古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】
2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨年9月から10月、11月、12月と、今年5月の
読書習慣を持つ人の減少、および町の本屋さんの減少に関して、
読書について、本という文化について、
そしてその発信源としての書店の存在と、
私なりに考えた出版業界、書店の改革について書いてきました。
今回は、その6回目となります。
特に、筋道通した議論を続けてきたわけではなく、
その都度思うところを書いてみただけですので、重複もあれば、
前後つじつまの合わない部分もあったかも知れません。
あくまでも元「本屋の兄ちゃん」として、一読書家としての、
私見にすぎません。
適当に読み飛ばしていただければ、と思います。
【過去5回の<私の「町の本屋」論>】
2023(令和5)年9月15日号(No.350)
「私の読書論174-消えゆく書店と紙の本」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.15
私の読書論174-消えゆく書店と紙の本-楽しい読書350号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-f7ab5e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a65f07da56cc868147fbd49d01c3c4bf
●朝日新聞の記事「本屋ない市町村、全国で26%~」
●再販制度――定価販売による価格保証
●書店経営が厳しい背景の要因―雑誌の売り上げの急減
●ネット書店で本を買う人の増加
●リアル書店での「偶然の出会い」
●リアル書店の生き残りについて――「コンビニ+本屋」
●ベストセラーではなく、ロングセラーを!
●本屋はそのまちの文化のバロメーター
一番大事なことは、本屋さんというのは、
その町の文化を代表する存在の一つだ、ということです。
もちろん文化施設としては、
公立や私立の図書館とか美術館とか博物館などもあります。
あるいは学校――小・中・高校、大学、専門学校などの教育施設などが
あります。
しかし、最も身近な文化施設として、私が思うところは、
やはり町の本屋さんなのです。
これは私の経験からの意見です。
本屋さんに出入りするようになり、私の世界が広がったのです。
今の私につながるような変化を生みました。
それが文化というものでしょう。
本の世界には、文字通り世界のすべてが包含されています。
未知なる世界への入口になるのです。
日常的な生活だけでは、絶対ふれ得ないような世界の広さです。
それが本屋さんというものだと私は思っています。
もちろん、昔でいえば映画やラジオやテレビもそういうものでした。
しかし、それらは自分の手元に置いておくことができにくいものでした。
紙の本なら、それが可能でした。
広い世界へつながる入口――それが本屋さんであり、
文化へ続く道だったのです。
--
2023(令和5)年10月15日号(No.352)
「私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.15
私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと-楽しい読書352号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-d8d8ec.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7b9a38985fcfd574650e4c54eba355c1
前回に引き続き、本と本屋の世界といいますか、業界について、
「元本屋の兄ちゃん」として、本好き・読書好きの人間として、
私なりに考えていることを書いてみようと思います。
前回は、朝日新聞の記事「本屋ない市町村、全国で26%~」を基に、
書店が生き残る方法など、私なりの考えを書きました。
再販制度をやめよとか、雑誌販売についてとか、
書店の選書について等々。
今回はその続きで、出版業界における改革について、
私なりの案を書いてみましょう。
●日本の本は安い!?
●本の値段を上げてみれば?
●本の価格を1.5倍に
●より良い本作りが可能に
●「軽い」本は電子版で
●「良い本」を作れる環境を!
まとめ的にいいますと、
現状ではまず本の値段を上げてそれぞれの取り分を増やす。
そうして、著者・出版社の「良い本」を作れる環境を整え、
書店がそれらの「良い本」をじっくり時間をかけて売れる状況にする。
――というところでしょうか。
--
2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.11.15
私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと
-楽しい読書354号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-7462e0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d498bde194e54d8e97a5d018d683f607
●月0冊が半数
●系統だった情報を入手する方法としては本が上では?
●「読書週間」と読書習慣
●「本を読むから偉い」のでなく「本を読んだから偉くなれた」
●「読む時間が確保できない」
●「読みたい本がない」について
●書店の新形態――無人の店舗、コンビニ併設
●本屋さんの生き残りに期待
とにかく、本屋さんがなくなるというのが一番の悲劇だと思っています。
何らかの形で残って欲しい、という強い願望があります。
ふらりと入った本屋さんであれこれ見ることで、
「あっ、こんな本が出てる!」という偶然の出会いがあります。
それが本好きにとっての一番の至福の時間かもしれません。
私は、本屋さんにいるときが一番楽しい時です。
図書館も楽しみですが、本屋さんの方が、より新しい顔を見られる、
という点で楽しみが大です。
今の私があるのは、ひとえに本屋さんあればこそ、と思っています。
私の人生の一番の友、それが本で、その友との出会いの場が本屋さん、
なんです。
(略)
私は、書店・本屋さんは、地域の文化の担い手だと考えています。
がんばれ本屋さん!
--
2023(令和5)年12月15日号(No.356)
「私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』から」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.12.15
私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』-楽しい読書356号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-bf19e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79bec3e02805048065d5ea41387e2c55
(今回の参考書)
『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ X-Knowledge 2022/12/29
●現物の魅力
本屋さんの魅力といいますと、なによりも、
<思いがけない本との出会いがある>という点でしょう。
欲しい本を買うだけなら、ネットで十分です。
在庫があれば、Amazonなどではホントにすぐに送ってきてくれます。
でも、自分が欲しい本が必ずしも、選んだ本だった、とは限りません。
色々な情報を手にしたうえで吟味して選んだつもりでも、
ホントに自分に合ったものかどうかは、
実際に手に取って読んでみなければ分からないものです。
その点、本屋さんではある程度立ち読みで現物を確認する事もできます。
内容だけではなく、実際の“もの”としての魅力という側面もあり、
自分で納得のいくものに出会えるという点では、
リアルの世界の持つ力は、捨てがたいものがあります。
本屋さんで本を探していると、予定していた本以外にも、
もっと適切な本が見つかることがあります。
さらに、考えてもいなかった本と出会うこともあります。
自分の中にそんな欲望があったのか、と思うような、
異なるジャンルの本との出会いも。
●本屋さん開業の夢
●『美しい本屋さんの間取り』主な目次
●間取りの図版が楽しい
●1章 設え方 来店者を増やす
●2章 見せ方 美しく本を見せる
●3章 基本 知っておきたい基礎知識
●本書が見せてくれる自分の本屋さんの夢
--
2024(令和6)年5月15日号(vol.17 no.5/No.366)
「私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.15
私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん-楽しい読書366号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-5a5bc2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8a1d7f9a2989edbd174487963269b52b
●「多様な本屋があればこそ 書店減少と読書文化を考える」
産経新聞2024/4/30の山上 直子さんの
「一筆多論/多様な本屋があればこそ 書店減少と読書文化を考える」
https://www.sankei.com/article/20240430-3WZGEHWNPVPEHJSDN4I2J4ITXU/
《思わぬ本に出会って人生が変わることもある。
これまで、その舞台となってきたのが「街の本屋さん」だった。》
《近年、個性的な書店が増えている。
規模も取り組みもさまざまだが、従来の経営モデルでは
もう通用しないという裏返しでもあるだろう。》
●私の“町の本屋さん”の生き残り法
(1) 現状の出版販売制度を維持したままでならば、本の価格を引き上げ、
その値上げ分を著者を含めた出版社、取次、書店で分配する方法。
これにより利益率を改善する。
(2) 根本的に販売制度を変え、再版制度をやめて、
書店の自由販売に変える。
他の商品などと同じように、自主的に仕入れて、自由に価格を設定、
販売する。
●文化の発信地としての書店の役割
書店の役割として、地域の文化の創造基盤としての存在、
というものがあると思います。
●がんばれ! 町の本屋さん
紙の本による、
三次元で肉体と精神の両方を駆使して行う知的活動こそが読書だ、
と考える人もいます。
特に子供さんなどは、手に取って触って見て、五感で理解するのです。
ものとしての本の役割は、非常に大きなものがあります。
--
以上、過去の5回の<私の「町の本屋」論>の概要とまとめでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
- 私の読書論188 -
~ がんばれ!町の本屋さん <私の「町の本屋」論>6 ~
産経新聞8/12朝刊の記事「書店主導「売れる本」売る改革」より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●新聞記事から――書店主導「売れる本」売る改革
2024(令和6)年8月12日の産経新聞朝刊に、
《書店主導「売れる本」売る改革/
直接仕入れ 取り分増・返品率は減へ》
という見出しの記事が出ていました。
*ネット版 2024/8/11 21:45《書店主導で「売れる本」を売る
返品減らし利益高める改革に着手》
https://www.sankei.com/article/20240811-H3U5U7CNWBKN3LHCGBKBTZM6I4/
段落毎に見出しを付けている、
ネット記事を参考に内容を簡単に紹介しますと――
出版科学研究所によりますと、
《少子高齢化やインターネットの普及などの影響》で、
紙の出版物(書籍と雑誌)の推定販売額が
ピーク時の1996(平成8)年の2兆6564億円から
昨年2023(令和5)年は1兆612億円と4割以下に落ち込んでいる、
といいます。
《電子コミックの販売額が伸びる一方で、
紙の雑誌の落ち込みが目立ち書店の経営難に拍車をかけている。》
その苦境下、《既存の流通システムが曲がり角を迎えつつある中》、
《街中の書店を残すため》の書店主導の改革が進められている、
という内容の記事です。
●「売れる本」って?
「売り上げ前年比2割増」――
紀伊国屋書店と
蔦屋書店などを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、
出版取次大手の日本出版販売(日販)の3社が昨年設立した合弁会社
「ブックセラーズ&カンパニー」では、
《出版社と直接仕入れ数や価格を交渉し「売れる本」を多く仕入れる。
参加書店は返品時の物流費を負担するが、取り分も増える仕組みだ。》
《「売れる本」を多く仕入れる》というのですが、
この「売れる本」というのが曲者です。
私が本屋さんで働いていた頃で、年間2万4千点程度
(だったかと記憶しています)の新刊本が出版されていました。
これだけでも、町の本屋さんが扱える規模を越える点数だ、
と感じていたものでした。
もちろんそのすべてが入荷するわけではありません。
そのうちのほんの十分の一か、そこらだったのでしょう
(あるいは、もっと少なかったのかも知れません)。
今では年間8万点を超える、といわれて久しいものです。
そのうち本当に「売れた」といえる本など、ほんの一握りです。
それをどのように仕入れるかというのは、かなり難しい選択です。
もちろん、ある程度「売れる」作家さんという人もいらっしゃいますし、
こういうジャンルの本なら、この程度は売れる、
というデータもあるでしょう。
例えば、時代小説作家の佐伯泰英さんなども
人気シリーズをいくつもお持ちですし、
推理作家の東野圭吾さんも、新作は確実にある程度売れる作家さんです。
そういった人は幾人もいらっしゃいます。
大手の有力書店さんなら、そういった具体的なデータも資料も
十分お持ちのことでしょう。
これらの本を重点的に大量に仕入れる代わりに仕入れ価格を抑え、
さらに返品を減らして、効率よく販売して売上を上げる。
理屈としては成り立ちますが、切り札になるのでしょうか。
扱う商品点数が多いので、個別に価格交渉するといっても、
なかなか大変で、いかにデータを駆使しても、
新規の本は“読み”きれないでしょう?
●紙の雑誌・コミックの売上減少
「目立つ紙の雑誌落ち込み」――
《電子コミックの販売額が伸びる一方で、
紙の雑誌の落ち込みが目立ち書店の経営難に拍車》
とのこと。
私の本屋さん時代でも、コンビニが登場し「雑誌の売上が落ちた」
といわれたものでした。
当時、雑誌と書籍の売上額は、半々ぐらいの感じでした。
当時、書店にとって、売上の大きなパーセンテージを占めていたのが、
雑誌とコミックでした。
活字離れといわれるなかで健闘していたのが、コミック販売でした。
今では、雑誌は電子版が増え、紙の雑誌が廃刊されることも多く、
コミックも電子版に移行しているようで、
書店にとって減益の大きな要素でしょう。
●近隣書店の在庫横断検索システム
「街の本屋、ネット書店と同じ土俵に」――
《ネットから地域の書店へ客を誘導する試み》
として、参加する出版社の公式サイトなどで、
ユーザーの位置情報から近隣書店の在庫を確認し、
お客さんを誘導するための、
《「書店在庫の横断検索システム」》
の実証実験が6月に始まった、といいます。
私が働いていた町の本屋さんは、隣の駅前に本店がある支店の方でした。
お客様の希望の本がこちらにない場合、
ただ「ない」と答えるのではなく、
もし本店に在庫があれば翌日にはこちらで、
お客様ご自身が取りに行かれるのなら、その日でも購入可能です、
と答えるシステムでした。
その上で、お客様が望まれれば、本店に確認の電話を入れる
という形でした。
もちろん、即座に断られるケースもありましたが、
こういう形で販売できることも結構ありました。
最近では、私自身、大手書店のネットで在庫を確認して買いに行く、
ということもありました。
左利き関係の本など発行部数の限られた、一般向けでない本の場合、
一般書店で置いていないケースもあり、そういうこともしました。
「元本屋の兄ちゃん」という経歴でもあり、
できる限りリアル店舗で買いたい、という思いがあります。
ホントは、地元のいつも行く書店に注文するのがベストなのですが、
早く欲しいという気持ちがある場合は、仕方なくAmazonや、
こういう形で購入することが増えています。
そういう意味では、この近隣の書店で在庫確認し購入できるという形は、
有効だと思っています。
●自主仕入れと責任販売
最終的に私が思うのは、やはり現状の再販制度、委託販売制度の
制度疲労をどうにかする、ということです。
中小書店の場合、現状の制度改革は難しいとは思いますが、
本も一般の商品と同じで、
もう今までのやり方では売れない時代になっています。
専門店化と複合店化で生き残るしかない、と考えています。
専門店として高付加価値の希少商品を中心に本を扱うか、
一般商品との併売で、店舗を「本も売っています」化するしかない、
と思っています。
一番の急所は、自主仕入れと責任販売で、
出版社なり取次なりと価格交渉を進めて、
売上の取り分を上げていくしかない、と思われます。
●電子版も売る店?
もう一つの方法として、店舗で紙の本だけでなく、
電子版も売れるようにする、という行き方もあるかもしれません。
店舗でダウンロードするやり方はあまり未来はないかも知れません。
わざわざ出かけていくのは、必然性があまり感じられませんから。
しかし、
店舗で注文すると何か「キーワード」のようなものが与えられ、
それをネットで打ち込むと割引が受けられるとか、
店舗の方には、その売上の何パーセントかがバックされる、
というような販売法もあっていいかもしれません。
紙の本では、歴史に残るような価値ある本を出し、
電子版は、もっと広く、一過性の人気本のほか、
とにかく「売れそうな本」をあれこれ打ってみるというやり方が、
これからの出版の行き方ではないか、と考えています。
そうでもしないと、紙の本を扱う書店の規模は限られていますし、
資源的にも無駄にならないためには、そういう方法が必要でしょう。
●がんばれ、「紙の本」と「町の本屋さん」!
記事の最後には、
《経済産業省も書店振興プロジェクトチームを設置し支援策の検討》
とあります。
とにかく、町の本屋さんというものは、地元の文化の発信の一つで、
世界への入口でもあります。
これ以上衰退しないことを切に願っています。
先にも書きましたように、書店業は、
私が<本屋の兄ちゃん>時代にも、少しずつ衰退の兆しはありました。
しかし、ここまで早くダメになるとは考えてもいませんでした。
私の人生の楽しみがこんなに早く風前の灯火となるとは!
少なくとも自分の生きているうちは、大丈夫だろうと思っていました。
電子版もあるとはいうものの、やはり印刷のインクの匂いとか、
紙の手触りとか、本自体の重さとか、逆に薄い本の軽さとか、
物理的な体感を伴う、紙の本の存在感というのは、
捨てがたいものがあります。
がんばれ、「紙の本」と「町の本屋さん」!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本誌では、「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」と題して、今回も全文転載紹介です。
本誌では分量的に長くなってしまい省略しました、【過去5回の<私の「町の本屋」論>】の概要とまとめを、こちらではそのまま掲載しています。
他には特にいうことはありません。
<元本屋の兄ちゃん>としての書店に関する個人的な意見です。
「なんとか生き残ってくれ」という私の願いは読者の皆様に届いたか、と思います。
・・・
*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』
『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ
--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より-楽しい読書373
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【別冊 編集後記】
2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨年9月から10月、11月、12月と、今年5月の
読書習慣を持つ人の減少、および町の本屋さんの減少に関して、
読書について、本という文化について、
そしてその発信源としての書店の存在と、
私なりに考えた出版業界、書店の改革について書いてきました。
今回は、その6回目となります。
特に、筋道通した議論を続けてきたわけではなく、
その都度思うところを書いてみただけですので、重複もあれば、
前後つじつまの合わない部分もあったかも知れません。
あくまでも元「本屋の兄ちゃん」として、一読書家としての、
私見にすぎません。
適当に読み飛ばしていただければ、と思います。
【過去5回の<私の「町の本屋」論>】
2023(令和5)年9月15日号(No.350)
「私の読書論174-消えゆく書店と紙の本」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.15
私の読書論174-消えゆく書店と紙の本-楽しい読書350号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-f7ab5e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a65f07da56cc868147fbd49d01c3c4bf
●朝日新聞の記事「本屋ない市町村、全国で26%~」
●再販制度――定価販売による価格保証
●書店経営が厳しい背景の要因―雑誌の売り上げの急減
●ネット書店で本を買う人の増加
●リアル書店での「偶然の出会い」
●リアル書店の生き残りについて――「コンビニ+本屋」
●ベストセラーではなく、ロングセラーを!
●本屋はそのまちの文化のバロメーター
一番大事なことは、本屋さんというのは、
その町の文化を代表する存在の一つだ、ということです。
もちろん文化施設としては、
公立や私立の図書館とか美術館とか博物館などもあります。
あるいは学校――小・中・高校、大学、専門学校などの教育施設などが
あります。
しかし、最も身近な文化施設として、私が思うところは、
やはり町の本屋さんなのです。
これは私の経験からの意見です。
本屋さんに出入りするようになり、私の世界が広がったのです。
今の私につながるような変化を生みました。
それが文化というものでしょう。
本の世界には、文字通り世界のすべてが包含されています。
未知なる世界への入口になるのです。
日常的な生活だけでは、絶対ふれ得ないような世界の広さです。
それが本屋さんというものだと私は思っています。
もちろん、昔でいえば映画やラジオやテレビもそういうものでした。
しかし、それらは自分の手元に置いておくことができにくいものでした。
紙の本なら、それが可能でした。
広い世界へつながる入口――それが本屋さんであり、
文化へ続く道だったのです。
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2023(令和5)年10月15日号(No.352)
「私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.15
私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと-楽しい読書352号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-d8d8ec.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7b9a38985fcfd574650e4c54eba355c1
前回に引き続き、本と本屋の世界といいますか、業界について、
「元本屋の兄ちゃん」として、本好き・読書好きの人間として、
私なりに考えていることを書いてみようと思います。
前回は、朝日新聞の記事「本屋ない市町村、全国で26%~」を基に、
書店が生き残る方法など、私なりの考えを書きました。
再販制度をやめよとか、雑誌販売についてとか、
書店の選書について等々。
今回はその続きで、出版業界における改革について、
私なりの案を書いてみましょう。
●日本の本は安い!?
●本の値段を上げてみれば?
●本の価格を1.5倍に
●より良い本作りが可能に
●「軽い」本は電子版で
●「良い本」を作れる環境を!
まとめ的にいいますと、
現状ではまず本の値段を上げてそれぞれの取り分を増やす。
そうして、著者・出版社の「良い本」を作れる環境を整え、
書店がそれらの「良い本」をじっくり時間をかけて売れる状況にする。
――というところでしょうか。
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2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.11.15
私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと
-楽しい読書354号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-7462e0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d498bde194e54d8e97a5d018d683f607
●月0冊が半数
●系統だった情報を入手する方法としては本が上では?
●「読書週間」と読書習慣
●「本を読むから偉い」のでなく「本を読んだから偉くなれた」
●「読む時間が確保できない」
●「読みたい本がない」について
●書店の新形態――無人の店舗、コンビニ併設
●本屋さんの生き残りに期待
とにかく、本屋さんがなくなるというのが一番の悲劇だと思っています。
何らかの形で残って欲しい、という強い願望があります。
ふらりと入った本屋さんであれこれ見ることで、
「あっ、こんな本が出てる!」という偶然の出会いがあります。
それが本好きにとっての一番の至福の時間かもしれません。
私は、本屋さんにいるときが一番楽しい時です。
図書館も楽しみですが、本屋さんの方が、より新しい顔を見られる、
という点で楽しみが大です。
今の私があるのは、ひとえに本屋さんあればこそ、と思っています。
私の人生の一番の友、それが本で、その友との出会いの場が本屋さん、
なんです。
(略)
私は、書店・本屋さんは、地域の文化の担い手だと考えています。
がんばれ本屋さん!
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2023(令和5)年12月15日号(No.356)
「私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』から」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.12.15
私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』-楽しい読書356号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-bf19e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79bec3e02805048065d5ea41387e2c55
(今回の参考書)
『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ X-Knowledge 2022/12/29
●現物の魅力
本屋さんの魅力といいますと、なによりも、
<思いがけない本との出会いがある>という点でしょう。
欲しい本を買うだけなら、ネットで十分です。
在庫があれば、Amazonなどではホントにすぐに送ってきてくれます。
でも、自分が欲しい本が必ずしも、選んだ本だった、とは限りません。
色々な情報を手にしたうえで吟味して選んだつもりでも、
ホントに自分に合ったものかどうかは、
実際に手に取って読んでみなければ分からないものです。
その点、本屋さんではある程度立ち読みで現物を確認する事もできます。
内容だけではなく、実際の“もの”としての魅力という側面もあり、
自分で納得のいくものに出会えるという点では、
リアルの世界の持つ力は、捨てがたいものがあります。
本屋さんで本を探していると、予定していた本以外にも、
もっと適切な本が見つかることがあります。
さらに、考えてもいなかった本と出会うこともあります。
自分の中にそんな欲望があったのか、と思うような、
異なるジャンルの本との出会いも。
●本屋さん開業の夢
●『美しい本屋さんの間取り』主な目次
●間取りの図版が楽しい
●1章 設え方 来店者を増やす
●2章 見せ方 美しく本を見せる
●3章 基本 知っておきたい基礎知識
●本書が見せてくれる自分の本屋さんの夢
--
2024(令和6)年5月15日号(vol.17 no.5/No.366)
「私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.15
私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん-楽しい読書366号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-5a5bc2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8a1d7f9a2989edbd174487963269b52b
●「多様な本屋があればこそ 書店減少と読書文化を考える」
産経新聞2024/4/30の山上 直子さんの
「一筆多論/多様な本屋があればこそ 書店減少と読書文化を考える」
https://www.sankei.com/article/20240430-3WZGEHWNPVPEHJSDN4I2J4ITXU/
《思わぬ本に出会って人生が変わることもある。
これまで、その舞台となってきたのが「街の本屋さん」だった。》
《近年、個性的な書店が増えている。
規模も取り組みもさまざまだが、従来の経営モデルでは
もう通用しないという裏返しでもあるだろう。》
●私の“町の本屋さん”の生き残り法
(1) 現状の出版販売制度を維持したままでならば、本の価格を引き上げ、
その値上げ分を著者を含めた出版社、取次、書店で分配する方法。
これにより利益率を改善する。
(2) 根本的に販売制度を変え、再版制度をやめて、
書店の自由販売に変える。
他の商品などと同じように、自主的に仕入れて、自由に価格を設定、
販売する。
●文化の発信地としての書店の役割
書店の役割として、地域の文化の創造基盤としての存在、
というものがあると思います。
●がんばれ! 町の本屋さん
紙の本による、
三次元で肉体と精神の両方を駆使して行う知的活動こそが読書だ、
と考える人もいます。
特に子供さんなどは、手に取って触って見て、五感で理解するのです。
ものとしての本の役割は、非常に大きなものがあります。
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以上、過去の5回の<私の「町の本屋」論>の概要とまとめでした。
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- 私の読書論188 -
~ がんばれ!町の本屋さん <私の「町の本屋」論>6 ~
産経新聞8/12朝刊の記事「書店主導「売れる本」売る改革」より
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●新聞記事から――書店主導「売れる本」売る改革
2024(令和6)年8月12日の産経新聞朝刊に、
《書店主導「売れる本」売る改革/
直接仕入れ 取り分増・返品率は減へ》
という見出しの記事が出ていました。
*ネット版 2024/8/11 21:45《書店主導で「売れる本」を売る
返品減らし利益高める改革に着手》
https://www.sankei.com/article/20240811-H3U5U7CNWBKN3LHCGBKBTZM6I4/
段落毎に見出しを付けている、
ネット記事を参考に内容を簡単に紹介しますと――
出版科学研究所によりますと、
《少子高齢化やインターネットの普及などの影響》で、
紙の出版物(書籍と雑誌)の推定販売額が
ピーク時の1996(平成8)年の2兆6564億円から
昨年2023(令和5)年は1兆612億円と4割以下に落ち込んでいる、
といいます。
《電子コミックの販売額が伸びる一方で、
紙の雑誌の落ち込みが目立ち書店の経営難に拍車をかけている。》
その苦境下、《既存の流通システムが曲がり角を迎えつつある中》、
《街中の書店を残すため》の書店主導の改革が進められている、
という内容の記事です。
●「売れる本」って?
「売り上げ前年比2割増」――
紀伊国屋書店と
蔦屋書店などを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、
出版取次大手の日本出版販売(日販)の3社が昨年設立した合弁会社
「ブックセラーズ&カンパニー」では、
《出版社と直接仕入れ数や価格を交渉し「売れる本」を多く仕入れる。
参加書店は返品時の物流費を負担するが、取り分も増える仕組みだ。》
《「売れる本」を多く仕入れる》というのですが、
この「売れる本」というのが曲者です。
私が本屋さんで働いていた頃で、年間2万4千点程度
(だったかと記憶しています)の新刊本が出版されていました。
これだけでも、町の本屋さんが扱える規模を越える点数だ、
と感じていたものでした。
もちろんそのすべてが入荷するわけではありません。
そのうちのほんの十分の一か、そこらだったのでしょう
(あるいは、もっと少なかったのかも知れません)。
今では年間8万点を超える、といわれて久しいものです。
そのうち本当に「売れた」といえる本など、ほんの一握りです。
それをどのように仕入れるかというのは、かなり難しい選択です。
もちろん、ある程度「売れる」作家さんという人もいらっしゃいますし、
こういうジャンルの本なら、この程度は売れる、
というデータもあるでしょう。
例えば、時代小説作家の佐伯泰英さんなども
人気シリーズをいくつもお持ちですし、
推理作家の東野圭吾さんも、新作は確実にある程度売れる作家さんです。
そういった人は幾人もいらっしゃいます。
大手の有力書店さんなら、そういった具体的なデータも資料も
十分お持ちのことでしょう。
これらの本を重点的に大量に仕入れる代わりに仕入れ価格を抑え、
さらに返品を減らして、効率よく販売して売上を上げる。
理屈としては成り立ちますが、切り札になるのでしょうか。
扱う商品点数が多いので、個別に価格交渉するといっても、
なかなか大変で、いかにデータを駆使しても、
新規の本は“読み”きれないでしょう?
●紙の雑誌・コミックの売上減少
「目立つ紙の雑誌落ち込み」――
《電子コミックの販売額が伸びる一方で、
紙の雑誌の落ち込みが目立ち書店の経営難に拍車》
とのこと。
私の本屋さん時代でも、コンビニが登場し「雑誌の売上が落ちた」
といわれたものでした。
当時、雑誌と書籍の売上額は、半々ぐらいの感じでした。
当時、書店にとって、売上の大きなパーセンテージを占めていたのが、
雑誌とコミックでした。
活字離れといわれるなかで健闘していたのが、コミック販売でした。
今では、雑誌は電子版が増え、紙の雑誌が廃刊されることも多く、
コミックも電子版に移行しているようで、
書店にとって減益の大きな要素でしょう。
●近隣書店の在庫横断検索システム
「街の本屋、ネット書店と同じ土俵に」――
《ネットから地域の書店へ客を誘導する試み》
として、参加する出版社の公式サイトなどで、
ユーザーの位置情報から近隣書店の在庫を確認し、
お客さんを誘導するための、
《「書店在庫の横断検索システム」》
の実証実験が6月に始まった、といいます。
私が働いていた町の本屋さんは、隣の駅前に本店がある支店の方でした。
お客様の希望の本がこちらにない場合、
ただ「ない」と答えるのではなく、
もし本店に在庫があれば翌日にはこちらで、
お客様ご自身が取りに行かれるのなら、その日でも購入可能です、
と答えるシステムでした。
その上で、お客様が望まれれば、本店に確認の電話を入れる
という形でした。
もちろん、即座に断られるケースもありましたが、
こういう形で販売できることも結構ありました。
最近では、私自身、大手書店のネットで在庫を確認して買いに行く、
ということもありました。
左利き関係の本など発行部数の限られた、一般向けでない本の場合、
一般書店で置いていないケースもあり、そういうこともしました。
「元本屋の兄ちゃん」という経歴でもあり、
できる限りリアル店舗で買いたい、という思いがあります。
ホントは、地元のいつも行く書店に注文するのがベストなのですが、
早く欲しいという気持ちがある場合は、仕方なくAmazonや、
こういう形で購入することが増えています。
そういう意味では、この近隣の書店で在庫確認し購入できるという形は、
有効だと思っています。
●自主仕入れと責任販売
最終的に私が思うのは、やはり現状の再販制度、委託販売制度の
制度疲労をどうにかする、ということです。
中小書店の場合、現状の制度改革は難しいとは思いますが、
本も一般の商品と同じで、
もう今までのやり方では売れない時代になっています。
専門店化と複合店化で生き残るしかない、と考えています。
専門店として高付加価値の希少商品を中心に本を扱うか、
一般商品との併売で、店舗を「本も売っています」化するしかない、
と思っています。
一番の急所は、自主仕入れと責任販売で、
出版社なり取次なりと価格交渉を進めて、
売上の取り分を上げていくしかない、と思われます。
●電子版も売る店?
もう一つの方法として、店舗で紙の本だけでなく、
電子版も売れるようにする、という行き方もあるかもしれません。
店舗でダウンロードするやり方はあまり未来はないかも知れません。
わざわざ出かけていくのは、必然性があまり感じられませんから。
しかし、
店舗で注文すると何か「キーワード」のようなものが与えられ、
それをネットで打ち込むと割引が受けられるとか、
店舗の方には、その売上の何パーセントかがバックされる、
というような販売法もあっていいかもしれません。
紙の本では、歴史に残るような価値ある本を出し、
電子版は、もっと広く、一過性の人気本のほか、
とにかく「売れそうな本」をあれこれ打ってみるというやり方が、
これからの出版の行き方ではないか、と考えています。
そうでもしないと、紙の本を扱う書店の規模は限られていますし、
資源的にも無駄にならないためには、そういう方法が必要でしょう。
●がんばれ、「紙の本」と「町の本屋さん」!
記事の最後には、
《経済産業省も書店振興プロジェクトチームを設置し支援策の検討》
とあります。
とにかく、町の本屋さんというものは、地元の文化の発信の一つで、
世界への入口でもあります。
これ以上衰退しないことを切に願っています。
先にも書きましたように、書店業は、
私が<本屋の兄ちゃん>時代にも、少しずつ衰退の兆しはありました。
しかし、ここまで早くダメになるとは考えてもいませんでした。
私の人生の楽しみがこんなに早く風前の灯火となるとは!
少なくとも自分の生きているうちは、大丈夫だろうと思っていました。
電子版もあるとはいうものの、やはり印刷のインクの匂いとか、
紙の手触りとか、本自体の重さとか、逆に薄い本の軽さとか、
物理的な体感を伴う、紙の本の存在感というのは、
捨てがたいものがあります。
がんばれ、「紙の本」と「町の本屋さん」!
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本誌では、「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」と題して、今回も全文転載紹介です。
本誌では分量的に長くなってしまい省略しました、【過去5回の<私の「町の本屋」論>】の概要とまとめを、こちらではそのまま掲載しています。
他には特にいうことはありません。
<元本屋の兄ちゃん>としての書店に関する個人的な意見です。
「なんとか生き残ってくれ」という私の願いは読者の皆様に届いたか、と思います。
・・・
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より-楽しい読書373
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