『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第628号 別冊編集後記
第628号(No.628) 2022/10/15
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」
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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
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第628号(No.628) 2022/10/15
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」
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× × × × × × × × × × × × × × × ×
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2022(令和3)年10月15日号(No.328)
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち+自作紹介」
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今回は、私の発行しているメルマガ
<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>の三度目のコラボ企画です。
決して過去二回の企画が好評だったというわけではありませんが、
二本同じ日に出すのが、苦痛といえば苦痛。
で、まあ、手抜きといえば手抜き。
私の好みの問題といえば好みの問題です。
というわけで、スタートしましょう。
<楽しい読書>編では、全く同じ内容ではつまらないので、
一部をカットして、後半に「私の自作左利きミステリ」を紹介します。
*過去のコラボ企画
【第一回】
・左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)
2020.8.15
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)-週刊ヒッキイ第577号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ed8cea.html
・レフティやすおの楽しい読書
2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)
2020.8.15
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html
【第二回】
・左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
・古典から始める レフティやすおの楽しい読書
2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
2021.5.15
私の読書論144-<左利きミステリ>その後
-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-e0ec7a.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/400a7921be1d016f8bfbff350762971a
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★ <週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画 ★
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち
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●第二回コラボ【左利きミステリ入門】の続き
まずは、<左利きミステリ>について、
*<左利きミステリ>とは、
左利きの人が主要登場人物である物語や、左利きの性質を
トリックに活用した推理小説等のミステリの総称をいう。
例
国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。
【第一回】のコラボでは、
ツイッターで紹介した【左利きミステリ入門】のまとめでした。
そこでは、海外編として、19世紀以前の作品をツイッターで
年代・国名・著者名・作品名・左利きの登場人物・
左利きに関する記述の該当箇所
などの情報を紹介しました。
そのまとめ編でした。
【第二回】のコラボでは、「<左利きミステリ>その後」と題して、
過去の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』の
「小説の中の左利き・推理小説編」やブログ等で紹介したもの以外に、
それ以降に見つけた
<左利きミステリ>(広義のミステリ)のあれこれを
年代・作品名・著者名(短編の場合は、収録書籍名)
をリスト化して紹介しました。
今回は、【第一回】のツイッター版【左利きミステリ入門】の続きの
海外編「20世紀以降」版から
<ホームズのライヴァルたち>の作品の紹介です。
●<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>
さて、<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>
または、略して<ホームズのライヴァルたち>とは、
月刊誌『ストランド・マガジン』で人気を博した
名探偵<シャーロック・ホームズ>の推理譚に対抗して、
他の雑誌や新聞紙上に登場した「名探偵」たちの活躍を描いた小説群
を指します。
最初に登場したのは、
アーサー・モリスンの名探偵<マーティン・ヒューイット>でした。
『シャーロック・ホームズの冒険』と『シャーロック・ホームズの回想』
に収録された作品をもって一旦退場した
コナン・ドイルのシャーロック・ホームズに代わって、
『ストランド・マガジン』の看板(二代目の名探偵)になったのでした。
『ストランド・マガジン』の成功に刺激され、『ピアスン』誌には、
オースチン・フリーマンが<ソーンダイク博士>ものを、
『ロイヤル』誌には、バロネス・オルツィが<隅の老人>ものを。
アメリカでは、『ボストン・アメリカン』紙に
タイタニックとともに最期を遂げたジャック・フットレルによる
名探偵――「まるで考える機械だ」という意味で<思考機械>。
他には、アメリカ開拓時代を舞台にした
メルヴィル・デヴィッスン・ポーストの<アブナー伯父>ものが有名。
●最強のライバルと最大のライヴァル
そして最強のライヴァルが登場します。
それは、G・K・チェスタトンのローマ・カトリックの小男の司祭
<ブラウン神父>。
第一短編集『ブラウン神父の童心』は、
世界初の推理小説といわれる「モルグ街の殺人」を初めとする、
ポーの推理もの短編集(他の名探偵<オーギュスト・デュパン>もの――、
「マリー・ロジェの謎」「盗まれた手紙」)、
ドイルのホームズものの第一短編集『――冒険』と並ぶ、
3大ミステリ短編集の一つです。
別の面で最大のライヴァルは、やはりこの人、
モーリス・ルブランの<怪盗紳士ルパン>でしょうか。
怪盗であり、時に探偵でもあり、「ホームズ」とも対決しています。
●短編ならでは左利きミステリ
<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>ものといいますと、
基本的に雑誌に掲載された読み切り短編のスタイルで、
新聞掲載作では何回かで読み終えるスタイルの短編で、
時に問題編と解答編とに分かれる場合もありました。
そういう短編の性質上、ワン・アイデアの謎解きものが多く、
左利きネタを人物の特定に利用する作品が結構ありました。
推理もののドラマやアニメなどでもそうですね。
この場合は、ビジュアル的にわかりやすく表現できるからですが。
●今は二度目のリバイバル・ブームなの?
そんな<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>ですが、
日本では、今、二度目のリバイバル・ブームとでもいうのでしょうか、
これらの短編集が次々と出版されています。
最初のリバイバルは、1970年代、当時海外ミステリの専門誌だった
『ミステリ・マガジン』(早川書房)で、ズバリ
<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>
という企画がありました。
この企画を進めた人物?押川曠さん編の
『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』というアンソロジーが
三巻出版されました。
早川書房からは、他にも個人短編集として、
ポーストの『アンクル・アブナーの叡知』など出ています。
同時期に、もう一つの海外ミステリ専門文庫、創元推理文庫からも
<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>の個人短編集が、
『○○の事件簿』というタイトルで、一〇巻程度出ています。
一部、必ずしも時代的にライヴァルではない人も含まれていました。
そして、近年、またこれらの短編集の完全版といったものが、
各社から出版されるようになりました。
たとえば、
作品社からは、バロネス・オルツィ『隅の老人【完全版】』や
ジャック・フットレル『思考機械【完全版】』全二巻、
アーサー・モリスン『マーチン・ヒューイット【完全版】』。
国書刊行会からは、
R・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集』全三巻。
論創海外ミステリからは(10年以上前になりますが)、
バロネス・オルツィ『レディ・モリーの事件簿』、
E・W・ホーナング『二人で泥棒を』『またまた二人で泥棒を』
『最後に二人で泥棒を』(ルパンに先立つ「泥棒紳士」ラッフルズ)。
創元推理文庫からは、
ロバート・バー『ヴァルモンの功績』
(元フランス警察、イギリスで私立探偵のウジェーヌ・ヴァルモン)。
――といったふうに。
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【左利きミステリ入門】
海外編「20世紀以降」<ホームズのライヴァルたち>
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<左利きミステリ>の登場人物・分類表
◆:左利きの探偵
▲:左利きの被害者
●:左利きの犯人
▼:左利きの容疑者
■:左利きのその他の事件関係者
<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。
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1.<隅の老人>▲被害者は左利き
━━━━━━━━━━━━━━━
1904(アメリカ)
バロネス・オルツィ「ミス・ペブマーシュ殺人事件」
『隅の老人[完全版]』作品社 平山雄一訳 2014/1/31
右手にペンを持った被害者のダイイング・メッセージは……
召使いの証言「『奥様の字はいつも読みにくいんですよ。
左手で書くとこうなってしまうんですねえ』」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2.<思考機械>■(番外編――切断された「左手人差し指」の謎)
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1906(アメリカ)
ジャック・フットレル「余分な指」
『思考機械 [完全版] 第二巻』平山雄一訳 作品社
外科医のもとに、労働をしたことのない手を持つ若い女性が
「左手の人差し指の第一関節で切断していただきたいのです」と
━━━━━━━━━━━━━━
3.<思考機械>●犯人は左利き
━━━━━━━━━━━━━━
1907(アメリカ)
ジャック・フットレル「壊れたブレスレット」
『思考機械 [完全版] 第二巻』平山雄一訳 作品社
思考機械 対 賢い娘
住所を書いてといわれても、左手に鉛筆を持ったまま躊躇する女
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4.<ソーンダイク博士>▼左利きの容疑者
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1909(イギリス)
オースチン・フリーマン「アルミニウムの短剣」
"John Thorndyke's Case"
『ソーンダイク博士の事件簿I』大久保 康雄訳 創元推理文庫 1977/8/19
左後方からの短剣による刺し傷から、左利きの人物が容疑者に
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5.<怪盗紳士アルセーヌ・ルパン(リュパン)>●左利きの犯人
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1911(1913)(フランス)
モーリス・ルブラン「赤い絹の肩掛け」
L'ECHARPE DE SOIE ROUGE "JE SAIS TOUT"誌 79号(1911/08/15)
『リュパンの告白』(1913)井上勇訳 創元推理文庫 1966/3/24
『ルパンの告白―ルパン傑作集IX』 新潮文庫 1961/11/1
『世界短編傑作集2』江戸川乱歩編 創元推理文庫 1961/1/13
ガニマール警部は、リュパン(ルパン)から
犯人は左利きだから気を付けろと忠告を受け、危機を乗り切る
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
6.<盲人探偵マックス・カラドス>■ワトソン役が左利き
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(1914)(イギリス)
アーネスト・ブラマ「ディオニュシオスの銀貨」
The Coin of Dionysius(第一短編集 "Max Carrados"(1914))
『マックス・カラドスの事件簿』吉田誠一訳 創元推理文庫 1978/4/10
盲人探偵マックス・カラドス初登場の一編で、
観察眼に優れた従僕パーキンソンが、のちに「ワトソン役」となる
カーライルを語る部分で、左利きと
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
7.<アブナー伯父(アンクル・アブナー)>●左利きの犯人
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1917(1918)(アメリカ)
メルヴィル・デヴィッスン・ポースト「藁人形」The Straw Man
『アブナー伯父の事件簿(シャーロック・ホームズのライヴァルたち)』
菊池光訳 創元推理文庫 1978/1/20(2022年10月上旬復刊されます)
『アンクル・アブナーの叡知』吉田誠一訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1976/1/1
*参照:『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第287号(No.287) 2011/11/19「名作の中の左利き~推理小説編
-2-「藁人形」M.D.ポースト」
2011.11.24
<アブナー伯父>「藁人形」:週刊ヒッキイhikkii287名作の中の左利き~推理小説編2
「新しい生活」版
アメリカ開拓時代のウェスト・ヴァージニアを舞台とする時代ミステリ
左右を使わずに、座った位置関係から対座する人物が左利きだと示す
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8.<ソーンダイク博士>(惜しくも番外編? ▲左利きの被害者)
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(1918)(イギリス)
オースチン・フリーマン「消えた金融業者」
"The Great Portrait Mystery"(第3短編集)
『ソーンダイク博士の事件簿II』大久保 康雄訳 創元推理文庫 1980/3/28
左手の指を、死体入れ替わりトリックを見破るための証拠に仕立てよう
としているが……、今一歩で「左利きミステリ」の未熟児?
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9.<ソーンダイク博士>▲左利きの被害者
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(1925)(イギリス)
オースチン・フリーマン「砂丘の秘密」
短編集"The Puzzle Look"(1925)
『ソーンダイク博士の事件簿I』(創元推理文庫)
浜辺に残されていた服(左の袖口に油絵の具)と
道具(パレットナイフの磨り減り方から)から
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10.<ソーンダイク博士>●左利きの犯人
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(1927)(イギリス)
オースチン・フリーマン「ポンティング氏のアリバイ」
"The Magic Casket"(1927) 第6短編集
『ソーンダイク博士の事件簿II』(創元推理文庫)
自殺に偽装した首のナイフの傷跡の方向(被害者自身の左から右へ)と
左利きの犯人の手の動き(相手に向かって右から左へ)
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11.<盲人探偵マックス・カラドス>▲被害者の左手指欠損
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(1927)(イギリス)
アーネスト・ブラマ「フラットの惨劇」
"Max Carrados Mysteries" 第3短編集
『マックス・カラドスの事件簿』(創元推理文庫)
左手指に欠損のある被害者の死体の入れ替わりトリック
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12.<ルパン(バーネット)>(準左利きミステリ)●左右反転の謎
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(1928)(フランス)
モーリス・ルブラン「金歯の男」
『バーネット探偵社―ルパン傑作集VII』堀口大學訳 新潮文庫 1960/7/1
私立探偵バーネットを名乗るルパンの事件簿から
泥棒を目撃した神父は、神にかけて犯人の左側の金歯が光っていた、
と証言するが、容疑者の金歯は右側だった……
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13.<アプルビイ>(準左利きミステリ)●左右反転像/鏡像
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(1956)(イギリス)
マイケル・イネス「本物のモートン」
"Appledy Talk Again"(1956) 第二短編集
短編集『アプルビイの事件簿』大久保康雄訳 創元推理文庫
スコットランドヤードの警部アプルビイのショートショート・ミステリ
年代的には、<ホームズのライヴァルたち>からは外れていますが。
━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━
――2022年10月現在、
<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>の作品から発見したのは、
<左右の謎>ものの<準左利きミステリ>も含めて、以上13点です。
*チェックした<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>の本
(上記、<左利きミステリ>に掲載したものは除く)
(イギリス)
アーサー・モリスン<マーティン(マーチン)・ヒューイット>
短編集『マーチン・ヒューイットの事件簿』
H・C・ベイリー<犯罪捜査部顧問レジー・フォーチュン氏>
短編集『フォーチュン氏の事件簿』
M・P・シール<貴族プリンス・ザレスキー>
中短編集『プリンス・ザレスキーの事件簿』
G・K・チェスタトン<ブラウン神父>
第一短編集『ブラウン神父の童心』第二短編集『ブラウン神父の知恵』
第三短編集『ブラウン神父の不信』第四短編集『ブラウン神父の秘密』
第五短編集『ブラウン神父の醜聞』
<ブラウン神父>以外のミステリ短編集
『奇商クラブ』1905 『知りすぎた男』1922 『ポンド氏の逆説』1936
――以上、創元推理文庫<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>
ロバート・バー<ウジェーヌ・ヴァルモン>
短編集『ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利』 国書刊行会 2010/10/26
――元フランスの刑事局長で、イギリスで私立探偵をやるフランス人
E・W・ホーナング<「泥棒紳士」ラッフルズ>
『二人で泥棒を』『またまた二人で泥棒を』
『最後に二人で泥棒を』論創海外ミステリ
――「ルパン」に先立つの「泥棒紳士」の事件簿全三巻
(フランス)
・モーリス・ルブラン<怪盗紳士ルパン(リュパン)>
短編集『八点鐘―ルパン傑作集X』 新潮文庫
他に、江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集(全五巻)』創元推理文庫
*参考文献:
『シャーロック・ホームズのライヴァルたち――名探偵読本〈5〉』
中島 河太郎・押川 曠/編 パシフィカ 1979/4/1
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「★600号までの道のり」は、お休みです。
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本誌では、「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161-【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」と題して、今回も全文転載紹介です。
コラボしている、私のもう一つのメルマガ『レフティやすおの楽しい読書』では、私の「自作左利きミステリ」を紹介しています。
といいましても完成品ではなく、これから書く予定の「こんな感じ」という簡単な概要です。
まあ、自己満の書いてみただけ、とも言えますけれど……ね。
(画像:『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸 新潮新書 2020/12/17――[第一章 そもそも「ミステリ」ってどんなもの?] の伏線の説明に関して、犯人を限定する要素が「左利き」とするときの例を挙げている。)
・・・
弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。
*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ
--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161-左利きミステリ-ホームズのライヴァルたち-週刊ヒッキイ第628号
--
第628号(No.628) 2022/10/15
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」
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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考える レフティやすおの左組通信】メールマガジン
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第628号(No.628) 2022/10/15
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」
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× × × × × × × × × × × × × × × ×
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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2022(令和3)年10月15日号(No.328)
「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161
【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち+自作紹介」
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今回は、私の発行しているメルマガ
<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>の三度目のコラボ企画です。
決して過去二回の企画が好評だったというわけではありませんが、
二本同じ日に出すのが、苦痛といえば苦痛。
で、まあ、手抜きといえば手抜き。
私の好みの問題といえば好みの問題です。
というわけで、スタートしましょう。
<楽しい読書>編では、全く同じ内容ではつまらないので、
一部をカットして、後半に「私の自作左利きミステリ」を紹介します。
*過去のコラボ企画
【第一回】
・左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第577号(No.577) 2020/8/15
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)
×レフティやすおの楽しい読書(No.276)
2020.8.15
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(1)-週刊ヒッキイ第577号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ed8cea.html
・レフティやすおの楽しい読書
2020(令和2)年8月15日号(No.276)
左利きの本を読む~ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)
×左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii(No.577)
2020.8.15
ツイッター【左利きミステリ入門】まとめ(2)-「楽しい読書」第276号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/08/post-ec0ad2.html
【第二回】
・左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii
第595号(No.595) 2021/5/15
「楽しい読書コラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
・古典から始める レフティやすおの楽しい読書
2021(令和3)年5月15日号(No.294)
「週刊ヒッキイコラボ企画:私の読書論144<左利きミステリ>その後」
2021.5.15
私の読書論144-<左利きミステリ>その後
-週刊ヒッキイ595号&楽しい読書294号コラボ企画
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/05/post-e0ec7a.html
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★ <週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画 ★
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』
『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●第二回コラボ【左利きミステリ入門】の続き
まずは、<左利きミステリ>について、
*<左利きミステリ>とは、
左利きの人が主要登場人物である物語や、左利きの性質を
トリックに活用した推理小説等のミステリの総称をいう。
例
国内ミステリ : 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』
海外ミステリ : エラリー・クイーン『シャム双子の秘密』
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』で、
「名作の中の左利き/推理小説編」として紹介してきました。
【第一回】のコラボでは、
ツイッターで紹介した【左利きミステリ入門】のまとめでした。
そこでは、海外編として、19世紀以前の作品をツイッターで
年代・国名・著者名・作品名・左利きの登場人物・
左利きに関する記述の該当箇所
などの情報を紹介しました。
そのまとめ編でした。
【第二回】のコラボでは、「<左利きミステリ>その後」と題して、
過去の『左利きで生きるには 週刊ヒッキイ』の
「小説の中の左利き・推理小説編」やブログ等で紹介したもの以外に、
それ以降に見つけた
<左利きミステリ>(広義のミステリ)のあれこれを
年代・作品名・著者名(短編の場合は、収録書籍名)
をリスト化して紹介しました。
今回は、【第一回】のツイッター版【左利きミステリ入門】の続きの
海外編「20世紀以降」版から
<ホームズのライヴァルたち>の作品の紹介です。
●<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>
さて、<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>
または、略して<ホームズのライヴァルたち>とは、
月刊誌『ストランド・マガジン』で人気を博した
名探偵<シャーロック・ホームズ>の推理譚に対抗して、
他の雑誌や新聞紙上に登場した「名探偵」たちの活躍を描いた小説群
を指します。
最初に登場したのは、
アーサー・モリスンの名探偵<マーティン・ヒューイット>でした。
『シャーロック・ホームズの冒険』と『シャーロック・ホームズの回想』
に収録された作品をもって一旦退場した
コナン・ドイルのシャーロック・ホームズに代わって、
『ストランド・マガジン』の看板(二代目の名探偵)になったのでした。
『ストランド・マガジン』の成功に刺激され、『ピアスン』誌には、
オースチン・フリーマンが<ソーンダイク博士>ものを、
『ロイヤル』誌には、バロネス・オルツィが<隅の老人>ものを。
アメリカでは、『ボストン・アメリカン』紙に
タイタニックとともに最期を遂げたジャック・フットレルによる
名探偵――「まるで考える機械だ」という意味で<思考機械>。
他には、アメリカ開拓時代を舞台にした
メルヴィル・デヴィッスン・ポーストの<アブナー伯父>ものが有名。
●最強のライバルと最大のライヴァル
そして最強のライヴァルが登場します。
それは、G・K・チェスタトンのローマ・カトリックの小男の司祭
<ブラウン神父>。
第一短編集『ブラウン神父の童心』は、
世界初の推理小説といわれる「モルグ街の殺人」を初めとする、
ポーの推理もの短編集(他の名探偵<オーギュスト・デュパン>もの――、
「マリー・ロジェの謎」「盗まれた手紙」)、
ドイルのホームズものの第一短編集『――冒険』と並ぶ、
3大ミステリ短編集の一つです。
別の面で最大のライヴァルは、やはりこの人、
モーリス・ルブランの<怪盗紳士ルパン>でしょうか。
怪盗であり、時に探偵でもあり、「ホームズ」とも対決しています。
●短編ならでは左利きミステリ
<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>ものといいますと、
基本的に雑誌に掲載された読み切り短編のスタイルで、
新聞掲載作では何回かで読み終えるスタイルの短編で、
時に問題編と解答編とに分かれる場合もありました。
そういう短編の性質上、ワン・アイデアの謎解きものが多く、
左利きネタを人物の特定に利用する作品が結構ありました。
推理もののドラマやアニメなどでもそうですね。
この場合は、ビジュアル的にわかりやすく表現できるからですが。
●今は二度目のリバイバル・ブームなの?
そんな<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>ですが、
日本では、今、二度目のリバイバル・ブームとでもいうのでしょうか、
これらの短編集が次々と出版されています。
最初のリバイバルは、1970年代、当時海外ミステリの専門誌だった
『ミステリ・マガジン』(早川書房)で、ズバリ
<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>
という企画がありました。
この企画を進めた人物?押川曠さん編の
『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』というアンソロジーが
三巻出版されました。
早川書房からは、他にも個人短編集として、
ポーストの『アンクル・アブナーの叡知』など出ています。
同時期に、もう一つの海外ミステリ専門文庫、創元推理文庫からも
<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>の個人短編集が、
『○○の事件簿』というタイトルで、一〇巻程度出ています。
一部、必ずしも時代的にライヴァルではない人も含まれていました。
そして、近年、またこれらの短編集の完全版といったものが、
各社から出版されるようになりました。
たとえば、
作品社からは、バロネス・オルツィ『隅の老人【完全版】』や
ジャック・フットレル『思考機械【完全版】』全二巻、
アーサー・モリスン『マーチン・ヒューイット【完全版】』。
国書刊行会からは、
R・オースティン・フリーマン『ソーンダイク博士短篇全集』全三巻。
論創海外ミステリからは(10年以上前になりますが)、
バロネス・オルツィ『レディ・モリーの事件簿』、
E・W・ホーナング『二人で泥棒を』『またまた二人で泥棒を』
『最後に二人で泥棒を』(ルパンに先立つ「泥棒紳士」ラッフルズ)。
創元推理文庫からは、
ロバート・バー『ヴァルモンの功績』
(元フランス警察、イギリスで私立探偵のウジェーヌ・ヴァルモン)。
――といったふうに。
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【左利きミステリ入門】
海外編「20世紀以降」<ホームズのライヴァルたち>
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<左利きミステリ>の登場人物・分類表
◆:左利きの探偵
▲:左利きの被害者
●:左利きの犯人
▼:左利きの容疑者
■:左利きのその他の事件関係者
<左利きミステリ>としての紹介の都合上、
作品のネタバレとなるケースがあります。
基本的に、キーポイントとなる読みどころに関しては
問題が起きないように留意しながら紹介していますが、
ときに一部ネタバレになる場合もありますが、ご容赦ください。
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1.<隅の老人>▲被害者は左利き
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1904(アメリカ)
バロネス・オルツィ「ミス・ペブマーシュ殺人事件」
『隅の老人[完全版]』作品社 平山雄一訳 2014/1/31
右手にペンを持った被害者のダイイング・メッセージは……
召使いの証言「『奥様の字はいつも読みにくいんですよ。
左手で書くとこうなってしまうんですねえ』」
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2.<思考機械>■(番外編――切断された「左手人差し指」の謎)
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1906(アメリカ)
ジャック・フットレル「余分な指」
『思考機械 [完全版] 第二巻』平山雄一訳 作品社
外科医のもとに、労働をしたことのない手を持つ若い女性が
「左手の人差し指の第一関節で切断していただきたいのです」と
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3.<思考機械>●犯人は左利き
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1907(アメリカ)
ジャック・フットレル「壊れたブレスレット」
『思考機械 [完全版] 第二巻』平山雄一訳 作品社
思考機械 対 賢い娘
住所を書いてといわれても、左手に鉛筆を持ったまま躊躇する女
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4.<ソーンダイク博士>▼左利きの容疑者
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1909(イギリス)
オースチン・フリーマン「アルミニウムの短剣」
"John Thorndyke's Case"
『ソーンダイク博士の事件簿I』大久保 康雄訳 創元推理文庫 1977/8/19
左後方からの短剣による刺し傷から、左利きの人物が容疑者に
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5.<怪盗紳士アルセーヌ・ルパン(リュパン)>●左利きの犯人
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1911(1913)(フランス)
モーリス・ルブラン「赤い絹の肩掛け」
L'ECHARPE DE SOIE ROUGE "JE SAIS TOUT"誌 79号(1911/08/15)
『リュパンの告白』(1913)井上勇訳 創元推理文庫 1966/3/24
『ルパンの告白―ルパン傑作集IX』 新潮文庫 1961/11/1
『世界短編傑作集2』江戸川乱歩編 創元推理文庫 1961/1/13
ガニマール警部は、リュパン(ルパン)から
犯人は左利きだから気を付けろと忠告を受け、危機を乗り切る
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6.<盲人探偵マックス・カラドス>■ワトソン役が左利き
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(1914)(イギリス)
アーネスト・ブラマ「ディオニュシオスの銀貨」
The Coin of Dionysius(第一短編集 "Max Carrados"(1914))
『マックス・カラドスの事件簿』吉田誠一訳 創元推理文庫 1978/4/10
盲人探偵マックス・カラドス初登場の一編で、
観察眼に優れた従僕パーキンソンが、のちに「ワトソン役」となる
カーライルを語る部分で、左利きと
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7.<アブナー伯父(アンクル・アブナー)>●左利きの犯人
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1917(1918)(アメリカ)
メルヴィル・デヴィッスン・ポースト「藁人形」The Straw Man
『アブナー伯父の事件簿(シャーロック・ホームズのライヴァルたち)』
菊池光訳 創元推理文庫 1978/1/20(2022年10月上旬復刊されます)
『アンクル・アブナーの叡知』吉田誠一訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 1976/1/1
*参照:『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第287号(No.287) 2011/11/19「名作の中の左利き~推理小説編
-2-「藁人形」M.D.ポースト」
2011.11.24
<アブナー伯父>「藁人形」:週刊ヒッキイhikkii287名作の中の左利き~推理小説編2
「新しい生活」版
アメリカ開拓時代のウェスト・ヴァージニアを舞台とする時代ミステリ
左右を使わずに、座った位置関係から対座する人物が左利きだと示す
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8.<ソーンダイク博士>(惜しくも番外編? ▲左利きの被害者)
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(1918)(イギリス)
オースチン・フリーマン「消えた金融業者」
"The Great Portrait Mystery"(第3短編集)
『ソーンダイク博士の事件簿II』大久保 康雄訳 創元推理文庫 1980/3/28
左手の指を、死体入れ替わりトリックを見破るための証拠に仕立てよう
としているが……、今一歩で「左利きミステリ」の未熟児?
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9.<ソーンダイク博士>▲左利きの被害者
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(1925)(イギリス)
オースチン・フリーマン「砂丘の秘密」
短編集"The Puzzle Look"(1925)
『ソーンダイク博士の事件簿I』(創元推理文庫)
浜辺に残されていた服(左の袖口に油絵の具)と
道具(パレットナイフの磨り減り方から)から
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10.<ソーンダイク博士>●左利きの犯人
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(1927)(イギリス)
オースチン・フリーマン「ポンティング氏のアリバイ」
"The Magic Casket"(1927) 第6短編集
『ソーンダイク博士の事件簿II』(創元推理文庫)
自殺に偽装した首のナイフの傷跡の方向(被害者自身の左から右へ)と
左利きの犯人の手の動き(相手に向かって右から左へ)
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11.<盲人探偵マックス・カラドス>▲被害者の左手指欠損
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(1927)(イギリス)
アーネスト・ブラマ「フラットの惨劇」
"Max Carrados Mysteries" 第3短編集
『マックス・カラドスの事件簿』(創元推理文庫)
左手指に欠損のある被害者の死体の入れ替わりトリック
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12.<ルパン(バーネット)>(準左利きミステリ)●左右反転の謎
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(1928)(フランス)
モーリス・ルブラン「金歯の男」
『バーネット探偵社―ルパン傑作集VII』堀口大學訳 新潮文庫 1960/7/1
私立探偵バーネットを名乗るルパンの事件簿から
泥棒を目撃した神父は、神にかけて犯人の左側の金歯が光っていた、
と証言するが、容疑者の金歯は右側だった……
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13.<アプルビイ>(準左利きミステリ)●左右反転像/鏡像
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(1956)(イギリス)
マイケル・イネス「本物のモートン」
"Appledy Talk Again"(1956) 第二短編集
短編集『アプルビイの事件簿』大久保康雄訳 創元推理文庫
スコットランドヤードの警部アプルビイのショートショート・ミステリ
年代的には、<ホームズのライヴァルたち>からは外れていますが。
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――2022年10月現在、
<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>の作品から発見したのは、
<左右の謎>ものの<準左利きミステリ>も含めて、以上13点です。
*チェックした<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>の本
(上記、<左利きミステリ>に掲載したものは除く)
(イギリス)
アーサー・モリスン<マーティン(マーチン)・ヒューイット>
短編集『マーチン・ヒューイットの事件簿』
H・C・ベイリー<犯罪捜査部顧問レジー・フォーチュン氏>
短編集『フォーチュン氏の事件簿』
M・P・シール<貴族プリンス・ザレスキー>
中短編集『プリンス・ザレスキーの事件簿』
G・K・チェスタトン<ブラウン神父>
第一短編集『ブラウン神父の童心』第二短編集『ブラウン神父の知恵』
第三短編集『ブラウン神父の不信』第四短編集『ブラウン神父の秘密』
第五短編集『ブラウン神父の醜聞』
<ブラウン神父>以外のミステリ短編集
『奇商クラブ』1905 『知りすぎた男』1922 『ポンド氏の逆説』1936
――以上、創元推理文庫<シャーロック・ホームズのライヴァルたち>
ロバート・バー<ウジェーヌ・ヴァルモン>
短編集『ウジェーヌ・ヴァルモンの勝利』 国書刊行会 2010/10/26
――元フランスの刑事局長で、イギリスで私立探偵をやるフランス人
E・W・ホーナング<「泥棒紳士」ラッフルズ>
『二人で泥棒を』『またまた二人で泥棒を』
『最後に二人で泥棒を』論創海外ミステリ
――「ルパン」に先立つの「泥棒紳士」の事件簿全三巻
(フランス)
・モーリス・ルブラン<怪盗紳士ルパン(リュパン)>
短編集『八点鐘―ルパン傑作集X』 新潮文庫
他に、江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集(全五巻)』創元推理文庫
*参考文献:
『シャーロック・ホームズのライヴァルたち――名探偵読本〈5〉』
中島 河太郎・押川 曠/編 パシフィカ 1979/4/1
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「★600号までの道のり」は、お休みです。
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本誌では、「<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161-【左利きミステリ入門】ホームズのライヴァルたち」と題して、今回も全文転載紹介です。
コラボしている、私のもう一つのメルマガ『レフティやすおの楽しい読書』では、私の「自作左利きミステリ」を紹介しています。
といいましても完成品ではなく、これから書く予定の「こんな感じ」という簡単な概要です。
まあ、自己満の書いてみただけ、とも言えますけれど……ね。
(画像:『書きたい人のためのミステリ入門』新井久幸 新潮新書 2020/12/17――[第一章 そもそも「ミステリ」ってどんなもの?] の伏線の説明に関して、犯人を限定する要素が「左利き」とするときの例を挙げている。)
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(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
<週刊ヒッキイ>×<楽しい読書>コラボ企画:私の読書論161-左利きミステリ-ホームズのライヴァルたち-週刊ヒッキイ第628号
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