青い花

読書感想とか日々思う事、飼っている柴犬と猫について。

六月の自句

2015-06-02 05:38:08 | 日記
五か月ぶりに結社の俳句雑誌に投句したら、思いがけなく高評価だったのですよ。六句中四句採用していただき、そのうちの一句は今月の推薦句に選ばれ、主宰のコラムで句評を書いていただけました。調子に乗って、この場で自句紹介。

人生の足音はやし雛納

鏡みて紅塗る道化冴返る

道化師の帰路らしき荷や春の星

窓に猫貼りついており木の芽雨

六月号なのに春の季語なのは、締め切りが四月一日だったためです。推薦句に選ばれたのは、雛納の句です。句風が地味なのは昔からです。若い頃からエッジの効いた句なんて一度たりとも詠んだことはありません。
評価が得られたからでは無いですけど、俳句って楽しいなぁ、続けたいなぁと思いましたね。昨年は踏んだり蹴ったりの時期があって、一時的に投句を休んでいましたけど、他の方の句には目を通していましたよ。
不如意な状況にあっても作句出来るのが理想なのですけど、個人的な不運を屹立した句に窯変させる技量は私には無いので…。才能のある俳人なら、笑っている場合じゃないような災難でも、作者の個性に頼らない自立した句に昇華させることが可能なのですけれど。その境地に到達できれば、と思っています。個人的な苦しみをベッタ~ッと叩きつけるような句は作りたくありませんから…。感情を生のままで剥き出しにするのではなく、具象に心象を託したいというか…季語とそれ以外の部分の言葉の化学反応を楽しみたいというか。俳句は十七文字しか使えませんから、色々詰め込むと忽ち制限オーバーになってしまいます。不要な言葉をどれだけ削げるか。その不自由さが面白いのですけどね。
コメント