古典から始める レフティやすおの楽しい読書-327号【別冊 編集後記】
2022(令和3)年10月31日号(No.329)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(19)漂白の魂―曹植(1)」
------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2022(令和3)年10月31日号(No.329)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(19)漂白の魂―曹植(1)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の19回目です。
今回は、曹操の息子で、父・曹操、次男・曹丕(そうひ)と共に
「三曹」と呼ばれる、四男・曹植(そうしょく)の詩を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆ 漂白の魂 ◆
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(19)
三曹(さんそう)から曹操の息子
~ 四男・曹植(そうしょく)「吁嗟篇(うさへん)」 ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回の参考文献――
『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
「六、抵抗と逃避のあいだに――三国時代から魏へ」より
●曹植
まずは、四男の曹植(192-232)から。
曹植は、杜甫が出現するまでは、
中国最高の詩人として尊敬されていた、といいます。
ところが、
後継者争いに巻き込まれて不運な人生を送ることとなりました。
先に即位していた次男の曹丕(文帝)によって地方を転々とさせられ、
それ故に、曹丕は記録上、悪役となりがちだ、といいます。
曹丕の死後、息子の曹叡(そうえい)が即位し、明帝となり、
曹植はこの明帝にも疎まれ、地方官として各地を転々とし、
41歳で亡くなります。
(この明帝の時代に、日本から使者が死者が来た、
と『魏志倭人伝』に出ているそうです。)
●曹植の詩
《自分自身の人生・境遇と、
そこから来る不遇感や憤りをエネルギー源にして、
いろいろの題材を取り上げ、さまざまの手法を開拓しました。
言ってみれば曹植によって、“これが漢詩だ”という、
漢詩の基本型が確立され、後世に受け継がれていった、
そういう意味で大きな存在です。
南朝時代には、「曹植は偉大な詩人であり、
倫理・道徳の世界における孔子に匹敵する」
とまで絶賛されています。》p.308
『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
「六、抵抗と逃避のあいだに――三国時代から魏へ」より
●曹植「吁嗟篇(うさへん)」
吁嗟篇 吁嗟篇(うさへん) 曹植
吁嗟此転蓬 吁嗟(ああ) 此(こ)の転蓬(てんぽう)
居世何独然
世(よ)に居(を)ること 何(なん)ぞ独(ひと)り然(しか)るや
長去本根逝 長(なが)く本根(ほんこん)を去(さ)りて逝(ゆ)き
夙夜無休閑 夙夜(しゆくや) 休閑(きゆうかん)無(な)し
東西経七陌 東西(とうざい) 七陌(しちはく)を経(へ)
南北越九阡 南北(なんぼく) 九阡(きゆうせん)を越(こ)ゆ
卒遇回風起 卒(には)かに 回風(かいふう)の起(おこ)るに遇(あ)ひ
吹我入雲間 我(われ)を吹(ふ)いて雲間(うんかん)に入(い)らしむ
自謂終天路
自(みづか)ら謂(おも)へらく 天路(てんろ)を終(を)へんと
忽然下沈淵
忽然(こつぜん)として 下(くだ)つて淵(ふち)に沈(しず)む
驚飆接我出 驚飆(けいひよう) 我(われ)を接(むか)へ出(い)で
故帰彼中田
故(ことさら)に彼(か)の中田(ちゆうでん)に帰(かへ)らしむ
当南而更北 当(まさ)に南(みなみ)すべくして更(さら)に北(きた)し
謂東而反西 東(ひがし)せんと謂(おも)ふに 反(かへ)つて西(にし)す
宕宕当何依
宕宕(とうとう)として 当(まさ)に何(いず)くにか依(よ)るべき
忽亡而復存 忽(たちま)ち亡(ほろ)びて復(ま)た存(そん)す
飄颻周八沢 飄颻(ひようひよう)として八沢(はつたく)を周(めぐ)り
連翩歴五山 連翩(れんぺん)として五山(ござん)を歴(へ)たり
流転無恒処 流転(るてん)して恒処(こうしよ)無(な)し
誰知吾苦艱 誰(たれ)か我(わ)が苦艱(くかん)を知(し)らん
願爲中林草 願(ねが)はくは中林(ちゆうりん)の草(くさ)と為(な)り
秋隨野火燔 秋(あき) 野火(やか)に随(したが)つて燔(や)かれん
糜滅豈不痛 糜滅(びめつ) 豈(あに) 痛(いた)ましからざらんや
願与根荄連 願(ねが)はくは根荄(こんがい)と連(つら)ならん
本編は、41歳でなくなった彼の晩年にあたる、
あちこちを転々としていた時代の作。
曹植の人生を知った上で読むと、大変共感でき、
同様の境遇にあればまさに他人事とは思えない、と宇野さんの解説。
第一句に出てくる「転蓬(てんぽう)」という植物がテーマ。
和名を「ころがりぐさ」といい、球状に生長して枯れると根から離れ、
風に吹かれて転がる草で、西部劇なんかに出てくる転がっている草。
さすらいの生活の悲しみのたとえだ、といいます。
「吁嗟篇」とは、「吁嗟」は嘆き悲しみこと、「~篇」は「~の歌」で、
「歎きの歌、悲しみの歌」の意。
このような自分の境遇を愁えた詩が多く、
曹植の顔が見えるといっていい、と宇野さんの解説。
第一段では、ころがり草のあわれを述べる導入部。
「ああ、ころがりぐさよ。
この世に過ごしていて、どうしてお前だけがそうなのか。
遙か遠くに元の根本から離れて転がってゆき、
朝早くから夜遅くまで休むことができない」
第二段
「東へ西へと七つのあぜ道を渡り、
南へ北へと九つのあぜ道を越えてゆく。
突然、つむじ風巻き起こり、
わが身を吹いて雲の中に吹き入れてしまった」
ここでころがりぐさを「我」といい、作者と一体化する。
以下、ころがりぐさの動きにご注目、と。
第三段は、空から降りて上昇するという上下の動き。
「ああ、これで空の果てまで行きつけると思った途端、
ふいに下界に落ちて深い淵に沈んでしまった。
と思うと、今度は突風が私を吹き上げ、
ご丁寧にもとの畑に帰してくれようとする」
第四段は、水平の動き。
「これから南へ行く筈が、逆にどんどん北へと飛ばされた。
東へ行こうと思えば逆に西へ飛ばされる。
どこに行くのか果てしもなく、何を頼りにしていいのか。
ふと消えたかと思うと、どっこいやっぱり生きていた」
第五段は、さらに動きが拡大していく。
「ふわりふわりと八つの沼をめぐり、
ひらりひらりと五つの山岳を通る。
さすらい続けて落ち着き場所がない。
いったい誰が私のこの難儀をわかってくれるだろう」
「八沢(はったく)」「五山(ござん)」と、ここまで拡大して来ると、
単なるころがりぐさの描写と思う人はいない。
第六段は、苦し紛れに「もう死にたい」と痛ましく結ぶ。
「出来ることなら森の中の草になり、
秋になったら野火に焼かれてしまいたい。
焼けただれるのはまことに痛く苦しいが、
たといそうなるとしても、
あちこち転がるよりは元の根っことつながっていたいんだ」
ここでいう「根っこ」は、やはり曹丕がいる宮廷を指すのでしょう。
まさに自身の人生を歌った詩という感じです。
従来の詩におけるたとえは、
その時代の誰が読んでもわかる最大公約数的なものや、
自分の機知やユーモアを誇るためのものでした。
ところが、この曹植の詩にいたって、
作者自身の人生に根ざしたものに変わった、といいます。
先にも書きましたように、同様の境遇にある人が読むと、
他人事とは思えないというのも、よく分かります。
人生、成功する人ばかりではないので、
こういう詩は多くの人の心に残るものとなるのでしょう。
●曹植は文学界の孔子
曹植は、文学界の孔子といわれるそうです。
孔子は、儒教の体系を確立した人。
《古今東西を問わず、文学や芸術の或る形式が出はじめた時、
最も早い段階でその典型を確立してしまう天才というか、
大物が現れますよね。和歌でいえば、柿本人麻呂、能なら世阿弥、
俳句なら芭蕉とか。それぞれの初期にいろんな可能性を模索し、
或る形式を決定し、構成のお手本を作った。
曹植は漢詩の世界でまさにそういう人です。》p.212
『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
「六、抵抗と逃避のあいだに――三国時代から魏へ」より
さて、そういう曹植についてですが、
もう一つ二つ紹介するつもりでしたが、それは次回ということに。
・・・
メルマガ減量作戦を進めたいということで、今回はこの辺で。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★創刊300号への道のり は、お休みします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(19)漂白の魂―曹植(1)」と題して、今回も全文転載紹介です。
今回は、曹操と共に「三曹」と呼ばれる四男の曹植の一回目として、漂白の魂を歌う「吁嗟篇」を紹介しました。
長年の課題であるメルマガの軽量化をめざし、今回は、一編だけの紹介としました。
・・・
*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』
『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ
--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(19)漂白の魂―曹植(1)-楽しい読書329
--
2022(令和3)年10月31日号(No.329)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(19)漂白の魂―曹植(1)」
------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2022(令和3)年10月31日号(No.329)
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(19)漂白の魂―曹植(1)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「中国の古典編―漢詩を読んでみよう」の19回目です。
今回は、曹操の息子で、父・曹操、次男・曹丕(そうひ)と共に
「三曹」と呼ばれる、四男・曹植(そうしょく)の詩を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆ 漂白の魂 ◆
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(19)
三曹(さんそう)から曹操の息子
~ 四男・曹植(そうしょく)「吁嗟篇(うさへん)」 ~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回の参考文献――
『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
「六、抵抗と逃避のあいだに――三国時代から魏へ」より
●曹植
まずは、四男の曹植(192-232)から。
曹植は、杜甫が出現するまでは、
中国最高の詩人として尊敬されていた、といいます。
ところが、
後継者争いに巻き込まれて不運な人生を送ることとなりました。
先に即位していた次男の曹丕(文帝)によって地方を転々とさせられ、
それ故に、曹丕は記録上、悪役となりがちだ、といいます。
曹丕の死後、息子の曹叡(そうえい)が即位し、明帝となり、
曹植はこの明帝にも疎まれ、地方官として各地を転々とし、
41歳で亡くなります。
(この明帝の時代に、日本から使者が死者が来た、
と『魏志倭人伝』に出ているそうです。)
●曹植の詩
《自分自身の人生・境遇と、
そこから来る不遇感や憤りをエネルギー源にして、
いろいろの題材を取り上げ、さまざまの手法を開拓しました。
言ってみれば曹植によって、“これが漢詩だ”という、
漢詩の基本型が確立され、後世に受け継がれていった、
そういう意味で大きな存在です。
南朝時代には、「曹植は偉大な詩人であり、
倫理・道徳の世界における孔子に匹敵する」
とまで絶賛されています。》p.308
『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
「六、抵抗と逃避のあいだに――三国時代から魏へ」より
●曹植「吁嗟篇(うさへん)」
吁嗟篇 吁嗟篇(うさへん) 曹植
吁嗟此転蓬 吁嗟(ああ) 此(こ)の転蓬(てんぽう)
居世何独然
世(よ)に居(を)ること 何(なん)ぞ独(ひと)り然(しか)るや
長去本根逝 長(なが)く本根(ほんこん)を去(さ)りて逝(ゆ)き
夙夜無休閑 夙夜(しゆくや) 休閑(きゆうかん)無(な)し
東西経七陌 東西(とうざい) 七陌(しちはく)を経(へ)
南北越九阡 南北(なんぼく) 九阡(きゆうせん)を越(こ)ゆ
卒遇回風起 卒(には)かに 回風(かいふう)の起(おこ)るに遇(あ)ひ
吹我入雲間 我(われ)を吹(ふ)いて雲間(うんかん)に入(い)らしむ
自謂終天路
自(みづか)ら謂(おも)へらく 天路(てんろ)を終(を)へんと
忽然下沈淵
忽然(こつぜん)として 下(くだ)つて淵(ふち)に沈(しず)む
驚飆接我出 驚飆(けいひよう) 我(われ)を接(むか)へ出(い)で
故帰彼中田
故(ことさら)に彼(か)の中田(ちゆうでん)に帰(かへ)らしむ
当南而更北 当(まさ)に南(みなみ)すべくして更(さら)に北(きた)し
謂東而反西 東(ひがし)せんと謂(おも)ふに 反(かへ)つて西(にし)す
宕宕当何依
宕宕(とうとう)として 当(まさ)に何(いず)くにか依(よ)るべき
忽亡而復存 忽(たちま)ち亡(ほろ)びて復(ま)た存(そん)す
飄颻周八沢 飄颻(ひようひよう)として八沢(はつたく)を周(めぐ)り
連翩歴五山 連翩(れんぺん)として五山(ござん)を歴(へ)たり
流転無恒処 流転(るてん)して恒処(こうしよ)無(な)し
誰知吾苦艱 誰(たれ)か我(わ)が苦艱(くかん)を知(し)らん
願爲中林草 願(ねが)はくは中林(ちゆうりん)の草(くさ)と為(な)り
秋隨野火燔 秋(あき) 野火(やか)に随(したが)つて燔(や)かれん
糜滅豈不痛 糜滅(びめつ) 豈(あに) 痛(いた)ましからざらんや
願与根荄連 願(ねが)はくは根荄(こんがい)と連(つら)ならん
本編は、41歳でなくなった彼の晩年にあたる、
あちこちを転々としていた時代の作。
曹植の人生を知った上で読むと、大変共感でき、
同様の境遇にあればまさに他人事とは思えない、と宇野さんの解説。
第一句に出てくる「転蓬(てんぽう)」という植物がテーマ。
和名を「ころがりぐさ」といい、球状に生長して枯れると根から離れ、
風に吹かれて転がる草で、西部劇なんかに出てくる転がっている草。
さすらいの生活の悲しみのたとえだ、といいます。
「吁嗟篇」とは、「吁嗟」は嘆き悲しみこと、「~篇」は「~の歌」で、
「歎きの歌、悲しみの歌」の意。
このような自分の境遇を愁えた詩が多く、
曹植の顔が見えるといっていい、と宇野さんの解説。
第一段では、ころがり草のあわれを述べる導入部。
「ああ、ころがりぐさよ。
この世に過ごしていて、どうしてお前だけがそうなのか。
遙か遠くに元の根本から離れて転がってゆき、
朝早くから夜遅くまで休むことができない」
第二段
「東へ西へと七つのあぜ道を渡り、
南へ北へと九つのあぜ道を越えてゆく。
突然、つむじ風巻き起こり、
わが身を吹いて雲の中に吹き入れてしまった」
ここでころがりぐさを「我」といい、作者と一体化する。
以下、ころがりぐさの動きにご注目、と。
第三段は、空から降りて上昇するという上下の動き。
「ああ、これで空の果てまで行きつけると思った途端、
ふいに下界に落ちて深い淵に沈んでしまった。
と思うと、今度は突風が私を吹き上げ、
ご丁寧にもとの畑に帰してくれようとする」
第四段は、水平の動き。
「これから南へ行く筈が、逆にどんどん北へと飛ばされた。
東へ行こうと思えば逆に西へ飛ばされる。
どこに行くのか果てしもなく、何を頼りにしていいのか。
ふと消えたかと思うと、どっこいやっぱり生きていた」
第五段は、さらに動きが拡大していく。
「ふわりふわりと八つの沼をめぐり、
ひらりひらりと五つの山岳を通る。
さすらい続けて落ち着き場所がない。
いったい誰が私のこの難儀をわかってくれるだろう」
「八沢(はったく)」「五山(ござん)」と、ここまで拡大して来ると、
単なるころがりぐさの描写と思う人はいない。
第六段は、苦し紛れに「もう死にたい」と痛ましく結ぶ。
「出来ることなら森の中の草になり、
秋になったら野火に焼かれてしまいたい。
焼けただれるのはまことに痛く苦しいが、
たといそうなるとしても、
あちこち転がるよりは元の根っことつながっていたいんだ」
ここでいう「根っこ」は、やはり曹丕がいる宮廷を指すのでしょう。
まさに自身の人生を歌った詩という感じです。
従来の詩におけるたとえは、
その時代の誰が読んでもわかる最大公約数的なものや、
自分の機知やユーモアを誇るためのものでした。
ところが、この曹植の詩にいたって、
作者自身の人生に根ざしたものに変わった、といいます。
先にも書きましたように、同様の境遇にある人が読むと、
他人事とは思えないというのも、よく分かります。
人生、成功する人ばかりではないので、
こういう詩は多くの人の心に残るものとなるのでしょう。
●曹植は文学界の孔子
曹植は、文学界の孔子といわれるそうです。
孔子は、儒教の体系を確立した人。
《古今東西を問わず、文学や芸術の或る形式が出はじめた時、
最も早い段階でその典型を確立してしまう天才というか、
大物が現れますよね。和歌でいえば、柿本人麻呂、能なら世阿弥、
俳句なら芭蕉とか。それぞれの初期にいろんな可能性を模索し、
或る形式を決定し、構成のお手本を作った。
曹植は漢詩の世界でまさにそういう人です。》p.212
『漢詩を読む 1 『詩経』、屈原から陶淵明へ』
江原正士、宇野直人/著 平凡社 2010/4/20
「六、抵抗と逃避のあいだに――三国時代から魏へ」より
さて、そういう曹植についてですが、
もう一つ二つ紹介するつもりでしたが、それは次回ということに。
・・・
メルマガ減量作戦を進めたいということで、今回はこの辺で。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★創刊300号への道のり は、お休みします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本誌では、「中国の古典編―漢詩を読んでみよう(19)漂白の魂―曹植(1)」と題して、今回も全文転載紹介です。
今回は、曹操と共に「三曹」と呼ばれる四男の曹植の一回目として、漂白の魂を歌う「吁嗟篇」を紹介しました。
長年の課題であるメルマガの軽量化をめざし、今回は、一編だけの紹介としました。
・・・
*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』
『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ
--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
中国の古典編―漢詩を読んでみよう(19)漂白の魂―曹植(1)-楽しい読書329
--