主要登場人物である物語や
左利きの性質をトリックに活用した推理小説、
左利きや左手や左右に関連した推理小説、サスペンス小説、
ホラー作品等の広義の「ミステリ」の総称をいう。
例
国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』
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1843:新聞・雑誌等初出年代 (1927):書籍刊行年代
(フランス/中国):出版国/作品の舞台となる国―出版国と異なる場合
「」:短編、長編の一章 『』:収録短編集、長編
エミール・ガボリオ:作者名
[シャーロック・ホームズ]:登場する「名探偵」(シリーズ探偵)の名
・特記事項
[未]:<左利きミステリ>にもう一歩、未成熟
[準]:<左利きミステリ>に準ずる
[外]:番外編 (左利き/左手/左右関連)
[H]:ホラー [SF]:SF [F]ファンタジー
[傍]:メインのストーリーとは無縁の傍系の話
[参]:参考作品(一般小説・児童書、小説以外のノンフィクション等)
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<左利きミステリ>の登場人物・分類表
(探):左利きの探偵/探偵役
(被):左利きの被害者
(犯):左利きの犯人
(容):左利きの容疑者
(他):左利きのその他の事件関係者
(脇):脇役、通りすがり、妄想中の左利きの人物
([傍]メインのストーリーとは無縁の傍系の話に登場する人物)
<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。
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<左利きミステリ>:<国内編> 新規発見作紹介
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(新たに見つけた<左利きミステリ>)
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●「血の文字」黒岩涙香
(1892)「血の文字」黒岩涙香 (被)
<左利きの被害者による左手のダイイングメッセージ>
――エミール・ガボリオ「バティニョールの老人」の翻案小説。
1892(明治25)年8月刊、小説集『綾にしき』収録
・『日本探偵小説全集1 黒岩涙香・小酒井不木・甲賀三郎集』
創元推理文庫 1984/12/22

《「...あの老人が左得手(えて)で、筆を持つのは左手だと云う事を
御存じないと見えますな」》p.107
(参考) 1870 (フランス)(被)
「バティニョールの老人」エミール・ガボリオ
<左利きの被害者、左手のダイイング・メッセージ>
「ル・プチ・ジュルナル」(フランス四大日刊紙)1870年7月8日~19日連載
――自分の血で書いた犯人の名と思われるダイイング・メッセージ。
左手の指に血が付いていたので、予審判事も警察署長も、犯人が誤って
左手に血を付けて偽装したと判断し、犯人逮捕に辿り着くが……。
・『世界推理短編傑作集6』戸川安宣/編 太田浩一/訳 2022/2/19

《右手は汚れていない……べっとりと血にまみれていたのは、
左手の人差指だった。/では、老人は左手で血の文字をかいたのか……
そんなばかな……》p.36(太田浩一/訳)
《「...おまえが血に浸したのは、死体の左手だったんだよ……」》
《「ビゴローの親父はもともと左利きだったんだよ!」》p.99
●「琥珀のパイプ」甲賀三郎
1924「琥珀のパイプ」甲賀三郎 (犯)(被)
<左利きの犯人、左利きの被害者>
『新青年』1924(大正13)年6月
――3つの事件の錯綜を解くと、左利きと右利きの犯人がいたとが判明。
・『日本探偵小説全集1 黒岩涙香・小酒井不木・甲賀三郎集』
創元推理文庫 1984/12/22
《二人を殺した奴は別だと云うのです。二人とも同じ凶器でやられて
います。そうして二人とも確かに左肺をやられています。然し一人は
前からで、一人は後(うしろ)からです。(略)どれも一文字に引いて
あるのは、左から右に通っています。(略)」》
《「林檎の皮を御覧でしたか、皮は可成りつながっていましたが、左巻き
ですよ。林檎を剥いたのが左利き、襖を突いたのが右利き、女を刺した
のが左利き、然し男を殺したのは右利きです」》
●[参考]「左ぎっちょの正(まさ)ちゃん」小川未明
(1935)「左ぎっちょの正(まさ)ちゃん」小川未明 [参]児童文学
<“左ぎっちょ”の正ちゃんは、不器用!?な左利き>
昭和10年5月『小豚の旅』四条書房 収録
――箸は左、まり投げも左、でも字は右手。最初は左だったけれど、
お母さんの言葉で右に。でもお父さんは「しぜんのままに」で、
学校で字を書くときは右、お弁当や家でご飯を食べるときは左。
まりを投げるのは左で、左ピッチャー。でも“不器用”な正ちゃん。
“不器用”な例として作者は、近所の小さい子をあつめて“大将”に
なった彼が、小さい子に頼まれ、じゅず玉を作りますが、思うように
できず、待ちきれぬ子供たちは紙芝居を見に行ってしまいます。でも、
頑張って一つ作りあげた彼は、次はもっとうまく作れると思いました。
挿絵を見ますと、右手で針を持ち、じゅず玉に糸を通そうとしている
のですが、これでは“不器用”なのも仕方ない気がします。
昔のお話ですので、現代の眼で見ますと、色々と問題があると思われ
ますが、その時代の風潮、左利きへの理解度、容認度というものを知る
資料としてお読み頂きたいものです。
・『定本 小川未明童話全集10』小川 未明 講談社 1977/8/1


《正ちゃんは、左ぎっちょで、はしを持つにも左手です。まりを投げる
のにも、右手でなくて左手です。/「正ちゃんは、左ピッチャーだね。
」と、みんなにいわれました。けれど、学校のお習字は、どうしても
右手でなくてはいけませんので、お習字のときは妙な手つきをして、
筆を持ちました。最初、鉛筆も左手でしたが、字の形が変になって
しまうので、これも右手に持つ癖をつけたのです。/お母さんは、
困ってしまいました。/「はやく、右手で持つ癖をつけなければ。」
と、ご飯のときに、とりわけやかましくいわれました。すると、
お父さんが、/「左ききを無理に右ききに直すと、盲(めくら)になる
とか、頭が悪くなるとか、新聞に書いてあったよ。だから、自然のまま
にしたおいたほうがいいのじゃないか。」と、おっしゃいました。》
●「虚像」大下 宇陀児
1955(1956年)「虚像」大下 宇陀児 (容)
<左利きの犯人/左利きの容疑者/鏡のなかの動き>
『サンデー毎日』昭和30年8月7日~12月17日号連載
『虚像』大下 宇陀児/著 毎日新聞社 1956/1/1
――主人公が鏡のなかに見た、ぶきっちょな動きの犯人像の正体は……。
・『日本探偵小説全集3 大下 宇陀児 角田 喜久雄集』創元推理文庫
1985/7/26

《(略)鏡の中で見ていたのである。(略)その短刀を握る手つきが、
どうしてだか、ぶきっちょな、不自然な形に見えた。これはまことに
重大なことである。》p.198
《問題は、手だった。/釘をうつのに右の手で釘をおさえている。
だから、金槌のほうは、左の手へ握っているのであった。》p.286
《「うん、どうもね、子供の時分から、癖がついちまったのだ。生爪を
はがしたことがあって、それから左ギッチョになったのさ」(略)
「なおせって言われた。みっともないってね。だから、字を書くの
なんか右手になった。でも、ピンポンしたり、力仕事するとなると、
やっぱり左手のほうがいいんだな。(略)」》
●[参考]「左利きの独裁者――東条英機の悲劇」有馬頼義
(1971/昭和46)「左利きの独裁者――東条英機の悲劇」有馬頼義 (犯)
――<左利きゆえに、左手で持った拳銃では心臓を撃てず、右手で失敗>
(初出)『小説昭和事件史3』有馬頼義/著 三笠書房 1971/1/1
・『時代小説大全集6 小説人物日本史 昭和』新潮社/編 新潮文庫
1991/9/1

《(略)胸をあけた。そこに、墨の丸があった。東條は左利きであった。
左手に拳銃を持ち、これを自分の左の胸に向けて、ひきがねを引くこと
の困難さに、気付いたのだ。しかし、時間がなかった。東條は、思い
きって拳銃を右手に持ちかえ、ひきがねを引いた。あとのことは、
覚えていない。東條は、失敗した。その失敗は、軍人としての東條が、
過去においておかしたあやまちにくらべて、大きすぎただろうか。
問題にならないほど小さな失敗だっただろうか。》p.107
●「左利きの月」阿藤玲
(2017)「左利きの月」阿藤玲 (容)?
<恋愛ミステリ? 双子のミラー・ツインズ(兄右利きと弟左利き)の
兄弟の謎>
――去年のクリスマス・イブに告白した相手はどっちだったのか、
恋人同士風の写真の人はどっちだったのか、といった謎?を解く。
登場人物が多く、一度読んだだけでは分かりづらいところがあり、
ネタが面白いだけに、ちょっと残念な気がします。
・『お人好しの放課後 御出学園帰宅部の冒険』阿藤 玲/著
創元推理文庫 2017/8/31

《「こうして見ると、本当に鏡に映っているみたいだ。ミラーツインズ
だっけ」/朔さんは右利き、望さんは左利き、一卵性でも利き手が
異なる双子をミラーツインズという。二人は鉛筆を持つ手も、さよなら
と振る手も、左右対称にシンクロしていた。だからおれたちは、二人が
一緒に居るとき、わざと名字で呼びかけたものだ。同じタイミングで
手を振るのが見たくて。》p.111
●[参考]『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸
(2020)『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸 [参]書き方本
「第一章 そもそも「ミステリ」ってそんなもの?」
<「伏線を張るとは?」の例―「左利き」の場合>
――編集者の手になる、本格謎解きミステリ系のミステリ創作の入門書。
・『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸 新潮新書 2020/12/17

《例えば、犯人を限定する要素が「左利き」であったとする。
だとしたら、解決までの過程で、その人物が左利きである、と分かる
記述がどこかになければならない。なにも、「○×は左利きだった」と
書く必要はなく、左手で箸を使うとか、右利き用の道具を使いにくそう
にしているとか、そういったことでいい。それらは複数用意しておく。
毎回違った見え方――スプーン、筆記用具、ハサミの使い方――
にして、出現頻度に偏りが出ないよう、物語全体にバランス良く配置す
る。伏線すべてをちゃんと覚えていてくれるほど読者は親切ではない
し、そこまで記憶力も期待してはいけない。》p.19
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本誌では、「週刊ヒッキイhikkii×楽しい読書 コラボ企画:<左利きミステリ>第7回 国内編(前編)新規発見作紹介」と題して、今回は全紹介です。
前回のこの記事でも書きましたが、興味の無い人には、ただのゴミ情報かもしれませんね。
しかし、左利きという性質を知っていただくために、役に立つものでもあると考えています。
その時その時の小説家の持っている、持っていた「左利き像」というものが垣間見れるのではないか、と考えています。
それが正しい情報であるかどうかは、それぞれの読者のみなさまがご判断していただければ、と思います。
これらの情報を一人でも楽しんで下さる方がいればいいかな、と思っています。
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
[コラボ]<左利きミステリ>第7回海外編(前)新規発見作-週刊ヒッキイ第682号
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