さて、それでは公式あらすじ、帯にない内容を少し作者的に紹介して見ますと、、、
今回、物語のひとつの軸はあらすじにもある、群雄たちの秀吉打倒です。
そしてもうひとつは、、、タイトルにある通り「天下人の血」です。
応仁の乱以来の戦国乱世を治めた者・・・それは弓馬の家に生まれ育った武者ではなく、
尾張中村の百姓の家に生まれた、豊臣秀吉というひとりの男でした。
その秀吉の「家族」は?
関白となるまで、秀吉を支えた身内は弟の羽柴秀長を中心として、
姉の智子、妹の朝日姫、そして母親である大政所なか・・・
すべて、百姓の家に生を受けた人々です。
秀吉が子に恵まれなかったのは周知の事実ですが、
この兄弟姉妹の中で、三人の男子を産んだのが秀吉の姉・智子です。
長男は秀吉から関白職を譲られ、のちに非業の最期を遂げた豊臣秀次。
三男は叔父・秀長の養子となりながら、やはり死に不審な点のある豊臣秀保。
そして今回、主人公としたのは次男であり、文禄の役にて陣没した豊臣秀勝です。
この豊臣秀勝・・・若くして死んだこともあり、記録にはいたって乏しい人間です。
まず、よく言われていますが、秀吉には「秀勝」を名乗った「子」が3人いました。
長浜城主時代の実子と言われた初代・秀勝(石松丸)
(ただし、石松丸が本当に秀勝を名乗ったのかは、疑問の残る点ですが)
そして、信長の子であり羽柴家の養子となった2代目・秀勝(於次)
そして3代目・・・幼名は小吉。
秀吉にとっと思い入れのあるであろう「秀勝」の名を継ぎ、養子入りは兄の秀次よりも早い。
九州征伐の恩賞に不満を口にして追放処分・・・以後、一時的に記録は途絶え・・・
小田原攻めと前後して帰参し、甲斐で積極的な領国経営を行うも、
すぐに岐阜へ移され、翌年には第九軍・・・これは朝鮮遠征軍の総大将ポジションとして渡海し、、、
その地にて24歳の若さにて没しました。
この「3代目秀勝」の死をどう見るか?
天下を取った豊臣秀吉・・・しかし、関白就任、天下統一を境にするように、
その周辺の人物は大きく「入れ替わって」行きます?
これは偶然か、それとも・・・?
過去の3作品で智本光隆はまだ、このパターンをやったことがありませんでしたが、
豊臣秀勝の「存在しなかった24歳から先の未来」です。
本作は「秀勝隻眼説」を採用したと前に書きましたが、
実は物語の開始時点では、隻眼ではありません。
片目を失い・・・そして代わりに得た「未来」の物語です。
兄に関白秀次、そして妻に信長の姪・お江の方を持つ男が、
もしも生存し続けていたとしたら、果たして「秀次事件」へと向かう道でどのような行動をしたのか。
それは同時に、悲劇の最期を迎えることになった兄・秀次の運命を変えることができるのか?
そして、物語のキーパーソンとして「あの女性」が登場します!
天下人・豊臣秀吉と「血」を同じくする運命を背負った者達。その宿命の戦いをご覧下さい。
・・・そんな感じになるかな(w
そんなわけで登場人物は秀次、秀勝兄弟です。帯にあるとおり蒲生、細川、
そして、謎の男・真砂五右衛門!
過去の作品において、主役サイドだった人が、意外なポジションで出ていたりします。
5月3日まであとわずか!よろしくお願いします。
さて・・・それでは作者は、その前にそびえ立つ締め切りに挑む(w
智本光隆