千一夜第2章第68夜 船の操舵について

2009.12.17（木）

今日の昼食は外食だったが、たまたまわが社のOBの方と一緒になった。

在職中には1度も一緒に仕事をしたことがなかったので、付き合いと言うほどの付き合いも無い。しかしこの方、釣り好きであるので会話は弾む。家が海の傍ということもあり、自前の船まで持っておられる。

船の操舵の話題になるとかなり饒舌になられた。他に一緒に居た同僚が『免許を持っていれば誰でも操舵できますよね』と言うと『操舵は出来るがそんなに簡単なもんじゃない』と言われる。私も何度か操舵したことがあるが、風の強い日や波が荒れている日はなかなかに難しいものだ。

このOBの方が自分の失敗例ではないが、操舵の難しさの例を挙げられた。
まず、蛸壺でタコを取るときのことだが、素人が数百万円出して蛸壺でのタコ獲りの権利を購入したそうだが、早速海底に降ろした蛸壺を引き上げる時、潮流に逆らわずに波にフォローで蛸壺を引き上げなくてはならないのに、潮流に向ってアゲンストで引き上げたそうである。その結果、船が揺れてウインチかギアか解らないが腕を挟まれて危うく腕を切断するところだったという。船上でのた打ち回っているのを、たまたま近くを通り掛った漁船に発見されてウインチを止めてもらったから助かったらしいが、このような基本的な操縦法も知らないで操舵するのは危険この上ないとのことだ。

もう一つ、素人が延縄に挑戦したらしいが、プロの漁師でもポケットにペンチを入れてやるのだそうだ。フグを獲る針はそれは鋭いものだというが、フルスロットルで船を走らせて、フグ針が沢山付いた仕掛けを次々と海に投げ込んでいくのだそうだ。この時に針が服や他のものに引っ掛かったりした時に直ぐに針を切り捨てるためにペンチを用意しているのだそうである。何の準備もしないでこれを素人がやったものだから、フグ針が手の平に刺さりそのまま指先までざっくりと引き裂いたそうである。

聞いているだけで身の毛がよだつような話であるが、私の同僚もなにもこのような漁をするために船の操舵のことを聞いた訳では無いのだが、この方特有の、話が次第に大きくなってゆくという展開を見たのである。

まあ、船のオーナーにならなくても良いが、何時でも好きな時に海に出られるというのは羨ましい限りである。

【12月17日過去の釣行記録】
・2005年大島庄の浦、下松第1埠頭、06:50～11:00、大潮、釣果＝ボウズ
・2006年第2埠頭東側、06:00～15:30、中潮、釣果＝カレイ7・キス8・アイナメ1・ソイ2・マダコ1

【この日の釣り情報】
・2005年池の浦、朝まずめから昼まで、大潮、釣果＝ボウズ
・2005年新日鉄波止場、午後から夕まずめまで、大潮、釣果＝16時カレイ2

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