まっかちゃんのブログ

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地域語(方言)ー滅びへの弔鐘が-

2015-10-25 15:34:43 | 文化・文学・アート
23日、立命館大阪プロムナードセミナー「木津川 計 ゆきしものへのバラード」の第4回 「地域語(方言)ー滅びへの弔鐘が-」を受講しました。講義の内容は以下の通りです。

私(木津川さん)は「方言」という言葉を使わない。なぜなら標準語以外は地方の言葉だとする昔の帝都意識がもたらせた用語故に「地域語」と呼んでいる。なぜその標準語がつくり出されたのかは明瞭で、近代国家に発展させるには言語の統一が肝要だった。東京の山手辺りの言葉を標準語と定め、普及させていった。従って、標準語もまた地域語に過ぎない。

標準語は別だが、地域語はどんどん衰弱する。ユネスコは2009年、世界で約2500の言語が消滅の危機にあると指摘した。その中にはアイヌ語や沖縄地方の「方言」、東京八丈島の「方言」など国内八つの言語や「方言」が含まれる。八丈島の島ことばには縄文時代の言葉が残っている。

標準語・共通語では語れない言葉の機能が地域語にある。地域語はその他の生活や文化と一体である。織田作之助の小説は登場人物に大阪弁を喋らせたから大阪の小説になった。なかにし礼の『長崎ぶらぶら節』も完璧の長崎弁で書かれ、宮尾登美子の『鬼龍院花子の生涯』は土佐弁、谷崎潤一郎の『細雪』は船場ことばを話したからその地域の文学足り得た。

「大阪さかいに京どすえ、長崎ばってん、江戸べらぼう、兵庫神戸のなんぞいや」と各地に特徴的な基幹語があったが、「べらぼう」は失われた日本語の部類に入っている。大阪弁の「さかい」や「おます」「なはれ」を使用しない20代は80%から90%に達しようとしていた。1990年の調査である。(『方言は絶滅するのか』真田信治、PHP新書)

朗読は日本語の美しさを標準語で読む。そこに朗読の神髄があり、所以がある。しかし、全国に広がる朗読家は地域語を衰弱させる役にも努めてきた。朗読家が標準語の読みをマスターするのは、当たり前のことだ。その努力と同じように、住む地や故郷の地域語を語り、詠み続けることが豊かだった地方文化を存続させることにもなる。

八丈島の島ことばをCDで聴き、ゲストの木崎幸子さんが秋田弁で「花さき山」と「八郎」を朗読しました。また、言葉の魔術師と言われたミス・ワカナの「全国婦人大会」CDのを聴きました。「花さき山」と「八郎」を秋田弁で聴いて、その土地にしかない表現があり、共通語では細かな気持ちを表せないことが良く分りました。
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