もともと歩くのは
好きではない上に、
時間がないので
すぐに車で
出かけてしまいます。
認知症予防には
散歩のような
軽い運動が
必要とわかっていても
時間がない。💦💦
✨✨✨✨✨
学生時代に「散歩」という
歌曲を弾いた事が
あります。
あまり有名ではないかも
しれませんが、
音楽の都ウィーンは
歌曲の都でもあるのです。
600曲を越す
リート(ドイツ語歌曲)を
書いたシューベルト以後も
ブラー厶スやマーラーなどが
優れた歌曲を残しましたが
シューベルト以後の
最大の歌曲作家は
フーゴー•ヴォルフです。
彼の最高傑作は
「メーリケ歌曲集」
(全53曲)
その中の「Wandering」
(散歩)を思い出して
久しぶりに楽譜を
引っ張り出しました。
曲は軽やかで
すがすがしい
朝の散歩を描写します。
弾むようなリズムの伴奏に
楽しげな歌が重なりますが
ヴォルフの歌曲の中でも
特に親しまれています。
神に背いたために
楽園を追われたアダムに対し
もし楽園を終われる事が
なかったら
このように戸外を散歩する
楽しみも無かった、、と
歌います。
律法学者が言うほど
アダムは悪いのか?と
権威的な学者を
からかうような
歌詞なのです。
この詩を書いたメーリケは
プロテスタントの牧師で、
牧師でありながら
教会の権威を風刺するような
詩を書いた彼のユーモアに
感心させられます。
フィッシャー•ディスカウ
ジェラルド•ムーアの
最高のコンビの演奏です。
「散歩」
前奏
切りたてのステッキを持ち
朝まだき丘を登り
丘を下る
いくつもの森を抜け
小鳥が繁みの中で
さえずり、飛び回り
金色の葡萄の房が
射し染める朝陽の中で
生の輝きを放っている。
間奏
僕は思うのだが、
あの大昔のアダムも
秋には秋の熱に浮かされ
春には春の熱に浮かされて
生きる喜びを
神に祝福され
あのエデンの園の朝陽を
享受したのだったと。
間奏
だから大昔のアダムよ。
お前は律法学者が言うほど
罪がある訳ではない。
間奏
だから常に愛し、
ほめたたえ、歌い、
讃美することを忘れるな。
お前の創造者にして
守護神である神。
永遠に新しい天地、
創造の日々に生きるように。
間奏
神の恩寵を受けつつ
僕の全生涯が、
このようなさわやかな
汗の浮かぶ
朝の散歩のようで
あって欲しい。
後奏