旅してマドモアゼル

Heart of Yogaを人生のコンパスに
ときどき旅、いつでも変わらぬジャニーズ愛

第6回 灰 ~ gray ~

2008-06-21 | 円熟途上エッセイ「桃色の独り言」
宣言通り、本日アップしましたけども

短いです。
今までの中で一番短いエッセイです。

テーマとしては面白いのですが、いかんせん話が広がらなかった。
私って年の割に「引き出し」が少ないんだなと痛感しましたよ。


最後の方なんて、単なる私の願望でしかなく…


だってーどうやら明日が本格的に「雨」みたいなんだもーん!!


昨日、「運に任せるだの」「ジタバタしてもしょうがない」などと言っときながら
結局、まだ諦めきれてない私…


でも

秩父に向かうレッドアローの中で食べるお昼のお弁当がけっこう楽しみだったりするのだ。
お菓子片手にMさんと「ぱつんぱつん」を予習してくのがわりかし楽しみだったりするのだ。


というわけで。
ユーウツ気分半分、浮かれ気分半分で書き上げた今月のエッセイです。



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「灰のように燃え尽きる」のは好きではないが、私はこの「灰・グレー」という色が嫌いではない。どちらかというと好きな色だと思う。その落ち着いた色合い、どんな色と組み合わせても、しっくりと馴染む絶妙な中間色。
そんな灰色の持つ魅力は、古くは江戸時代から好まれ、家の中をちょろちょろとする馴染み深い小動物の名前から「鼠色」と言われたその色は、どんな色にも合わせられる「粋」な色とされていた。
現在も、グレーはどの色にも合う色彩としてスーツなどの基本色として使われているし、インナーや小物にも使われることが多い。黒や白と比べても遜色のない、オールマイティな色だ。そして、その色合いはさらにバリエーションに富み、同じグレーといっても濃淡によって雰囲気が変わる。白に近いグレー、黒に近いグレー。白と黒というはっきりと相反する2色の間に存在する灰色。


ところで、よく「マリッジブルー」とか「ブルーな気持ち」とか「ブルー・デー」とか、日本語だと「青ざめたり」…とかくマイナスの意味に使われることが多い「青・ブルー」。
でも、そういう状態の時のイメージカラーはどちらかというと、「どんよりとしたグレー」の感じがしませんか?グレーを好きな色だと言ったその口で、こんなことを言うのはなんですが。
曇り空や雨雲を表すときの色は灰色。お葬式の時に出すのし袋も灰色。違法スレスレの境のことをグレーゾーンと表現したりすることも。灰色のほうがなんとなくマイナスなイメージがつきまとう。
青色を陰鬱な心の表現に使うようになったのは、ロマン主義の影響があるらしいけれど、私の中の青のイメージは、「青空」だったり「青い海」だったり、スコーンと突き抜けた明るさが大きく占める。他の人はどうなんだろう。

それでは、実際の気分に添わせるために、ブルーが使われている表現をグレーで言い換えてみたとしよう。
「マリッジグレー」「グレーな気持ち」「グレー・デー」…
うーん、なんだか、聞いただけで本当に落ち込みたくなりそう。
もしかすると、ブルーという言葉があえて使われているのは、陰鬱な状況であってもせめてそれを表す言葉だけは、明るい要素を持つブルーという色を使って、その暗さを解消しようという隠された意図があったのではないだろうか。そして、レッドでもなく、イエローでもなく、グリーンでもなく、ブルーが選ばれたのは、その色合いがグレーに近いからではないだろうか。


晴れの日はどこまでも青い空は、太陽が雲で遮られると灰色の空になる。
空では青と灰色は表裏一体だ。


灰色で曇った空の向こう側に、明るい青空があるのだと思えば、いつ明けるのかとうんざりしてしまう鬱陶しい梅雨でさえ、空を見上げてじっと見つめていれば、どこかに青空の小さな入口が見えるかもしれない。


夏の青空、早くやって来い!